津田学園、三重、海星、津商、白山、松阪商、菰野らが入り乱れて混戦状態【三重大会展望】
昨秋の県大会は三重三重が優勝し、東海大会はベスト4。しかし春は1回戦敗退で、その三重を下した津商が優勝。津田学園が準優勝を果たしている。安定した実績を残したのは秋も春もベスト4に残った三重海星と松阪商か。これらに、実績のあるいなべ総合や菰野がどう絡んでくるのか混戦が予想される。
64チームが参加の三重大会は、きれいに16チームずつのヤマが4つ均等に出来た。混戦と言われている三重大会を組み合わせに基づいて展望していこう。
好投手揃える津田学園
上野隼希(津田学園)
三重海星から津田学園までの32校のゾーンでは、3回戦で当たりそうな三重海星と宇治山田商が注目カードだ。混戦の三重大会にあって、秋春ともにベスト4に進出した三重海星。機動力を絡めた攻撃野球は新しい形の三重海星戦術となっている。山崎泰幹君、水本晴陽君、水谷光希君らの継投もカギとなりそうだ。海星には2回戦で春のベスト8鈴鹿が挑んできそうだ。伝統の宇治山田商は、ここで勝てば勢いに乗りそうだ。その勝者と当りそうなのは松阪工、松阪、四日市工に春のベスト8で勢いのある暁と高田あたりか。高田はタテの変化球のいい岩本諒太君、茂知野翔耶君の長打力なども見どころだ。
津田学園のヤマでは3回戦で近大高専との対戦が予想される。津田学園はスピードのある窪田勇成君と182㎝の長身右腕の上野隼希君、下手投げの越智晴也君と岩永空登君もおり投手の駒は豊富だ。この勝者にぶつかると予想されるのは、宇治山田、四日市の伝統校か皇學館あたりだろうか。
準決勝ではシードの三重海星と津田学園が当たる可能性は高そうだが、夏は何が起こるかわからないので、予断は許されない。
[page_break:3回戦で菰野vsいなべ総合の可能性]3回戦で菰野vsいなべ総合の可能性
池田 翔紀 (菰野)
松阪商から津商の32校のゾーンは三重三重、菰野、白山、いなべ総合などがノーシードで待ち構えている。松阪商にとって最初の壁は3回戦の四日市中央工あたりかと思われるが、初戦の伊勢も侮れない。松阪商は喜田星也君と北村音湧君のバッテリーが軸となる。北村君はマウンドに登ることもある多才な選手だ。昨秋の東海大会ベスト4の三重三重は津商に初戦で大敗してノーシードとなった。2回戦で津西と桑名西の勝者を下せば、3回戦では町健大投手が注目されている白山と対決か。この勝者が松阪商に挑むことになりそうだ。
近年の三重県での最も熾烈なライバル関係といってもいいであろう菰野といなべ総合はともに勝ち上がれば3回戦で当たりそうだ。今季はどちらも、ここまではやや不本意な成績だけに、最後の夏にかける思いは大きいであろう。菰野はエース池田翔紀君が復調してこれば実力は上位だ。いなべ総合は今季は秋も春も県大会進出を逃しているだけに、この夏にかける思いは格別であろう。
津商は、春季県大会では三重三重、宇治山田商、鈴鹿、三重海星、津田学園と難敵に競り勝ってきた。その勢いで、2015年以来の甲子園出場を目指す。組み合わせ的には、準々決勝までは比較的スムーズに行けそうだ。それだけに、注目度の高い出口慶人君をスタミナがあるとはいえ上手に温存しながら、後半へ向けて戦いたいところであろうか。
混戦状態とは言いつつも、最終的には投手力の安定しているところが残りそうだ。駒数のある三重海星、津田学園か一枚看板の津商か白山、菰野かといったところだろうか。
(文=手束 仁)