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県立船橋、市立船橋、幕張総合のブロックに実力が集結!ノーシード大躍進の可能性大!

2021.06.17

 激戦が予想される戦国千葉の展望。今回は県立船橋ブロックと市立船橋ブロックの見所を紹介したい。トーナメントの左側の紹介は終了となるが、どうしても習志野木更津総合など有名校が多いトーナメントの右側に注目が集まってしまうが、実は左側は戦力的な差がほとんどなく、ノーシードからの躍進も十分可能性がある。

県立船橋ブロックは抜けた学校がなく、混戦模様か

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県立船橋・荒井 皐

 県立船橋は初戦で印旛明誠稲毛の対戦。県立船橋は緊急事態宣言期間、練習制限もあり、満足行く練習もできなかった。それでもミーティングを念入りに行い、さらに練習の中でも質を高めた。結果として千葉黎明東海大市原望洋市立船橋といった強豪を下し、ベスト4入り。特に思い切りの良い打撃スタイルは光るものがあった。その中で、攻守の要である捕手・星田龍哉、強打の中堅手・安東大輝は県大会で唯一、本塁打を放っており、その強打ぶりは健在だ。

 印旛明誠はしぶとい野球を行うチームで、稲毛は強豪校とも練習試合を行い、レベルアップ中。ネット裏に回った選手や、マネージャーがスコアブックを真剣に記し、多くのことを吸収して活かそうとする姿勢が感じられた。畳み掛ける集中打も魅力で、県立船橋とカラーが似ているチーム。春季大会で拓大紅陵に完封勝利を収めた銚子商はエースの野村光希は130キロ前半ながら、コーナーワークに長けた右の好投手で、ディフェンス面でもしっかりとしており、夏の逆襲も十分に期待できる。

 Cシードの八千代松陰も例年通り、上位下位切れ目なく打線がつながり、粘り試合運びは健在。夏までどれだけ個々の能力を高められるか課題となる。

 同ブロックは拓大紅陵が構える。最速139キロ右腕・加藤光太は威力有る直球を投げ込む逸材。春は惜しくも銚子商に完封負けでノーシードとなったが、夏まで打線が強化できれば、一気に浮上する可能性を持っている。そしてこの中で怖いのは検見川だ。検見川瓜生 竜也武藤翔のバッテリーに注目。センターを兼ねる瓜生は130キロ後半の速球を投げ込み、武藤は勝負強い打撃と確実なスローイングを秘めた好打の捕手で、なかなか攻撃も粘っこく、簡単には諦めない試合運びは厄介だ。

[page_break:幕張総合を中心にタレント力が高いチームが集結]

幕張総合を中心にタレント力が高いチームが集結

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幕張総合・村山亮介

 この春、Cシードを獲得した幕張総合はプロ注目の強打の捕手・村山亮介は春季大会後から本塁打を積み重ね、高校通算35本塁打に到達。文句なしのポテンシャルを発揮できるか。さらには対応力が高く、県大会では村山以上の打棒を発揮した正部大成、140キロ前後の速球を投げ込む梅澤恵大などタレントが揃う。同ブロックは市原中央成田国際の勝者と対戦する。そして同ブロックで怖いのは市立柏。視野の広さが光る好捕手・関翔吾、速球投手・杉本大河、130キロ後半の速球を投げ込む大型右腕・鈴木竜斗とタレント力は県内でも上位レベルに入る。

 市立船橋は2年生ながら県内屈指の好捕手へ成長しそうな2年生・片野優羽はこの春の県大会で打率.500、1本塁打、9打点の成績を残した。183センチ88キロ。春季大会を終えて高校通算10本塁打と、来年の県内を代表する捕手として攻守ともに大きく注目されそうだ。その初戦の相手は毎年しぶとい戦いを見せる中堅公立校・袖ヶ浦と昨秋ベスト4の千葉英和と対戦。千葉英和中央学院に5回コールド負けを喫したが、左の巧打者・長岡大生など対応力が高い打者が揃っており、昨秋のように粘り強い守備と打撃が両立すれば、大躍進する可能性もある。同ブロックには140キロ近い速球を投げ込む瀧本 将生擁する市立松戸に注目。瀧本以外にも130キロオーバーの投手がおり、野手もポテンシャルが高く、見所が多い。春のコールド負けからどう進化を遂げたか注目していきたい。

 木更津総合に打ち勝ったBシード・東京学館浦安は県大会でも活躍を見せた巧打の二塁手・澤登 悠幹を中心に打力が高い選手を揃える、初戦は市川昴浦安の勝者と対戦する。同ブロックでは、Cシードの流通経済大柏千葉明徳富里の勝者と対戦するのも見逃せない。流通経済大柏は継投策で勝ち上がり、打者のキーマンは遊撃手の渡邉大陸。この大会では11打数7安打と大当たりを見せた。

 富里は左の強打者である4番指本幸太郎を中心に打力がある選手を揃え、継投策で乗り切るチーム。千葉明徳は昨秋ベスト8入りを果たした実力校で、攻守のキーマンは水野源章。投手とサードも兼ねる左の巧打者で、守備力の高さ、打撃技術の高さは県内上位だ。

(文=河嶋 宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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