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第84回選抜の選考を振り返る【関東・東京・ 東海・北信越 編】

2012.01.29

関東・東京地区 枠6(関東5、東京1)・候補校19

第84回選抜の選考を振り返る【関東・東京・ 東海・北信越 編】 | 高校野球ドットコム

明石飛真主将(浦和学院)

5校目の可能性があるため、まず補欠2校まで含めた7校まで選出する作業を行った。

■ 浦和学院(埼玉県)

関東大会連覇
の同校をまず選出。1年生の山口 瑠偉渡邊 剛と素材型の大型投手が関東の強力打線を抑えた。攻撃では上位から下位まで切れ目が少なく、関東大会の1試合平均得点が7.5。特にクリーンアップの勝負強さが光り、投攻守のバランスの取れた好チームと評価された。

■ 作新学院(栃木県)
投手は昨夏甲子園ベスト4まで導いた大谷 樹弘が柱。力強い投球で、スライダー、シンカー、フォークも冴え、特に横浜を2点に抑えた準々決勝は見事だった。攻撃でも昨夏の経験者4名が残り、チーム打率3割1分4厘。さらにバントを多用せず、機動力を使った戦法が光り、守備力も大会を通じて安定していた。

■ 高崎健康福祉大高崎(群馬県)
左腕の三木 敬太1回戦の文星芸大附属、準々決勝千葉英和と連続完封。縦に落ちるカーブとスライダーにキレがあり、巧みな投球術が光った。攻撃では打力、機動力ともに高く、特に相手の一瞬のスキを突く走塁は攻撃の流れを引き寄せるものだった。守備も関東3試合で失策0と安定していたと高評価だった。

■ 高崎(群馬県)
エース島田 智史は170センチと小柄ながらも直球にノビがあり、カーブとシュートをテンポ良く投げ、1回戦(東海大望洋)と準々決勝(東海大甲府)をそれぞれ2点に抑えた好投が光った。攻撃ではファーストストライクから積極的に振っていき、闘志あふれるスタイルが徹底されており、2試合続けて逆転勝ちした最後まで諦めない攻撃は見事だった。また、高校生らしいキビキビとした全員野球ができでいたと高い評価を受けた。

■ 横浜(神奈川県)

初戦
下妻二戦では今大会上位にランクされる左腕・諏訪 洸投手を攻略しコールド勝ち。準々決勝では作新学院に敗れたが、エースの柳 裕也が2回に自打球で負傷し降板するアクシデントがあった。その柳は130キロ台後半の直球と大きく落ちるカーブを武器に制球力があり安定した投球を見せた。

補欠1位 東海大甲府
シードされ初戦となった準々決勝高崎に敗れたが、エース神原 友は180センチの本格派投手で直球に力があり、5回まで0点に抑える好投を見せた。投攻守にレベルの高いチームだったが、後半に逆転されたことが惜しかった。

補欠2位 東海大相模
1回戦で優勝した浦和学院に惜敗したが、攻守にバランスの取れた好チームとして、補欠2位として選考された。

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試合シーン(関東一)

■ 関東一(東京都)
投手は1年生の中村 祐太醍醐駿平の2枚看板。特に右の中村は180センチの恵まれた体格から、130キロ台後半の直球と高速スライダーを操り、決勝帝京戦1安打完封は見事だった。攻撃ではチーム打率3割2分2厘。上位から下位まで切れ目が少なく、繋ぐ打線が良くできていたと評価された。

補欠1位 帝京
エースの石倉 嵩也は左オーバーハンドから低めに集め、ストレート、スライダーにキレもあり、防御率0.95と好投が光った。攻撃では準決勝までは好調だったが、決勝で1安打完封と今一歩及ばなかったのが残念とされた。守備力は安定。

※最終1枠について
横浜帝京で投手力、守備力、攻撃力を詳しく比較検討。投手では横浜の柳、帝京の石倉ともに大崩れしない安定した力で互角とされた。守備力も互角と評価。ただ攻撃では、両チームとも素質の高い選手で構成されているが、横浜の安定した攻撃力に対し、帝京はやや波があり、特に関東一に1安打完封負けを喫したことが決め手となって横浜がわずかな選出となった。

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東海地区 枠2・候補校13

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浜田(愛工大名電)

各チームの実力が拮抗し、緊迫した戦いが繰り広げられたと総括。準決勝に進出した4校に絞って審議された。例年通り、最も重要な準決勝に勝利することが大事と、決勝に進出した2校が選ばれた。

■ 愛工大名電(愛知県)
投攻守に優れ、安定した戦いぶりで優勝したとして最初に選出。エースの濱田 達郎は大型左腕。MAX147キロの威力ある直球と鋭く落ちるカーブを持ち、コントロールも良く安定感のあり東海地区NO1の投手と高い評価。野手も強肩捕手の中村を中心にまとまり、打線もムラが少ないとの声が上がった。

■ 三重三重(三重県)
大黒柱のエース三浦 浩太郎は、チェンジアップやスライダーなどが冴え連打を許さないピッチングができる一級品の投手であるとの声が挙がった。チーム全体も野球を良く知っていることが強みで、前年までのあと一歩及ばなかった戦いぶりからの見違えるばかりの逞しさを身に付けたと評価された。

補欠1位 市立岐阜商
補欠2位 至学館

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北信越地区 枠2・候補校16

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山本翔(敦賀気比)

投手を中心とした守り型のチームが多く、接戦が多かったと総括。例年通り準決勝進出の4校に絞って審議された。そして直接のライバルを倒すために、最も重要な準決勝を勝った2校が選出された。

■ 敦賀気比(福井県)
攻守に安定感がある好チームで、他校に比べ力が一歩抜けていたとして最初に選出。右の岸本 淳希と左の山本 翔大の2枚看板の投手陣。特に山本 翔大はカーブとスライダーが冴える好投手と評価された。

■ 地球環境(長野県)
エース漆戸 駿はコントロールの良い先発完投型の投手で勝負に最も大切な技を持っていると高い評価。チームは準決勝では同県の松商学園を破り、実力を証明した。失敗を恐れず積極的な戦いぶりも称賛された。

補欠1位 福井工大福井
補欠2位 松商学園

(文=高校野球ドットコム 編集部 )

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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