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東海大菅生と国士舘と同ブロックなど熾烈な対戦が続々!夏の東京を徹底展望!【西東京編】

2021.06.27

 2年ぶりに甲子園を目指す高校球児の夏が帰ってくる。けれども、コロナ禍はまだまだ続く。さらに議論が渦巻いている東京五輪も開催される。神宮球場や五輪の練習会場になっている大田スタジアムの使用も、大幅に制限される、その一方で東西東京大会の準決勝と決勝戦は、史上初めて[stadium]東京ドーム[/stadium]で開催される。

 いままで経験したことのない、歴史に残る夏に東西東京大会を制するのはどこか。組み合わせから、東西東京大会を展望する。

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ノーシードの早実、日大二、国士舘は序盤から強豪対決

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清宮 福太郎(早稲田実業)

 シード校が5校の東東京とは逆に西東京は11校がシードされたため、強豪校が比較的分散されたが、早稲田実日大二国士舘などはノーシードであるため、序盤から好カードを作った。

 まず注目されるのが、早稲田実。順当なら3回戦で佼成学園と対戦する。早稲田実は注目の清宮 福太郎だけでなく、エースの田和 廉や遊撃手の壽田 悠毅らを擁し、ノーシードであっても優勝候補に挙げられる。佼成学園は故障に苦しんだ前野 唯斗投手が復帰し、野沢 京平とのバッテリーは安定感があるが、初戦で早稲田実との対戦はかなり負担になる。

 日大二桜美林と3回戦での対戦が有力だ。桜美林が全国制覇した時の主将である片桐 幸宏監督と、日大二の田中 吉樹監督は、高校生の時に西東京大会の決勝戦で対戦している。昨夏、2年前の秋も両校は対戦し、いずれも日大二が勝っているが、両校の力の差はそれほどない。

 秋は2回戦、春は1回戦で敗れた国士舘は、清水 武蔵ら東京を代表する好打者がいる。投手を含めた守りがどこまで立て直せているかだが、3回戦で優勝候補の東海大菅生と対戦する。戦力充実の東海大菅生が優位であることは間違いないが、国士舘が2試合を戦ったうえでの対戦であることを考えると、東海大菅生としても油断はできない。

 ブロックごとにみると、第1シードの日大三は、準々決勝まではそれほど問題ないだろう。要注意なのは、秋は1次予選敗退ながらも、経験豊富な志田 一真を中心に得点力のある明星だ。日大三が準々決勝で戦うブロックも、シード校の創価が最有力。対抗馬は伝統校の法政か。

 準々決勝で日大三創価が対戦すれば、好ゲームが予想される。日大三は左腕の宇山 翼が安定。創価はエースの2年生・杉江 敏希が成長している。日大三の捕手・安田 和輝創価の捕手・小松 稜平、ともに俊足の日大三の中堅手・星 憂芽創価の中堅手・高沢 春佑といったセンターラインがともに安定している。

 この試合の勝者が準決勝で対戦するブロックには、國學院久我山佼成学園明大中野八王子の3校のシード校が入った。

 佼成学園早稲田実の勝者が対戦するブロックには、元ヤクルトの芦沢 真矢監督が就任して近年力をつけている啓明学園がいる。

 そして5回戦での対戦が有力なのが國學院久我山だ。早稲田実は春の1回戦で國學院久我山に敗れている。佼成学園國學院久我山は昨夏の独自大会で対戦。延長タイブレークの熱戦の末、佼成学園が勝っている。啓明学園は2年前の夏に佼成学園を破っている。どのような対戦になっても、様々な因縁のあるブロックだ。

 明大中野八王子は、日大二桜美林の勝者が対抗馬になる。日大二は春の2回戦で明大中野八王子に敗れている。このブロックは強豪校が揃う激戦区になった。

[page_break:好投手の多いブロック 注目の左腕、八王子の羽田の起用法が注目]

好投手の多いブロック 注目の左腕、八王子の羽田の起用法が注目

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羽田 慎之介(八王子)

 今大会最も注目を集めているのが、八王子の身長190センチ左腕・羽田 慎之介だ。秋に肘を痛めただけに、あまり無理はさせたくないところだ。控えの2年生・星野 翔太らも伸びており、羽田の起用法が注目される。

 八王子の初戦は、多摩大聖ヶ丘都立国分寺成蹊のいずれか。八王子が優位であることは確かだが、初戦の相手としては、簡単ではない。5回戦で対戦するブロックには、都立東大和都立八王子北など、都立の強豪が控える。

 八王子のブロックの勝者が準々決勝で対戦するブロックには好投手が多い。シード校の都立日野には木下 孔晴日大鶴ヶ丘には左腕の山本 輝大、それにノーソードながら世田谷学園には横手投げの建守伯がいる。その他、ともに秋は1次予選で敗れたものの八王子に善戦した昭和一学園帝京に善戦した聖パウロ学園などの戦いも注目される。

 東海大菅生が5回戦まで戦うブロックには、国士舘の他にも、都立片倉早大学院八王子実践などがいる。3回戦での対戦が予想される早大学院八王子実践の試合では、最速が140キロを超える八王子実践清水 崇景早大学院の強打者・田村 康介との対戦が注目だ。

 東海大菅生のブロックの勝者が準々決勝で対戦するブロックでは、日本学園と専大付がシードされている。専大付と4回戦での対戦が有力な駒大高は打線が強力。粘りの野球の専大付との東都大学の付属校対決は力のこもった試合になりそうだ。日本学園は左腕・浅井 颯斗が緩急をつけた投球で、春は帝京を破ったが、浅井のスタミナをどこまで温存できるかがカギになる。

 総合力では日大三東海大菅生がリードしている。八王子は羽田投手の力を残した状態で終盤を迎えることができるか。強豪がある程度分散した分、5回戦以降の戦いが激しくなりそうだ。

(文=大島 裕史

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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