甲子園の春夏連続ファイナリスト記録は7年間継続中の九州沖縄勢

昨年度、準優勝校・九州国際大付

 過去数年にわたり、甲子園球場で最大の勢力を誇る九州沖縄勢だ。
 2005年年・春に神村学園が初出場で決勝進出を果たして以降、春夏いずれかの大会で決勝進出チームを輩出しているのだ。うち全国制覇は10年に興南(沖縄)が達成した春夏連覇を含む5度。とくに春は神村学園に始まり昨年の九州国際大付まで、07年を除くすべての大会で決勝進出を果たしている。その07年も夏に佐賀北が全国制覇を達成したため、春夏合わせた甲子園のファイナリスト記録は7年間継続中というわけだ。
 強さの理由は、常に探っている。ところが、そこに明確な理由などはない。ただ、探っているうちに「強さ」ではなく「好結果を残し続けることができた理由」が、おぼろげながらにも見えてきた。

クロスロードの成長とともに

平野國隆監督(鳥栖)

 九州監督会を束ねる鳥栖・平野國隆監督が“盟友”の当時沖縄水産監督、故・栽弘義さんとともに「クロスロードイン鳥栖」を発起したのが1994年。わずか6校でスタートした5月連休の練成会が、現在では120校を超える全国最大の巨大オープン戦リーグに成長したわけである。クロスロードの巨大化に比例して、九州地区の野球レベルは上昇していくのだった。
 現在では、九州各地からも強豪が挙って参加するようになったが、その人気の理由は、監督間同士の交流(懇親会)が充実していることにあるという。クロスロードの“育ての親”栽さんは「九州(・沖縄)はひとつ」というスローガンを常に提唱し、自身の経験や野球観を余すことなく若い指導者たちに伝授していった。

 練習方法や戦術など、本来であればチームごとに隠し通して可笑しくない事柄すら、出し惜しみなく伝えていくのだ。

 栽さんのグラウンド内外で見せた地域強化の精神は“生みの親”でもある平野監督を中心に継承されてゆく。伝授から意見交換の場となり、チーム強化の品評会としてクロスロードは成長した。そして、他地区の指導者が「我々の地域では考えられないですね……」とカルチャーショックを受けるほどの一体感を作り上げていった。