大学代表相手に実力を発揮した高校日本代表投手陣を総括!
山田陽翔(近江)
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8月31日、ZOZOマリンスタジアムで開催された大学日本代表vs高校日本代表の一戦は、大学日本代表が4対1で勝利した。高校日本代表は惜しくも敗れたが投手陣はしっかりと実力を発揮した。その4投手について振り返っていきたい。
先発した香西 一希投手(九州国際大付=福岡)は130キロ前後の速球ながら、スライダー、カーブをコーナーギリギリにきっちりと投げ分け、先制打を浴びたものの、2回以降は無失点に抑え、3回1失点3奪三振の投球。馬淵監督も「投げ間違いが少ない投手」と評するように、甘い球は蛭間 拓哉外野手(浦和学院ー早稲田大)に投じた高めの直球ぐらい。大学生相手にもフルスイングをさせない投球ができていた。大学日本代表は、仮想・米国と想定するには十分な実力を持っている。先発・香西は目処が立ったのではないだろうか。そして香西の持ち味を十分に引き出していた野田 海人捕手(九州国際大付=福岡)も香西登板時はマスクをかぶることがほぼ決まったといえる。
2番手・宮原 明弥投手(長崎海星=長崎)は最速145キロの直球に、カットボール、縦スライダーを器用に投げ分けることができていた。大学生相手にも自分の直球、各種変化球が通用したことも自信になっただろう。強豪国相手にも重要な場面で投げることができそうだ。
3番手・森本 哲星投手(市立船橋=千葉)はいきなり二塁打を打たれてリズムを崩したように感じた。最速140キロの直球や、縦に鋭く落ちるスライダーはうまく決まった時は抑えられるが、最後までリズムがよくなかった。森本には、先頭打者をしっかりと抑えられるような入りができるための調整が必要だろう。立ち上がりが良い時は打たれようがないぐらいの投球ができるので、次回に期待したい。
抑えの山田 陽翔投手(近江=滋賀)はさらに評価を高めた。最速148キロをマークした速球は空振りが奪え、140キロ前後のカットボール、ツーシームは大学代表の野手陣でも当てられないほどのキレ味があった。慣れないクローザーながら、しっかりと状態を高め、ベストピッチングができる準備、メンタル、技術の高さは一級品だ。クローザー役として十分に活躍が期待できそうな投球だった。
(文=河嶋 宗一)