Column

V候補の福岡大大濠は激戦ブロック、西日本短大附は連続甲子園狙う!秋季福岡大会展望

2021.09.17

V候補の福岡大大濠は激戦ブロック、西日本短大附は連続甲子園狙う!秋季福岡大会展望 | 高校野球ドットコム
山下恭吾(福岡大大濠)、黒田義信(九州国際大付)

 来年春のセンバツにつながる福岡県秋季大会は19日に開幕する。全国的にみても激戦区で今年も熱い戦いが予想される。
 ここ5年間、福岡秋季大会で優勝した5チーム中4チームが翌年のセンバツに出場を決めている。「福岡の秋を制するものはセンバツを射止める」。来月10月24日までの長丁場レースを予想してみた。

 組み合わせのヤグラでは、8強までのブロックを南北4チームずつで振り分けられている。そのブロックごとの展望を紹介する。

北Aブロック

V候補の福岡大大濠は激戦ブロック、西日本短大附は連続甲子園狙う!秋季福岡大会展望 | 高校野球ドットコム

 いきなり初戦の好カードが組まれている。今夏準優勝の真颯館に、17年センバツ出場の東海大福岡が激突する。ともに戦力は充実。初戦にしてはもったいない対決だが、勝利チームはブロックの決勝まで進むことになるだろう。ここに対抗するのは公立の伝統校、小倉。打者として長打力も兼ね備える最速145キロ右腕・吉川 雅崇投手( 2年)を中心として、上位をうかがう。

北Bブロック

V候補の福岡大大濠は激戦ブロック、西日本短大附は連続甲子園狙う!秋季福岡大会展望 | 高校野球ドットコム

 優勝候補の九州国際大附がひかえる。夏までのメンバーが多数残っているのが強味だ。プロも注目している町田 海斗捕手(2年)に加え、夏から4番を務めた黒田 義信内野手(2年)を中心とした打撃陣は強力だ。ただ、初戦の相手、北九州市立も例年、好投手を育てているので、要注意。強豪にありがちな鬼門の初戦さえ突破できれば、上位には届くだろう。東筑折尾愛真がどこまで対抗できるか。

北Cブロック

V候補の福岡大大濠は激戦ブロック、西日本短大附は連続甲子園狙う!秋季福岡大会展望 | 高校野球ドットコム

 激戦区。名実ともに抜けているチームはいないが、北筑が一歩リードか。今夏も16強に進出した強豪で、投打ともにバランスがいい。進学校ながら堅実な野球に徹する八幡に加え、北九州東筑紫学園などもあなどれない。

北Dブロック

V候補の福岡大大濠は激戦ブロック、西日本短大附は連続甲子園狙う!秋季福岡大会展望 | 高校野球ドットコム

 飯塚が筆頭だろう。今夏では伝統の打撃力を発揮して、4強に進出した。準決勝で優勝した西日本短大附に負けはしたが、粘り強さは証明した。191センチ、長身の白濱 快起投手 ( 2年)が中心で、140キロ超えの直球を持つ潜在能力の高さは折り紙付き。投打に力があり、優位はゆるぎない。


南Aブロック

V候補の福岡大大濠は激戦ブロック、西日本短大附は連続甲子園狙う!秋季福岡大会展望 | 高校野球ドットコム

 公立校の強豪、春日九産大九産の争いが予想される。順当に勝ち進めばベスト8をかけて対決することになる。今春の博多工戦で7回参考ながらノーヒットノーランをマークした左腕飯田 泰成投手(2年)を中心とした守り、粘りが身上の春日と、私立強豪らしく打撃で圧倒する九産大九産か。福岡工柳川という初戦の好カードも見逃せない。

南Bブロック

V候補の福岡大大濠は激戦ブロック、西日本短大附は連続甲子園狙う!秋季福岡大会展望 | 高校野球ドットコム

 夏春連続甲子園を狙う西日本短大附が筆頭になる。夏メンバーで残った5番打者・山口 雄大内野手(2年)をはじめ、穴井 秀山内野手(2年)今田 塁陽外野手(2年)の5、6、7番打者に加え、1年生ながら夏にレギュラーを奪った江口 翔人内野手(1年)は、甲子園で1番も務めた。169センチと大きくはないが、堅実な二塁守備と俊足好打が武器で、甲子園でも安打をマークした自信を秋にもつなげる。ただし、初戦の相手が祐誠。毎年上位に進出している強豪校だけに苦戦は予想される。その他、福岡市内では屈指の進学校で、20年独自大会では優勝も経験している福岡もいて、順当にいけば8強をかけて対戦する可能性がある。

南Cブロック

V候補の福岡大大濠は激戦ブロック、西日本短大附は連続甲子園狙う!秋季福岡大会展望 | 高校野球ドットコム

 筑陽学園が中心となる。今夏は4強に進んで、真颯館の前に敗れたが、甲子園に行く力は十分にあった。チームは変わるが、実力は抜けている。沖学園糸島あたりが対抗馬になるだろうが、筑陽学園の優位は変わらない。

南Dブロック

V候補の福岡大大濠は激戦ブロック、西日本短大附は連続甲子園狙う!秋季福岡大会展望 | 高校野球ドットコム

 ハイレベルな激戦ブロックとなった。優勝候補として名が挙がる福岡大大濠に加え、毎大会上位常連の福岡工大城東東福岡久留米商がいる。さらに、初戦から九産大九州大牟田が激突。目が離せないブロックとなりそうだ。福岡大大濠は不動のショートストップ、山下 恭吾内野手(2年)が中心。夏のメンバーだった、右トルネードの馬場 拓海投手(2年)、俊足好打の友納 周哉内野手(2年)と、タレントをそろえる。福岡工大城東は速球が魅力の内田 海翔投手(2年)を中心として守り勝つ野球で対抗する。戦力、実績、経験がある福岡大大濠は優位だろうが、どこが勝ち上がってもおかしくないブロックとなった。

 過去10年の福岡県秋季大会成績(◎は翌年センバツ出場)では、激戦を勝ち抜いた結果とあってか、近年はそのまま九州大会4強以上の成績を収めて翌年センバツに出場している高校は多い。

【過去10年の優勝校、準優勝校、4強】
2020年 ◎福岡大大濠、九州国際大附、西日本短大附北筑
2019年  福岡第一福岡工大城東八幡南宗像
2018年 ◎筑陽学園、九州国際大附、小倉工真颯館
2017年 ◎東筑筑陽学園小倉東福岡
2016年 ◎福岡大大濠、◎東海大福岡筑陽学園小倉工
2015年  九産大九産小倉福岡大大濠九産大九州
2014年 ◎九産大九州東福岡八幡南光陵
2013年  九州国際大附、西日本短大附小倉久留米商
2012年  久留米商門司学園飯塚筑陽学園
2011年  自由ケ丘福岡工大城東大牟田育徳館

 10月16、17日に北九州市民球場を舞台に、準々決勝がスタート。23日準決勝、24日決勝・3位決定戦まで、熱戦に注目される。

(記事:浦田 由紀夫

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.04.17

仙台育英に”強気の”完投勝利したサウスポーに強力ライバル現る! 「心の緩みがあった」秋の悔しさでチーム内競争激化!【野球部訪問・東陵編②】

2024.04.17

昨秋は仙台育英に勝利も県4強止まり「サイン以上のことをやる野球」を極め甲子園目指す【野球部訪問・東陵編①】

2024.04.17

「慶應のやり方がいいとかじゃなく、野球界の今までの常識を疑ってかかってほしい」——元慶應高監督・上田誠さん【新連載『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.1】

2024.04.17

根尾 昂、一軍昇格へ準備着々! 盤石・中日投手陣に割って入れるか?

2024.04.17

【茨城】土浦日大と明秀日立が同ブロックに!選抜出場の常総学院は勝田工と対戦!<春季県大会組み合わせ>

2024.04.14

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.12

東大野球部の新入生に甲子園ベスト4左腕! 早実出身内野手は司法試験予備試験合格の秀才!

2024.04.15

四国IL・愛媛の羽野紀希が157キロを記録! 昨年は指名漏れを味わった右腕が急成長!

2024.04.12

【九州】エナジックは明豊と、春日は佐賀北と対戦<春季地区大会組み合わせ>

2024.04.12

【東京】ベスト8をかけ激突!関東一、帝京、早稲田実業などが登場<春季都大会>

2024.04.09

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.05

早稲田大にU-18日本代表3名が加入! 仙台育英、日大三、山梨学院、早大学院の主力や元プロの子息も!

2024.04.14

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.02

【東京】日大三、堀越がコールド発進、駒大高はサヨナラ勝ち<春季都大会>

2024.03.23

【春季東京大会】予選突破48校が出そろう! 都大会初戦で國學院久我山と共栄学園など好カード