目次

[1]コロナ、猛暑、雨 過酷な夏の熱い戦い
[2]「一番弱いチーム」が奮起した都立富士森の旋風
[3]公式戦未勝利から8強に進出した桜美林
[4]明星・長島、駒場学園・佐藤の好投
[5]屈辱をバネに成長した日大三

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第104回 全国高等学校野球選手権大会 西東京大会

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 西東京の有力な投手で、1年を通して活躍した選手は、ほとんどいなかった。コロナ禍以外が原因のケースも多いが、コロナ禍が影響したケースも少なからずあった。

 この夏も、コロナ感染により出場を辞退した学校があったし、力のある選手がコロナ感染により出場できないケースもあった。それでも、出場辞退をできるだけ避けるため、コロナ感染に関しては柔軟に対応するようになったことは評価できる。

コロナ、猛暑、雨 過酷な夏の熱い戦い


 この夏、西東京大会のシード校は6校だけ。その分、ノーシード校にも力のあるチームが多かった。大会の試合の初日である7月10日には、創価都立日野という実力校同士がいきなり対戦した。猛暑の中で行われた試合は、都立日野の中堅手で打の中心でもある廣岡 太平外野手(3年)が、熱中症で足が思うように動かず敗れたシーンは、この夏の過酷さを象徴していた。また大会中は、雨による日程変更も多かった。気候変動の激しさは、高校野球にも影響を及ぼしている。

「一番弱いチーム」が奮起した都立富士森の旋風



仲間と喜びを分かち合う都立富士森・甲斐凪砂

 暑さに雨にコロナ禍と、厳しい戦いが続いたこの夏の西東京大会で、さわやかな旋風を起こしたのが、都立富士森だった。秋や春は1次予選で敗れ、都大会には出場していない。秋の練習試合で大敗し、廣瀬勇司監督から、「一番弱いチーム」と言われ奮起した。

 4回戦で聖パウロ学園を延長戦の末に破って勢いがつき、5回戦で駒大高、準々決勝で日大鶴ヶ丘とシード校を相次いで破ったことは、今大会最大のサプライズとなった。準決勝では日大三に大敗したが、選手たちは準々決勝、準決勝と神宮球場で試合できたことを楽しんでいるように感じた。「厳しいことを言いましたけど、ありがとう、という言葉に代えたいです」と廣瀬監督は語った。

公式戦未勝利から8強に進出した桜美林



桜美林バッテリー

 桜美林が秋に続いて春の大会も1次予選の初戦で敗れたことは、東京の高校球界で話題になっていた。全国制覇もした名門だけに、心配する声も少なくなかった。

 コロナ禍で練習が思うようにできず、名門は苦しんだ。「夏の大会も勝てないのではないか」と紺野翔大主将(3年)にとってもプレッシャーは大きかったようだ。夏の大会の間も体調不良で試合に出られない選手もいたが、都立片倉の好投手、ジョンソン・マーカス太一投手(3年)を攻略し、佼成学園を破り、準々決勝まで進出した。片桐幸宏監督は、「いろいろつらかったと思う。嫌な顔をせず、心折れずに立派だと思います」と言って、3年生をねぎらった。桜美林には2年生に好選手が多いだけに、後輩たちの活躍に期待したい。