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浜松開誠館の躍進で静岡、日大三島、静清、掛川東など入り乱れ混戦必至か

2022.06.29

浜松開誠館の躍進で静岡、日大三島、静清、掛川東など入り乱れ混戦必至か | 高校野球ドットコム
浜松開誠館・山口祥吾、静岡・法月彰弘

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静岡大会の組み合わせ

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 春季東海地区大会では、初出場の浜松開誠館愛工大名電津商岐阜第一を下して初優勝を果たした。静岡県勢としては昨年の掛川西に続いて2年連続優勝となった。また、昨秋も東海地区大会は日大三島が優勝し聖隷クリストファーが準優勝と、このところ、東海地区大会では好成績を残している。1校が勝ち続けるのではなく、さまざまな学校が勝ち上がっているだけに、混戦静岡を思わせる構図だ。

 組み合わせとしては浜松開誠館静岡市立聖隷クリストファーの勝者と、静岡磐田東浜名の勝者、日大三島浜松商静岡北の勝者と戦力の高いと思われる3校の初戦相手がいずれも難敵なのも今大会組み合わせの特徴となった。

春の東海王者・浜松開誠館に注目

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浜松開誠館・山口祥吾

 この夏は県大会と東海大会を優勝で飾った浜松開誠館に注目が集まる。2年生が多く、チームとしてはまだまだ成長していく可能性も十分だ。創部25年目で、佐野心監督はじめ元中日のスタッフの指導陣も話題だ。山口 祥吾投手(3年)が春季大会で制球の良さを示し成長したことで、投手陣は安定してきた。中軸を打つ静内 龍之介外野手(3年)も投げられる。1番2年生の廣崎 漣外野手もセンスがよく、登板することもある。4番斎藤 健介捕手(3年)も勝負強い。

 濃いグレー地に赤を基調としたユニホームもインパクトがある。組み合わせとしては、初戦の相手が大きなヤマになりそうだが、そこを勝てばベスト8ではシードの御殿場西知徳のほか、植松 麟之介投手(3年)と深瀬 涼太捕手(3年)のバッテリーがいい三島南、県大会3回戦まで進んだ三島北あたりとの戦いになりそうだ。また、話題としては愛知県生まれで両親が中国人という孫 俊郎投手(3年)のいる島田樟誠も面白い存在だ。かつての島田学園で、夏の実績はまだそれほどはないものの、135キロ前後の速球を投げる孫投手の出来次第では旋風を巻き起こす可能性もありそうだ。

 浜松開誠館が勝ち上がったとして、準決勝での相手は静清から常葉大橘のゾーンからの相手となる。ここでは春4強の静清が一番手。186センチの長身・久保 陸弥投手(3年)が中心となる。昨春三島南を21世紀枠で甲子園に導いた稲木恵介監督が異動した静岡富士と浜松学院の勝者が、3回戦で待ち受けることになりそうだ。さらにその先には常葉大菊川静岡学園などがいる。常葉大橘は初戦で星陵と清水桜が丘の勝者と当るが、その次には静岡商が待っていそう。いずれも力は接近しており、ベスト8までの道のりも平易ではなさそうだ。

[page_break:伝統校静岡は今年も逸材揃い]

伝統校静岡は今年も逸材揃い

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静岡・法月彰弘

 昨秋は3位校、今春は準優勝で東海大会に進出した静岡。昨夏に続いての連続出場を狙う。今春は法月 彰弘投手(3年)が成長。プロ注目の吉田 優飛投手(3年)や、昨年から投げている鈴木 脩矢投手(3年)と投手陣は分厚い。投げない試合では4番外野手の吉田の勝負強い打撃力も期待されている。むしろ今春は、4番打者としての活躍だった。その静岡の初戦は磐田東浜名という力のあるチーム同士の勝者となる。さらには、今年はチーム力が充実している名門の沼津東や、久能 樹音投手(3年)と勝又 瑠偉内野手(3年)というエースと4番がしっかりしている富士宮東も侮れない。一昨夏のコロナで中止となったセンバツ代替交流試合で1年生デビューした太田 圭哉内野手(3年)が最上級生となった加藤学園は、投手陣にやや不安はあるが「しぶとく食い下がってく野球をしていきたい」という米山学監督のチームづくりは定着している。

 対するヤマはプロ注目の飛距離のあるスラッガー近藤 爽太外野手(3年)がいる浜松工がシードだが、その初戦のオイスカ浜松国際駿河総合の勝者との試合も見逃せない。駿河総合は186センチの双子の原崎翔陽、雄陽(ともに3年)の左右の投手陣が話題にもなっている。角度があるので、そう簡単には打ち崩せないであろう。
 他にも、このゾーンには掛川西島田商といった伝統校や東海大静岡翔洋など実績のある夏に強い学校も多くいて混戦模様だ。

 今春センバツ出場を果たした日大三島は、初戦で伝統の浜松商静岡北の勝者と当る。ここをクリアすれば、次は藤枝明誠が上がってくるであろうか。日大三島藤枝明誠の対戦が実現すれば、藤枝明誠が初出場を果たした17年夏の決勝の再現となる。日大三島は、エースで4番の松永 陽登投手(3年)が攻守の軸だが、ことに少しでも甘いと簡単にスタンドへ運んでいく力のある打撃力は注目だ。その前後を打つ池口 奏内野手(2年)、野口 央雅外野手(3年)も勝負強く打ち勝つ力は十分にある。

 春季県大会では3位と躍進した掛川東は捕手から投手に転向した宇田 篤史投手(3年)が大黒柱となっている。180センチ、79キロという恵まれた体躯を生かした本格派だ。リードする榛村 元気捕手(3年)は打っても3番で、その勝負強さも定評がある。ここのゾーンには桐陽浜松市立などもいる。

 いずれにしても、四隅を確保したシード校と昨秋の県大会と東海地区大会の優勝校日大三島の5校を中心に、展開されていくであろうが、各校の力の差はわずか。接戦が続くことは必至で、結果的に思わぬところの優勝という可能性も十分に考えられる、今年の夏の静岡大会である。

(文=手束 仁

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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