創価vs八王子は好右腕対決！秋季東京都大会を徹底展望【前編】
杉江 敏希（創価）、星野 翔太（八王子）
10月2日から来春のセンバツ出場を目指し、1次予選を勝ち抜いた64校により、秋季都大会が開催される。本大会では、夏の東西東京大会のベスト8以上のチームはシードされるが、西東京大会4強の世田谷学園、東東京大会8強の淑徳と芝は1次予選で敗退したため、13校がシードされた。それでも1、2回戦から好カード続出で、大会序盤から激しい戦いが予想される。9月27日に決まった組み合わせから、大会を展望する。
創価・杉江VS八王子・星野 いきなり注目の好投手対決
最大の激戦区は、創価と日大三がシードされたブロックだ。中でも創価と八王子は1回戦屈指の好カードだ。創価の杉江 敏希、八王子の星野 翔太は、ともに東京を代表する好投手。制球力が良く、投球の巧さが光る杉江と、力強い投球をする星野の対戦は、見応え十分である。
この試合の勝者は、ともに甲子園経験のある国士舘と拓大一の勝者と対戦する。国士舘は夏からメンバーが大幅に入れ替わったが、永田昌弘監督は、秋季大会の戦いに長けているだけに、この試合も注目の試合になる。
この試合の勝者は、日大三がシードされたブロックの勝者と準々決勝進出をかけて対戦する。日大三は、富塚 隼介、浅倉 大聖の3、4番を中心に、「強打の三高」の復活が期待される。対抗馬は夏のメンバーの大半が残った駿台学園か？
それでも日大三が最有力であることは間違いないが、3回戦も優勝争いを左右する好カードだ。日大三・創価なら、夏の準々決勝の再戦になる。夏は息詰まる投手戦の末3対0で日大三が勝っている。今度対戦すれば、創価・杉江の投手力と、日大三の打力との対決になる。八王子もしくは国士舘との対戦になっても、好勝負が期待される。
この激戦区を勝ち抜いたら、準々決勝で待ち構えているであろうチームが、東海大菅生だ。やはり東京を代表する好投手で、夏の甲子園ではベンチ外になった鈴木 泰成の復調具合が気になるが、福原 聖矢、小池 祐吏、小山 凌暉ら中心メンバーの多くが残った。この夏の甲子園で、無念の雨天コールド負けになった前の代、西東京大会に続き東西決戦も制しながら甲子園に行けなかったその前の代と、2代分の思いを受けて戦う東海大菅生は、優勝候補の筆頭だ。
東海大菅生のブロックでは、伝統校の堀越と、好投手の朝岡 涼太を擁する元祖都立の星である東大和の対戦も好カードだ。ただこのブロックでは、東海大菅生が抜き出ている。そして準々決勝の相手として、どこが勝ち上がっても、高いレベルの戦いが予想される。
[page_break:2回戦で関東一と早稲田実が激突か？]2回戦で関東一と早稲田実が激突か？
成井 颯（関東一）、壽田 悠毅（早稲田実）
関東一は夏のメンバーは、ほとんど残っていないものの、選手層が厚いだけに、前評判は非常に高い。1回戦は、近年力をつけている東京成徳大高と対戦する。夏は1番の西 絆斗、4番の藤原 淳之介ら、野手は経験者が多いが、課題は投手力だ。
関東一は初戦に勝つと、2回戦は早稲田実との対戦が有力で、2回戦屈指の好カードになる。早稲田実は1年生ながら夏は中心投手として活躍した石島 光騎、内野の中心となる2年生の壽田 悠毅ら経験者も多く戦力は充実している。
この試合の勝者は、3回戦で東亜学園か都立城東との対戦が有力だ。両校とも夏からメンバーは大幅に入れ替わっているが、都立城東は1次予選で日大豊山を破っており、ポテンシャルは高い。
この試合の勝者は、修徳と駒大高がシードされたブロックの勝者と対戦するが、駒大高のブロックも、激戦区だ。
3番・大根田 拓也、4番・長岡 皐樹、5番・矢崎 蒼空と並ぶ駒大高は、大会屈指の強力打線だ。1回戦で対戦する大森学園は夏のシード校。投手陣の経験不足が気になるが、木下 蘭亜、島田 颯大、山﨑 祥貴ら攻撃の中心選手は残っており、打ち合いが予想される。
この試合の勝者が2回戦で対戦する、日大鶴ヶ丘と佼成学園による杉並区対決も好カードだ。日大鶴ヶ丘の左腕・河野 集を、左打者が並ぶ佼成学園がどう攻略するかが見どころだ。
この4校、どこが3回戦に進んでも不思議でない。そして3回戦では、修徳との対戦が有力だ。修徳の佐藤 大空は、今大会注目の長距離打者だ。夏は、サヨナラ満塁や関東一の市川 祐からの一発など、3試合連続本塁打を記録。豪快なフルスイングも見ものだ。
修徳のブロックには、都立の強豪・紅葉川、足立学園、都立大島などがいる。大島は、夏は10人で戦ったが、3年生は1人だけだった。ギリギリの人数だが、選手個々の質は高い。
準々決勝は、修徳と関東一ならこの夏の準々決勝、佼成学園と早稲田実ならこの夏の3回戦、修徳と早稲田実なら昨秋の1回戦以来の対戦になる。
（記事：大島 裕史）
