17回自責0の1年生左腕など…神宮に集う好投手たち【データランキング】
森山 陽一朗(広陵)、前田 悠伍(大阪桐蔭)
20日から明治神宮大会がスタート。昨年はコロナ禍の影響で開催されなかったので2年ぶりの実施となる。高校の部では、全国10地区の優勝チームが参加。夏が終わり、新たなチームとして出発して最初の全国大会となり、来年春のセンバツを占う意味でも、注目される。
各地区大会を勝ち抜いた10校のデータをもとに投手のランキングを紹介する。各地区によって実力の差があり、試合数も違うことから、単純に順位付けをすることがすべてを反映しているわけではないだろうが、大きな特徴は見て取れる。対象は規定投球回数(チーム試合数)以上をクリアしている投手。(▲は左投手)
<防御率上位ランキング>
1位 0.00(17回)前田 悠伍▲(1年=大阪桐蔭)
1位 0.00(8回)川原 嗣貴(2年=大阪桐蔭)
1位 0.00(6回)工藤 翔大(2年=花巻東)
1位 0.00(4回)中谷 悠太▲(2年=広島広陵)
5位 0.49(18.1回)辻田 旭輝(2年=クラーク記念国際)
6位 0.65(27.2回)森山 陽一朗(2年=広島広陵)
7位 1.05(25.2回)山中 麟翔▲(2年=クラーク記念国際)
8位 1.27(21.1回)山下 圭太(2年=高知)
9位 1.64(11回)野田 海人(2年=九州国際大付)
10位 1.80(5回)川井 泰志▲(2年=大阪桐蔭)
(※カッコ内は投球回数)
防御率では規定投球回数をクリアして0点だったのは4人。そのなかでは大阪桐蔭(近畿・大阪)の前田がグンを抜いている。近畿大会初戦の塔南(京都)戦に先発して7回無失点、準々決勝が2番手で3回無失点、準決勝では先発7回1失点ながら自責は0。決勝は投げなかったが、自責点0で終えた。
クラーク記念国際(北海道)の背番号3の辻田は、北海道大会前の練習で右手中指を突き指した影響で、準決勝でようやく公式戦初先発。東海大札幌を相手に11奪三振1失点(自責0)完投勝利を収め、決勝も先発した。
広島広陵(中国・広島)の森山は中国大会全4試合に先発し下関国際(山口)戦の完封を含め、失点3(自責2)とチームを引っ張った。
<被打率上位ランキング>
1位 .105 工藤 翔大(2年=花巻東)
2位 .106 森山 陽一朗(2年=広島広陵)
3位 .143 中谷 悠太▲(2年=広島広陵)
4位 .165 山中 麟翔▲(2年=クラーク記念国際)
5位 .167 山下 圭太(2年=高知)
6位 .176 川井 泰志▲(2年=大阪桐蔭)
7位 .185 辻田 旭輝(2年=クラーク記念国際)
8位 .188 川竹 巧真(2年=高知)
9位 .190 松本 慎之介▲(2年=國學院久我山)
対戦した打者へ、どの程度安打を許しているかを示す被打率でも、広島広陵の森山の成績は称賛に値する。中国大会初戦から6回1安打、9回1安打完封など、4試合27.2回を投げ85打数9安打に抑えている。トップは花巻東(東北・岩手)の工藤だが、2試合6イニングで被安打2の内容だった。
<奪三振率上位ランキング>
1位 12.60(5回) 川井 泰志▲(2年=大阪桐蔭)
2位 12.27(18.1回) 辻田 旭輝(2年=クラーク記念国際)
3位 11.25(4回) 中谷 悠太▲(2年=広島広陵)
4位 10.13(8回) 川原 嗣貴(2年=大阪桐蔭)
5位 9.00(11回) 野田 海人(2年=九州国際大付)
6位 8.27(16.1回) 香西 一希▲(2年=九州国際大付)
7位 8.26(28.1回) 上加世田 頼希(2年=敦賀気比)
(※カッコ内は投球回数)
三振が取れる投手でも、クラーク記念国際の辻田が上位に入った。少ない投球回数が有利だが、3試合登板(2試合先発)で25奪三振をマークしている。ちなみに奪三振数だけでは、敦賀気比(北信越・福井)の上加世田が26個で最多となっている。
<与四死球率上位ランキング>
1位 0.00 中谷 悠太▲(2年=広島広陵)
2位 0.82 野田 海人(2年=九州国際大付)
3位 1.13 川原 嗣貴(2年=大阪桐蔭)
4位 1.27 山下 圭太(2年=高知)
5位 1.50 工藤 翔大(2年=花巻東)
6位 1.91 上加世田 頼希(2年=敦賀気比)
7位 1.95 森山 陽一朗(2年=広島広陵)
8位 1.96 萬谷 大輝(2年=花巻東)
投手の生命線であるコントロールの良さを示す指標でもあり、1試合に換算するとどれくらい四死球を与えるかを示す与四死球率。4イニング(2試合)で四死球0の広島広陵・中谷がトップだが、2位の九州国際大付(九州・福岡)の野田は11イニング(2試合)を投げ1死球のみで、四球を与えていない。背番号2の捕手で最速146キロの剛腕ながら、四球を与えないコントロールを兼ね備えている。
データだけを見ると大阪桐蔭の1年生左腕前田、クラーク記念国際の辻田、山中の2枚看板、広島広陵・森山が総合的には上位となりそうだ。比較的は秋は「投手上位」と言われるが、全国の舞台で各投手がどんな投球を見せてくれるのだろうか。