帝京・日体大荏原など名門校復活の兆し



準優勝の日体大荏原

 今大会の話題の一つが、日体大荏原の43年ぶりの決勝進出だ。日体大荏原は、第1回大会の予選の準優勝校であり、大正時代から強豪の地位にあるのは東京では早稲田実業日体大荏原くらいであり、東京を代表する伝統校だ。近年は結果を残せず、忘れられた強豪という感じがあったが、小金井 凌生投手(3年)、石井 祥太投手(2年)といった投手陣を、しっかりとした守りで支え、手堅く得点する伝統校らしい野球で頂点にあと1歩と迫った。

 堀越も4年ぶりのベスト8。センバツで準優勝や準決勝に進出した過去に比べればまだ寂しいが、小田川雅彦監督の下で確実に力をつけている。

 そして金田優哉監督の下、新しい時代を迎えた帝京である。10年以上甲子園から遠ざかっているが、強力打線の破壊力は、甲子園に戻って来る日もそう遠くないと感じさせる力強さがあった。

 一方、関東一は投手力、打力、走塁、守備など、あらゆる面で東東京では抜き出ていた。しかしその分、接戦の経験が不足しており、同点の勝負でやや受け身に回ったのが惜しまれる。

3季連続甲子園出場を成し遂げたチーム作りの起承転結



胴上げされる小林幸男主将(二松学舎大附)

 二松学舎大附は昨年の夏、今年の春に続き、3季続けて甲子園出場を成し遂げた。昨夏の甲子園大会は雨で日程が延び、新チーム作りは大幅に遅れた。布施 東海投手(3年)、瀬谷 大夢外野手(3年)、親富祖 凪人外野手(3年)ら、夏のメンバーを中心に秋季都大会に臨み準優勝。本来夏休み中に行う連係プレーの練習は秋季大会後に行った。

 秋季大会のメンバーを中心に挑んだセンバツは初戦敗退。その後、コロナの感染もあり、春季大会出場も危ぶまれる状況であったが、何とか出場し、準優勝。この春季大会の時期は、センバツまでの「承」から「転」に移行する時期だった。関東大会出場をかけた準決勝の日大三戦を辻 大雅投手(3年)、重川のリレーで勝利した。そして関東大会では、片井のほか、岡部 雄大内野手、五十嵐 将斗内野手といった1年生をスタメン起用した。

 そして東東京大会では、準々決勝以後、布施は登板せず、秋の主軸であった大矢や主将の小林 幸男内野手(3年)はスタメンから外れている。秋からセンバツにかけての「起承」から完全に「転」になっている。

 チームが勝ち続けるためには、安心感が怖い。といって刺激を与え過ぎると疲弊することがある。ベテランの市原勝人監督は、そのあたりの差配が絶妙である。「結」となる甲子園では、東東京大会では目立たなかった秋の主力が、活躍するかもしれない。どんな形であれ、良い「結」を迎えることを期待したい。

(文=大島 裕史)