大野稼頭央(大島)

 春は初戦敗退だったれいめいだが、3回戦で第7シード枕崎にコールド勝ち、準々決勝では鹿屋農に延長戦で競り勝って4強入りした。シード校を中心に前評判の高い強豪私学が順当に上位に勝ち上がった中、3回戦では鹿屋農が第2シード鹿児島城西に完封勝ちする番狂わせもあった。

 8月以降、新型コロナの第5波が全国的に猛威を振るい、鹿児島もまん延防止等重点措置地域となり、県独自の緊急事態宣言も出された中、例年8月末に実施されていた各地区大会が中止となった。秋の県大会は各地区大会の優勝校(※鹿児島市は3位まで、熊毛と大島は隔年交代)がシードとなっていたが、地区大会中止のためシード校なしのフリー抽選で大会が実施された。

 どのチームも夏の後の新チーム結成以降、県大会前の公式戦はもちろん、遠征や練習試合なども組めず、実戦経験が不足した中で迎えた秋の県大会だった。事前の予想がほぼつかない中で迎えた大会は、大島が1年秋からエース番号を背負う左腕・大野 稼頭央投手(2年)を中心に驚異的な粘り強さ、勝負強さを発揮して、初の決勝進出、鹿児島の離島勢初優勝を勝ち取った。鹿児島開催となった九州大会でも快進撃は続き、準優勝で22年春のセンバツ甲子園を大きく手元に手繰り寄せた。

 少子化、野球人口減少の影響は鹿児島も顕著で、秋の県大会の出場は58チーム70校だった。9人そろわず合同チームで出場する学校も増えている。合同チームや辛うじて9人そろえてギリギリで出場できるチームと、優秀な選手が集まる強豪校との格差が益々顕著になっている印象がある。高校野球界の現状に留まらず、野球界全体の在り方の変革の時期に来ていることを痛感している。

(記事:政 純一郎