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成田、木更津総合、習志野…と注目度No.1ブロックのシード校の課題は?

2021.06.21

 戦国千葉展望。今回は成田、木更津総合、習志野と注目度ナンバーワンブロックの展望を紹介をしていきたい。

成田、木更津総合は投手力が課題

成田、木更津総合、習志野…と注目度No.1ブロックのシード校の課題は? | 高校野球ドットコム
島田 舜也(木更津総合)

 成田成田西陵土気の勝者と対戦。成田のスキのない試合運び、堅い守備、スタメンは上半身と下半身が連動したバランスの良い打撃フォームが徹底しており、どの打順でも長打が期待でき、きめ細かい攻撃内容と、完成度の高い野球は千葉の各校が憧れている。そんな成田の投打の中心を紹介すると、投手では右サイドの永名 悠平は常時120キロ後半ながら、切れのあるスライダーを丁寧に投げ分けてうたせて取る投球が長けた好右腕だ。130キロ後半の速球を投げ込む2年生右腕の高橋 竜平も春季大会で好投を見せ、着実にレベルアップしてきた。

 打線では左の強打者・伊藤 海凪のパフォーマンスは必見。本塁打を打てるパワーもあり、守備・走塁のレベルも基準以上。強豪大学でも続けられるスキルを持った選手だ。さらに尾島 叶大は尾島監督の次男で、シュアな打撃、軽快なベースランニング、高い守備力と野球の基礎がしっかりしたプレイヤーだ。また確実性の高いスローイングと強打が持ち味の好捕手・中村 虎太郎と能力が高い打者が非常に多い。

 課題だった投手陣は昨秋よりも進化が見られるが、あとワンランク、ツーランクのレベルアップが必要となるだろう。同ブロックでは速球投手・長谷川 瑛太擁する松戸六実も注目だ。

 このブロックの最注目は木更津総合はこの春は3回戦敗退。課題は強みだった投手陣の不調だ。この冬に伸びてきた右サイドの神子史温が無失点の好投を見せたものの、140キロ超えの速球派右腕・島田 舜也、同じく2年生ながら130キロ後半の速球を投げ込む越井 颯一郎が不調に終わった。打撃陣は強打の捕手・中西 祐樹、俊足巧打・秋元 俊太など野手のレベルは高く、勢いに乗った時の打線は怖い。とはいえ、夏にかけて強くなる予感は十分にあり、投手陣が盤石なれば、優勝争いに加わる可能性がある。Aシードの成田とは勝ち進めば、4回戦で対決する可能性があり、千葉の中盤戦の見所になる。

 同ブロックには暁星国際や、大型左腕・仲條 温人擁する横芝敬愛など注目チームが集まる。

[page_break:習志野は夏までにどれだけ戦力が浮上するか]

習志野は夏までにどれだけ戦力が浮上するか

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小林風太(習志野)

 注目のBシード・習志野は初戦で佐原若松の勝者と対戦。今年の習志野はどちらに転ぶか。昨夏は市立船橋にコールド負けを喫し、さらに秋季大会でも敗退した時、大きく話題となったが、ただ夏の独自大会から前世代と比べると今年は厳しいイメージがあった。

 理由としては軸になりそうな選手が不在だったこと。能力は低くはないけれど、投げれば安心、この打者を中心に形成すれば、安心という選手は見当たらなかった。この春になってもそのイメージは変わらないが、レギュラー選手の平均値がだいぶ上がった。

 県大会ではチーム打率.434とかなり当たっており、打率.727をマークした左の好打者・小林 風太、伸び盛りの2年生サード・竹内奏楽、強打の遊撃手・栗原 政悟と1人1人の力量は高く、打線になっていて、習志野伝統の相手のスキを奪う走塁も徹底されており、攻撃面はだいぶ仕上がってきた。課題となる投手陣。2年生が中心となり、左の技巧派・大野 真太朗や右サイドの関 順一郎など2年生投手が多く浮上。右サイドから135キロ前後の速球と切れの良いスライダーで翻弄する関は11年夏の甲子園出場に貢献した右サイド・木村 光彦(日本大-東京ガス)とかぶるものがあった。夏勝ち進むためには、あと1人、2人が投手伸びてほしいところ。今年は打線、投手もつなぎのチームなので、ベンチ入りするであろう20人が躍動する形になれば、19年に続く2大会連続の甲子園出場も可能だといえる。

 同ブロックでは投手力が高い日体大柏が構える。左腕・岡田 凛太郎、長身右腕・河原崎 友基、速球派右腕・川口 珠璃を擁し、バリエーション豊かな投手陣で守り抜く。攻撃と守備の要であるコッシーオ・アダムカツは確実性が高いスローイングとこの春にかけて長打力もましている。打線も下位打線も長打力のある打者が多く、どこからでも得点を期待できる。勝負所の守備がさらに良くなれば、強豪校相手にも勝ち抜けるチームとなりそうだ。

(文=河嶋 宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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