3年ぶりの日本一を狙う大阪桐蔭。全国トップレベルの戦力を徹底紹介
近畿大会で見せた大阪桐蔭の強さはまさに往年の強さを思い出すものだった。選抜時ではあれ?と思った高校野球ファンも、近畿大会では「やっぱり大阪桐蔭強いわ…」と思った方も多いのではないか。抽選会の前に改めて戦力を整理したい。
【投手力】全国制覇のためには関戸、松浦の復活が不可欠
竹中 勇登(大阪桐蔭)
豪腕左腕・松浦 慶斗は府大会でベンチ外。近畿大会ではベンチ入りも未登板に終わった。途中からブルペンで投げている姿は見られたが、上からしっかりと叩く意識が見られ角度のある速球だった。マウンドに復帰し、胸をすくような剛速球を見せてくれるか。
そして関戸 康介も同じだろう。選抜前の練習試合では150キロを計測し、状態は悪くなかったようだ。感覚を取り戻し、剛速球と変化球を意図通りに操ることができれば、ポテンシャルは世代屈指のものがあるだけに、是非復活を期待したい。
この春、首脳陣の評価を大きく高めたのが、竹中 勇登だ。中学時代はU-15を経験した竹中は昨秋、リリーフ中心の起用だったが、この春、大阪大会では好投を見せ、近畿大会では2試合に登板し、13回を投げ、2失点の好投を見せた。140キロ近い速球と120キロ後半のスライダーで翻弄する投球術のレベルの高さはかなりのものがある。また投手陣の中で最も打撃がよく、鋭いスイングで次々と打球を飛ばす。
長身投手・川原 嗣貴も189センチから角度のある速球を持ち味の投手。近畿大会でも好投を重ね、評価を挙げている。2年生右腕の別所 孝亮も140キロ台の速球を投げ込む好投手。
レベルの高い投手は揃っているが、やはり全国制覇を狙うとなると、関戸・松浦の復活が必要不可欠となる。
【守備力】選抜後から大きく改善。対戦した学校も絶賛
宮下 隼輔(大阪桐蔭)
課題だった連携やカバーリングも改善が見られた。春季近畿大会で対戦した綾羽の選手たち、千代監督も大阪桐蔭の野手たちの状況判断や守備力の高さに驚かされたようだ。近畿大会では2年生捕手の 松尾 汐恩のスローイング能力は長けたものがあり、遊撃手・藤原 夏暉も軽快な守備がウリで、三塁手・宮下 隼輔も素早いフィールディングと強肩が光る強打の三塁手で、安心感がある。
外野手ではセンターの池田 陵真、ライトの花田 旭の2人の強肩具合が恐ろしい。確実性があり、さらにほぼダイレクトで届くスローイングは高校生のレベルを超えている。選抜よりも洗練された印象だ。
【打撃力】花田の急成長で破壊力抜群の打線に
花田旭(大阪桐蔭)
選抜初戦敗退に終わったが、選抜前の練習試合で強打を発揮しており、対戦した投手からは「優勝するんじゃないかと思いました」と答えるように、その打線の破壊力の高さを存分に発揮した近畿大会だった。
まず1番には長打力と勝負強さを兼備した宮下が入り、2番はスイッチヒッターで、近畿大会でサヨナラ本塁打を放った藤原が入る。3番・池田に、4番はこの冬に急激な成長を遂げた花田旭の長打力は凄まじいものがある。
5番前田 健伸もパワフルなスイングで威圧感を与え、長打を連発。6番・野間翔一郎は対応力がまして、逆方向にも長打を打てる技術が備わったことで、三塁打量産も期待できる打者へ変貌。7番に入った松尾もシャープなスイングで安打を連発する好捕手。また渋い役回りでチームに貢献する二塁手・繁永など今年の大阪桐蔭の打者陣の能力値の高さは高校生トップクラスだ。
【大阪桐蔭の3回戦までの道のり】
大阪桐蔭の初戦の相手は摂津と大阪学院大高の勝者と対戦。大阪学院大高は2018年の北大阪大会の決勝戦で対決しており、昨夏もベスト4入りしている強豪校だ。また公立の強豪・大冠も同ブロックで、タフな戦いが予想される。
3年ぶりの夏の甲子園出場・全国制覇を目指し、序盤から圧倒的なパフォーマンスを見せていく。
(文=河嶋 宗一)