第84回選抜の選考を振り返る【関東・東京・ 東海・北信越 編】
関東・東京地区 枠6(関東5、東京1)・候補校19
明石飛真主将(浦和学院)
■ 作新学院(栃木県)
投手は昨夏甲子園ベスト4まで導いた大谷 樹弘が柱。力強い投球で、スライダー、シンカー、フォークも冴え、特に横浜を2点に抑えた準々決勝は見事だった。攻撃でも昨夏の経験者4名が残り、チーム打率3割1分4厘。さらにバントを多用せず、機動力を使った戦法が光り、守備力も大会を通じて安定していた。
■ 高崎健康福祉大高崎(群馬県)
左腕の三木 敬太は1回戦の文星芸大附属、準々決勝の千葉英和と連続完封。縦に落ちるカーブとスライダーにキレがあり、巧みな投球術が光った。攻撃では打力、機動力ともに高く、特に相手の一瞬のスキを突く走塁は攻撃の流れを引き寄せるものだった。守備も関東3試合で失策0と安定していたと高評価だった。
■ 高崎(群馬県)
エース島田 智史は170センチと小柄ながらも直球にノビがあり、カーブとシュートをテンポ良く投げ、1回戦(東海大望洋)と準々決勝(東海大甲府)をそれぞれ2点に抑えた好投が光った。攻撃ではファーストストライクから積極的に振っていき、闘志あふれるスタイルが徹底されており、2試合続けて逆転勝ちした最後まで諦めない攻撃は見事だった。また、高校生らしいキビキビとした全員野球ができでいたと高い評価を受けた。
■ 横浜(神奈川県)
初戦の下妻二戦では今大会上位にランクされる左腕・諏訪 洸投手を攻略しコールド勝ち。準々決勝では作新学院に敗れたが、エースの柳 裕也が2回に自打球で負傷し降板するアクシデントがあった。その柳は130キロ台後半の直球と大きく落ちるカーブを武器に制球力があり安定した投球を見せた。
補欠1位 東海大甲府
シードされ初戦となった準々決勝で高崎に敗れたが、エース神原 友は180センチの本格派投手で直球に力があり、5回まで0点に抑える好投を見せた。投攻守にレベルの高いチームだったが、後半に逆転されたことが惜しかった。
補欠2位 東海大相模
1回戦で優勝した浦和学院に惜敗したが、攻守にバランスの取れた好チームとして、補欠2位として選考された。
試合シーン(関東一)
※最終1枠について
横浜と帝京で投手力、守備力、攻撃力を詳しく比較検討。投手では横浜の柳、帝京の石倉ともに大崩れしない安定した力で互角とされた。守備力も互角と評価。ただ攻撃では、両チームとも素質の高い選手で構成されているが、横浜の安定した攻撃力に対し、帝京はやや波があり、特に関東一に1安打完封負けを喫したことが決め手となって横浜がわずかな選出となった。
東海地区 枠2・候補校13
浜田(愛工大名電)
■ 三重三重(三重県)
大黒柱のエース三浦 浩太郎は、チェンジアップやスライダーなどが冴え連打を許さないピッチングができる一級品の投手であるとの声が挙がった。チーム全体も野球を良く知っていることが強みで、前年までのあと一歩及ばなかった戦いぶりからの見違えるばかりの逞しさを身に付けたと評価された。
北信越地区 枠2・候補校16
山本翔(敦賀気比)
■ 地球環境(長野県)
エース漆戸 駿はコントロールの良い先発完投型の投手で勝負に最も大切な技を持っていると高い評価。チームは準決勝では同県の松商学園を破り、実力を証明した。失敗を恐れず積極的な戦いぶりも称賛された。
(文=高校野球ドットコム 編集部 )