2年生主体の横浜、総合力はNo.1の東海大相模の課題とは vol.2
東海大相模・求航太郎、横浜・杉山 遙希
トーナメント表
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第104回神奈川大会の組み合わせが決まった。今回は横浜、東海大相模ブロックについて展望していきたい。
2年生に主力が多い横浜 宿敵に勝てる勝負強さが備われば黄金時代到来か
杉山 遙希(横浜)
今年の横浜は投打の主力ともに2年生で構成されている。左腕エースの杉山 遙希投手(2年)は2年生世代でもトップクラスの逸材だ。130キロ後半の速球に加え、切れ味鋭いスライダーも絶品。ただ、強豪校にもしっかりと勝負できるのが杉山しかいないのが現状だ。他の投手陣は悪くはないが、実績が足りない。
まずは夏の大会に入って、杉山以外の投手が勝負できると思わせる結果を残したい。そうすると後半戦へ向けて、戦いが見通しが立てやすくなるだろう。
打線では4番・萩 宗久外野手(2年)の長打力は素晴らしく、センターを守れることもあって、期待も大きい。堅守のショート・緒方 漣内野手(2年)のミート力は抜群で、その他のレギュラー選手のミート力も神奈川では上位に入る。今年の横浜は桐光学園と同ブロックに入った。順当にいけば、準々決勝で対戦する。勝てると、大きな自信がついて、さらにチーム力がレベルアップできる大きなチャンスでもあり、大一番となりそうだ。そんな横浜の初戦は生田東と湘南の勝者と対戦する。
同ブロックの強豪は横浜隼人。今年の横浜隼人は、正捕手でプロから注目されている前嶋 藍選手(3年)、巧打堅守の遊撃手・上本 蓮夢選手(3年)を中心に攻撃力、守備力が高いチーム。あとは投手陣がどこまで底上げされ、夏に向かうことができるか。初戦は年々、実力をつけている川和と戸塚の勝者と対戦。いずれにしても初戦から厳しい戦いが予想される。
[page_break:総合力No.1の東海大相模はいきなり慶應義塾と当たる可能性!投打ともに勝負強さを発揮できるか]総合力No.1の東海大相模は投打ともに勝負強さを発揮できるか
求航太郎(東海大相模)
21年選抜優勝を果たし、3年ぶりの夏の甲子園出場を狙う東海大相模にも期待がかかる。猛暑の夏はやはり投手力が高いチームが有利になりやすい。その点、東海大相模の投手陣の分厚さは神奈川No.1であり、全国でも戦っていける布陣である。
秋、先発投手として好投を見せた庄田 聡史投手(3年)に加え、リリーフとして抜群の安定感を見せる庄司 裕太投手(3年)は右スリークォーター気味から140キロ前半の速球、切れのあるスライダーで翻弄する好投手。また、求 航太郎投手(3年)は角度のある140キロ前半の速球を投げ込み、庄田、庄司と違い縦変化が使える。また長打力もあり、成瀬 善久投手(BC栃木)のようなフォームで勝負する技巧派左腕・武井 京太郎投手(3年)や、130キロ後半の速球、抜群の切れ味を誇るスライダー、チェンジアップで勝負する南 琉人投手(3年)投手も復活すれば、大きな戦力になる。こうしてみると全国レベルの投手陣という印象を感じさせるが、秋の関東大会、春の準々決勝での敗退を見ると、大事な試合になるとまだ心もとない印象である。
勝ち進めば打撃レベルの高いチームと対戦するだけに、しっかりと抑えられる投手陣になることを期待したい。
打線は山内 教輔内野手(2年)、笹田 海風内野手(3年)など長打力のあるスラッガーや、抜群の守備力を持つ深谷 謙志郎内野手(3年)など野手のレベルも高い。東海大相模に期待したいのは劣勢になっても粘れる試合運びだ。序盤から相手のペースになると、ひっくり返せず負けるのがこのチームの負けパターンであった。夏では、これまでとは違う試合運びを見せることができるか。
さらに同ブロックでは、平塚学園もいる。平塚学園は大型左腕・中村 翔投手(3年)を中心に守り勝つチーム。長打力のある打者は少ないが、ミート力が高く、さらに守備力も高い選手が多い。組織で勝つ野球をしっかりと実践するチームだ。
(文=河嶋 宗一)