目次
[1]優勝チームは今年のセンバツ決勝進出した東海大相模、明豊と似たチーム
[2]大阪桐蔭が優勝候補筆頭とはいえない理由
[3]苦しみを乗り越えてワンランクレベルアップした明豊
[4]戦術の幅が広い智辯和歌山
甲子園出場49校が決まった。夏になると、大会前には、圧倒的に優勝候補だと思わせる学校が出てくる。10年の興南、12年の大阪桐蔭、15年の東海大相模、18年の大阪桐蔭、19年の星稜。ただ今年は優勝候補筆頭と呼べるチームがいない。ただ、上手く噛み合えば、優勝候補になるチームが10校ある。そんな学校と理由を紹介したい。まず前編では5校を紹介したい。
優勝チームは今年のセンバツ決勝進出した東海大相模、明豊と似たチーム

小畠一心(智辯学園)、池田陵真(大阪桐蔭)、幸修也(明豊)、中西聖輝(智辯和歌山)、田村俊介(愛工大名電)
今春センバツの決勝戦、東海大相模vs明豊は、令和を象徴するようなゲームだった。複数投手を敷いて、守りを中心に固める。少ないチャンスをモノにして、接戦を制する両校の戦いぶりは令和のチーム作りの模範を示していた。
かつて夏勝ち上がるには打てないと勝てないといわれた。今は「打撃」「守備」「走塁」「投手」「メンタル」戦術の5要素が揃わないと勝てない時代となった。少しでもミスすれば、試合を落としてしまうほど夏の戦いは怖い。
また酷暑の甲子園。投手1人で勝てるほど甘くない。その意味での強いチームとは、どんな場面、ロースコア、どんな相手にも複数投手を使えるチームを指す。点差がつかないと他の投手を起用できないチームは複数投手制を使えているとはいえない。
球数制限、戦術の多様化により、1人のスターピッチャーで頂点まで勝ち上がれる時代ではなくなった。この夏もきめ細かく、メンタルが強い学校が優勝するのではないだろうか。