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大阪桐蔭、京都国際、市立和歌山の好投手に注目 全国屈指の激戦区近畿大会を徹底展望!

2021.10.15

大阪桐蔭、京都国際、市立和歌山の好投手に注目 全国屈指の激戦区近畿大会を徹底展望! | 高校野球ドットコム
米田天翼(市立和歌山)

 16日から滋賀県の[stadium]皇子山球場[/stadium]で行われる秋の近畿大会。来春のセンバツ出場を懸け、16チームが出場する。今夏の甲子園4強を占めるなど、近年はレベルの高さが際立っている近畿地区。12日に発表された組み合わせを基に大会の展望をしていきたい。

市立和歌山の米田、タレント揃いの大阪桐蔭など初日から注目チームが多く登場

 大会初日の第1試合は和歌山1位の市立和歌山と兵庫2位の神戸学院大附。2年連続のセンバツ出場を目指す市立和歌山は、エースの米田 天翼(2年)に注目が集まる。最速148キロのストレートに加え、テンポ良く緩急を使った投球はDeNAからドラフト1位指名された先輩の小園 健太と重なる部分がある。失点は計算できるだけに打線がどれだけ援護できるかが、カギになるだろう。

 創部6年目で近畿大会初出場の神戸学院大附香川西(現・四国学院香川西)を甲子園に5度導いた岩上昌由監督がチームを率いて力を付けてきた。まずはロースコアの接戦に持ち込んで、ワンチャンスをものにしていきたい。

 第2試合は奈良3位の天理と滋賀2位の滋賀学園天理は今年のセンバツを経験している戸井 零士(2年)や内藤 大翔(2年)を中心に打力には自信を持つ。投手は身長188㎝の南澤 佑音(2年)が大黒柱。県3位から優勝を果たした2年前の再来となるか。

 滋賀学園も旧チームから主軸を打つ山田 一晴(2年)と鈴木 蓮(2年)の打撃に期待が持てる。投手は西垣 玲音(2年)、服部 弘太郎(2年)、村田 凌摩(1年)ら試合を作れる選手を揃えており、継投策で強力打線を抑えたい。

 第3試合は大阪1位の大阪桐蔭と京都2位の塔南大阪桐蔭は甲子園で登板経験のある川原 嗣貴(2年)や別所 孝亮(2年)に加え、中学時代に日本代表の経験がある1年生左腕の前田 悠伍が台頭。投手層の厚さは大会屈指だ。野手は夏の甲子園でもスタメンマスクを被った松尾 汐恩(2年)以外にも、主将の星子 天真(2年)や4番の海老根 優大(2年)など中学時代から実績のある選手が多く、今大会も優勝候補に挙がってくるだろう。

 塔南は140キロの速球を投げる野原 元気(2年)が1番投手として投打に渡る活躍が期待される。失点を最小限に抑え、初の甲子園出場を手繰り寄せたい。

[page_break:17日は東洋大姫路、近江など実力派チームが登場]

17日は東洋大姫路、近江など実力派チームが登場

大阪桐蔭、京都国際、市立和歌山の好投手に注目 全国屈指の激戦区近畿大会を徹底展望! | 高校野球ドットコム
山田陽翔(近江)

 17日の第1試合は奈良1位の智辯学園と兵庫3位の東洋大姫路智辯学園は1番の松本 大輝や4番の高良 鷹二郎といった1年生野手が元気だ。投手陣も今春の近畿大会で好投を見せた大坪 廉(2年)と藤本 竣介(2年)に安定感がある。3年生の抜けた穴は小さくないが、新チームも強力だ。

 東洋大姫路はエースの森 健人(2年)の評価が高い。140キロを超えるストレートやキレのあるスライダーなどを織り交ぜ、奪三振能力の高い投手だ。来年3月末で退任が決まっている藤田明彦監督の花道を飾るためにも何とか甲子園の切符を掴み取りたい。

 第2試合は奈良2位の高田商と大阪2位の金光大阪高田商は夏から1番を打つ東口 虎雅(1年)を筆頭に繋がりのある打線が持ち味。奈良大会では天理相手に打撃戦を制しており、流れに乗せると怖いチームだ。

 金光大阪古川 温生(2年)と岸本 紘一(2年)のバッテリーが好守の要となる。古川はノビのあるストレートを投げる本格派右腕。彼をリードする岸本も巧みなリードでグラウンド上での監督としての存在感を放っている。金光大阪としては守りからリズムを作って、自分たちのペースに持ち込みたい。

 第3試合は兵庫1位のと滋賀3位の近江。社は最速143キロの速球を投げるエースの芝本 琳平(2年)に注目だ。兵庫大会は全て2失点以内で勝利しており、近畿大会でも守り勝つ野球を展開したい。

 近江は大黒柱である山田 陽翔(2年)が右肘の状態が思わしくないため、今大会は野手に専念する見込み。それでも滋賀大会の3位決定戦で決勝の満塁本塁打を放つなど、存在感を見せている。副島 良太(2年)、外義 来都(2年)、星野 世那(2年)の左腕トリオが投手・山田の穴を埋めることができれば、夏春連続の甲子園出場が現実味を帯びてくる。

[page_break:23日の2試合も実力チームが多く登場]

23日の2試合も実力チームが多く登場

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森下瑠大(京都国際)

 23日に初戦を迎える4校は翌日に準々決勝を控えており、投手起用にも注目していきたい。第1試合は滋賀1位の八幡商と和歌山2位の和歌山東。今春に小川健太新監督が就任した八幡商は堅い守りで滋賀大会を勝ち抜いた。投手は継投策が基本で、最速144キロ右腕の中川 翔介(2年)に繋ぐのが必勝パターン。強豪私学を次々と下した滋賀大会の勢いそのままに勝ち上がれるか。

 和歌山東も和歌山大会準決勝で、夏の甲子園優勝校の智辯和歌山に勝利しており、勢いに乗っている。投手は右横手投げの麻田 一誠(2年)や左の山田 健吾(2年)など技巧派が多く、打線は4番の此上 平羅(2年)を中心に速球に強い打者が並ぶ。この秋で悲願の甲子園初出場を手繰り寄せることができるだろうか。

 第2試合は京都1位の京都国際と大阪3位の履正社京都国際は夏の甲子園4強の主力が多く残っており、優勝候補にも挙げられている。投手は左の森下 瑠大(2年)と右の平野 順大(2年)の2枚看板が盤石。1番遊撃手の武田 侑大(2年)も健在で、経験値では他校を上回っている。中川 勇斗(阪神ドラフト7位)が抜けた捕手には辻井 心(2年)が三塁手からコンバートされた。彼が主将、正捕手として頼もしい存在になることができれば、3季連続の甲子園が近づいてくる。

 履正社は旧チームから主力として活躍している遊撃手の光弘 帆高(2年)が攻守の要。投手は増田 壮今仲 巧の1年生コンビに安定感がある。岡田龍生監督が来春から母校・東洋大姫路の監督就任が有力視されている中で、集大成に相応しい戦いを見せてほしい。

 今大会は出場校の実力が拮抗しており、初戦から接戦が多く見られそうだ。激戦を勝ち抜き、センバツの切符を掴むのはどこになるだろうか。

(記事:馬場 遼

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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