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【夏の甲子園】ベスト8進出校は?戦力拮抗で大接戦の様相もズバリ大胆予想

2021.08.10

【夏の甲子園】ベスト8進出校は?戦力拮抗で大接戦の様相もズバリ大胆予想 | 高校野球ドットコム

 第103回全国高等学校野球選手権が8月10日に開幕する。抽選会前に優勝を狙える10校を前編・後編で紹介したが、今回は組み合わせを見て、各ブロックのベスト8の本命・対抗を紹介したい。

【夏の甲子園】ベスト8進出校は?戦力拮抗で大接戦の様相もズバリ大胆予想 | 高校野球ドットコム大会展望
【前編】今年の甲子園で全国制覇を狙える10校は?優勝候補筆頭がいない理由と大会予想を徹底展望
【後編】今年の甲子園で全国制覇を狙える10校は?優勝候補筆頭がいない理由と大会予想を徹底展望

西日本短大附・二松学舎大附・京都国際・前橋育英ブロック

【夏の甲子園】ベスト8進出校は?戦力拮抗で大接戦の様相もズバリ大胆予想 | 高校野球ドットコム

 このブロック、4校とも非常に強力で、西日本短大附は準決勝の飯塚戦で最大6点差を逆転した底力は脅威。エース・大嶋柊、遊撃手・林直樹、強打の捕手・三宅海斗とセンターラインがしっかりしている。

 二松学舎大附はエース・秋山正雲が決勝戦の関東一戦で1失点完投勝利。全国レベルの強力打線を1失点に抑えたことはかなりポイントが高い。

 前橋育英は強豪揃いのブロックを勝ち抜き、決勝戦でも健大高崎を破った。全国レベルの打線を守備力の高さで封じることができる。そして、このチームには皆川岳飛というスラッガーがおり、怖い存在だ。

 京都国際森下瑠大平野順大の2年生の二枚看板をはじめ、守りの要、捕手には中川勇斗がいて、打撃、守備に勢いのある2年生ショート・武田侑大がいる。このブロックで唯一、センバツを経験しているのが強い。

 持ち味を発揮すれば、どの学校もベスト8にいけるが、このブロックの本命は二松学舎大附とみる。2回戦からの登場なので、左腕の秋山が2試合投げれば、相手もそう簡単に打ち崩すのが難しい。2回戦が大会5日目、3回戦が大会10日目と、試合間隔にも十分にいけるだろう。

 対抗は前橋育英。守備力の高さ、土壇場の粘り強さを発揮できれば、接戦を勝ち抜いて、ベスト8に進みそうだ。


本命 二松学舎大附
対抗 前橋育英

智辯和歌山・宮崎商・作新学院・高松商ブロック

 智辯和歌山は140キロ超えの4投手がベンチ入りし、左腕・高橋令を合わせ計5投手がスタンバイする。また、打線は徳丸天晴宮坂厚希と好打者、強打者が揃い、戦力的に十分。優勝候補として推す声も多いが、戦力的なものだけではなく、日程面にも恵まれているのが大きい。この投手力と小園健太市立和歌山)を攻略した打線で、大会6日目からの登場。投打が噛み合えば、消耗が少なく勝ち上がっていけそうだ。

 対する宮崎商はセンバツを経験し、日高大空長友稜太の二枚看板がいて、打線も中村碧人西原太一と強力。

 隣のブロックでは、集中打と粘り強い守備が持ち味の作新学院浅野翔吾を中心に強力打線を誇る高松商は準決勝、決勝で逆転勝利。昨秋の四国大会では高知森木大智を攻略している。

 本命は投打でバランスが良く、粘り強い試合運びができる智辯和歌山。嫌らしい粘り強さを持った高松商を対抗に推したい。


本命 智辯和歌山
対抗 高松商

[page_break:樟南、三重、日本文理、敦賀気比ブロック]

樟南、三重、日本文理、敦賀気比ブロック

【夏の甲子園】ベスト8進出校は?戦力拮抗で大接戦の様相もズバリ大胆予想 | 高校野球ドットコム

 投手力が高い敦賀気比と140キロ台の速球を投げる投手2人擁する日本文理の北信越同士の一戦はハイレベルな熱戦が期待できそう。樟南は好左腕・西田恒河を擁し、守り勝つ野球は健在。また、三重は出場校トップクラスの破壊力を秘めた打線が持ち味。

 どの学校も勝ち上がれる強さを持っているが、本命はセンバツを経験し、好投手にも対応できる打力を持ち、投手陣が豊富な敦賀気比が一歩有利しているといえる。次点は三重。好投手を攻略できる打撃力の高さを持っており、勝ち進んでもおかしくない。


本命 敦賀気比
対抗 三重

弘前学院聖愛、浦和学院ブロック

 弘前学院聖愛は上位下位まで切れ目ない打線が特徴、継投策で逃げ切り、打ち勝つ野球を得意としている。対する石見智翠館は決勝戦でノーヒットノーランに抑えた好投手・山崎 琢磨を中心に守り勝つ野球を展開する。

 日大山形佐藤 拓斗伊藤 翔海など強打者を揃え、大量点を挙げる強力打線が持ち味。また米子東も1大会5本塁打を放った太田 舷暉(2年)を中心とした打線の破壊力は歴代トップクラス。決勝戦では逆転サヨナラ勝ちで甲子園の切符を勝ち取った。

 大会最後の出場となる浦和学院宮城誇南吉田匠吾金田優太を中心に7投手が登板した投手層が厚いチーム。森士監督のプランのもと、ほとんどが内野手、外野手をこなし、手札が非常に多い。吉田瑞樹など上位打線だけではなく、高松陸など勝負強い打者も下位に控えており、粘り強いチームだ。

 どの学校も実力校揃いだが、戦術の幅が広く、投打の総合力の高さを評価して、浦和学院を本命。対抗はわずかの差で弘前学院聖愛が絡んでくるのではないだろうか。


本命 浦和学院
対抗 弘前学院聖愛

[page_break:静岡・智辯学園ブロック]

静岡・智辯学園ブロック

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 新田は捕手も務めるエース・古和田大耀が大黒柱。好投手擁する聖カタリナに圧倒しており、勢いに乗ったときは手がつけられない打線が持ち味だ。対する静岡はエース・高須大雅が静岡大会無失点の好投。投手力の高さ、試合運びの上手さは非凡なものがある。

 東明館は投打の柱・加藤晴空を中心に守り勝つ野球。日本航空は4本塁打の和田航弥を中心に強打者が多く、ヴァルデナ フェルガス東谷星哉小澤耕介のリレーは確立している。

 智辯学園は、つなぎの野球に徹し、またタイムリー時も大きなガッツポーズを見せることなく、感情の起伏を小さくした。経験者が多く、試合運びの上手さが光る。対する倉敷商関西創志学園おかやま山陽といずれも投手力が高い私学を1点差で下している。今年、甲子園に出場した公立校の中では最も試合運びが上手い。

 広島新庄花田 侑樹秋山 恭平西井 拓大と3枚看板を擁し、打線もセンバツ時よりも破壊力が増し、準決勝では5点ビハインドの展開からひっくり返した試合運びが見事だった。対する横浜は7試合中、5試合がコールド勝ち。決勝も大差で勝利と、どの打者も右、左に打ち分ける打撃技術の高さ、守備、走塁とすべてにおいてハイレベル。接戦を経験していないのは不安点だが、その分、投手陣の消耗を避けることができた。

 本命は甲子園で本領発揮しそうな智辯学園が有利。そして横浜もベスト8に入っていてもおかしくない実力、完成度の高い野球を実践しているため、対抗に入れたい。


本命 智辯学園
対抗 横浜

愛工大名電、県立岐阜商ブロック

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 高岡商石黒和弥を中心に破壊力を秘めた強力打線が持ち味。そして対する松商学園は2年生左腕・栗原英豊が140キロ台の速球を投げ込み、145キロ右腕・今井英寿がリリーフとして逃げ切る。また下級生のときから注目された強打者・熊谷大生を中心とした打線も強力だ。

 初出場の東北学院は、187センチの大型右腕・伊東大夢の投打がカギを握り、愛工大名電寺嶋大希田村俊介などタレントを多く揃える。

 明桜の最速157キロ右腕・風間球打は変化球のコントロールが生命線。変化球でストライクが取れれば、自慢の剛速球も生きて、勝てる投球ができそうだ。チーム打率.425の帯広農は一瞬の甘い球を逃さず、果敢に大量点をとっていきたい。

 明徳義塾代木大和の復調に期待。打線も好投手を攻略する実力をしっかりと持ち合わせており、侮れない。県立岐阜商はベンチ入りした投手がすべて140キロ以上という全国トップクラスの投手陣が魅力。打線も高木翔斗が長打を発揮し、また前後の打者が巧打を発揮し、着実に点を重ねるスタイルだ。

 ベスト8どころか全国制覇を狙える実力を持った実力校ばかり。本命は戦力が揃い、愛知大会から厳しい戦いを制してきた愛工大名電を本命とし、投手陣の層の厚さ、戦術多彩な県立岐阜商が対抗と見ている。

 ただ、この強敵ブロックでも圧倒する投球を明桜・風間が見せれば、一躍、今大会の顔に躍り出る可能性を持っている。実力ならば愛工大名電県立岐阜商明徳義塾。剛腕投手が強豪を次々と抑え、勝ち進むストーリーとロマンが見たい方は明桜になるのではないだろうか。


本命 愛工大名電
対抗 県立岐阜商
ロマン 明桜

[page_break:神戸国際大附・明豊ブロック]

神戸国際大附・明豊ブロック

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 神戸国際大附は、西川侑志、阪上翔也を中心とした打線が強力。さらに投手陣の枚数も豊富だ。対する北海は最速150キロ左腕・木村大成が前評判通りの実力を発揮できるか。

 小松大谷東出直也奥野真斗を中心に強力打線が持ち味。対する高川学園は左腕エース・河野颯が140キロ前後の速球、切れの良い変化球で勝負する。打線もつながった時は脅威だ。

 迫力ある打線が武器の熊本工と、城戸悠希を中心に粘り強い試合運びを見せる長崎商との九州勢対決が見逃せない。1回戦屈指の好カードとなったのがセンバツ準優勝の明豊vs春季関東優勝の専大松戸。この一戦は激戦となりそうだ。明豊は投手陣の頭数が豊富で、打線も経験者が多い。対する専大松戸は全国トップクラスのサイドハンド・深沢鳳介がどこまで通用するか注目したい。

 本命は経験豊富で、センバツでは好投手も攻略し勝ち上がっている明豊で、対抗は神戸国際大附。激戦の兵庫大会で、戦術が上手い明石商、名門・報徳学園、試合運びが嫌らしい関西学院と難敵を下しているナインたちの総合力の高さはベスト8に入ってもおかしくない。


本命 明豊
対抗 神戸国際大附

盛岡大附・大阪桐蔭ブロック

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 阿南光森山暁生沖縄尚学當山渚と好左腕を擁する両校の対決はロースコアの接戦が期待できそう。5試合連続本塁打の金子京介など全国トップクラスの強力打線を誇る盛岡大附藪野哲也高久塁の頭脳派バッテリー擁する鹿島学園との対決も面白い。

 そして抽選会当日に盛り上がったのが東海大菅生vs大阪桐蔭の一戦。東海大菅生は機動力を生かし、継投策を講じての先行逃げ切り型の大型チームで、大阪桐蔭はスタメン9選手が注目選手に挙がるほどのタレント性を持ち、エース・松浦慶斗が148キロをマークし復活の兆しを見せている。どちらにも転がってもおかしくないだろう。

 山田陽翔岩佐直哉の強力2枚看板を擁し、さらに打線も強力な近江と、粘り強い試合運びで18年ぶり出場の日大東北との対決。日大東北側が先制攻撃を仕掛けたいところだ。

 本命はこの8校の中で最も戦力が揃う大阪桐蔭となりそうだ。破壊力を秘めた打線だけではなく、走塁、小技を使えるのが強み。全国制覇のカギは投手陣。そして守備力だ。対抗は盛岡大附。岩手大会でも全国レベルの好投手を攻略して勝ち上がってきただけに侮れない。


本命 大阪桐蔭
対抗 盛岡大附

 改めて組み合わせが決まると、大会前に紹介した優勝候補同士の対決もあったり、優勝候補には挙げなかったけれど、十分、優勝候補を破る実力校が入ったりと読めない組み合わせとなった。

 またセンバツ同様、ベスト8が出揃った時、答え合わせ企画を行い、さらに優勝候補予想をお届けしたい。

(文=河嶋 宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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