2019年以来の決勝進出となった山梨学院。対して2017年以来の決勝進出となった明秀日立。互いに投打ともに戦力が整うチーム同士の一戦となるが、共通して言えるのはエースの奮闘が決勝進出の原動力となっている。

 山梨学院は、榎谷 礼央が3試合すべてで登板。22.1回を投げて防御率0.81と安定感抜群の投球を見せている。スカウトからの評価も上がっていると囁かれる大会屈指の好投手は、最速144キロを計測するストレートに加え、カットボールにスライダーと、どのボールでもストライクを取れる。ゲームメイクに長けた投手であり、守備からリズムを作る山梨学院の大黒柱と言っていいだろう。

 関東大会前、清峰時代に吉田監督とコンビを組んでいた大崎・清水監督の投手育成のメソッドを通じて、榎谷は急成長を遂げた。ただ吉田監督は清峰時代の教え子・今村 猛と比較し、「今村ほどになれるかわからないけど、伸びしろがある」と現状に満足せず、さらなる成長に期待を寄せている。それを決勝の舞台で見せることがあれば、明秀日立を抑えることもあるのではないだろうか。

 対する明秀日立猪俣 駿太は県大会を含めても獅子奮迅の活躍ぶり。関東大会では18回を投げて防御率3.00と数字では榎谷に劣るが、身長183センチから角度を付けたストレートは最速142キロを計測するなど、今大会屈指の大型投手の評判に恥じないボールを投げている。

 落差の大きい120キロ台のフォーク系のボールも素晴らしく、準決勝・木更津総合戦でも空振りを奪うシーンが何度も見られた。金沢監督は「ピンチに強く、粘り強い。そして後半に強い。好投手の特性を兼ね備えた投手になってきた」とエースの成長に太鼓判を押す。優勝に導き、世代屈指の好投手ということを証明できるか。

 両投手ともここまで球数を投じてきた。今大会、榎谷は286球、猪俣は282球となっている。県大会からも考えれば疲労はたまっているだろう。決勝では控え投手の起用があるのか。それともエースの意地を見せるのか。両監督の起用も気になる。

 打線に関しては、タイプの違う両チームだ。山梨学院は「ミート力が高く、全員がつないでいく」と吉田監督が評するように、全体的にミートが上手く、切れ目のない打線がウリとなっている。その証拠に、ここまでのチーム打率.400を記録しており、結果にも出ている。

 なかでも準決勝で先頭打者ホームランを放った鈴木 斗偉。そして「結果を出す4番打者」と吉田監督が評する高橋 海翔の2人が好調。また、澁谷 剛生もチーム最多タイの5打点を記録しており、得点源として決勝でもカギを握りそうだ。

 対する明秀日立は、破壊力のある打線だ。ここまでは小久保 快栄辻 天成の下位打線コンビが好調で、打線をけん引してきた。加えて、金沢監督もキーマンに挙げていたクリーンナップの一角を担う石川 ケニー武田 一渓の2人から準決勝は快音が響いた。

 いわばWクリーンナップともいえるような状態で、金沢監督も「ようやく役者が揃ってきた」とコメントする。

 「石川と武田がある程度働けば負けるはずがないとチームには話してきた」と全幅の信頼を置く2人が決勝でも力を発揮すれば、明秀日立ペースで試合を進められるのではないだろうか。

(記事:編集部)