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専大松戸ブロックに強豪校集結…。それでも専大松戸が期待できる理由

2021.06.10

 第103回千葉大会の組み合わせが決まった。今年は各ブロックで見所が多く、さらに好選手も多く、強豪校の盤石な試合運びの裏側を詳しくお伝えしたく、連載シリーズで紹介をしていきたい。

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深沢 鳳介(専大松戸)

 まずは優勝候補の専大松戸だ。15年に初の夏の甲子園出場。その後も春季関東大会出場常連になるものの、夏の大会では苦しい戦いが続いていた。専大松戸のブロックを見ると、かなり熾烈なブロックで、他のシード校と比べると厳しいブロックに入った。

 まず初戦の相手は、西武台千葉市立銚子の勝者と対戦。同ブロックでは西武でコーチ経験のある森博幸監督、山梨学院の部長として強化に尽力した松崎将部長の体制で復活途中の千葉経済大附志学館vs東京学館の対決もかなり注目だ。

 千葉経済大附は大型外野手・磯ヶ谷俐雄、本格派右腕の渥美亮太と2年生に逸材が多い。志学館は強打者・寺澤拓生擁するチームだが、春は投手力が課題となった。投手陣のポテンシャルを見る限り、打撃力に振り切りそうなチームになる予感がある。

 東京学館は昨秋、専大松戸に逆転勝利しており、最も脅威となるだろう。まず打線はプロ注目の遊撃手・粟飯原 龍之介、打撃、守備ともに高い技術を見せる平尾 匠、復帰を目指す好投手・根本 匠、春季大会で力投し、根本と同様、130キロ後半の速球を投げ込む田中 千歳も期待の2年生右腕だ。昨秋の県大会でかなり自信をつけた感がある。今大会は勝ち上がるごとに勢いに乗っていきそうだ。

 もちろん気が抜けない相手ばかりではあるが、この春の専大松戸の戦いぶりが継続できれば、圧倒できる予感がある。

 まずはエース・深沢鳳介の存在が大きいだろう。関東大会では試合を投げて、失点と抜群の安定感。センバツよりも着実に進化の跡が実感できる。春季関東大会では13回を投げてわずか2失点の好投。高校生の右サイドとしてはトップレベルである平均球速130キロ後半のストレートに加え、小さく鋭く曲がるスライダー、ツーシーム。サイドとしては珍しい縦のカーブも厄介。

 投げ方が実によく、肘が立った投球フォームで、常に回転数の高いストレートを投げ込む。「変化球の前にストレート」という持丸監督のもと、他のチームを圧倒できるようになっている。また、144キロ右腕の岡本 陸も県内レベルで圧倒できる投手となった。ただ、ミート力が高いチームには、変化球が甘く入りやすく、痛打を浴びやすい傾向を克服できるかポイントになる。

 また、関東大会でも好投した右の技巧派・中舘 宙、県大会でも登板した2年生・鈴木 良麻が戦力化できるか。


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吉岡 道泰(専大松戸)

 打線はとにかくしつこい。強豪校を立て続けに破り勢いに乗る県立船橋相手に淡白な野球にならず、ジックリと攻めて集中打でコールド勝ち。関東大会の初戦では駿台甲府相手に5回まで先発投手を100球投げさせ、試合を優位にすすめる試合運び。秋と比べると打線の迫力、対応力。攻めの幅が広がっており、かなり強いチームへ変貌している。

 打線ではセンバツでダイビングキャッチで飛球を取りそこね、ランニング2ランを許した吉岡 道泰だが、この選手のポテンシャルを評価しているからこそ、打棒でクローズアップされるニュースが多くなることを期待したい。持丸監督は吉岡の打撃内容について、かなり厳しいコメントを残してきた。春では2番だったが、バントではなく、強打の2番を期待して送り出した。吉岡が打者として覚醒すれば、かなり得点力は向上するだろう。

 また関東大会で2本塁打を放ち、来年の千葉県を代表する強打の捕手になりそうな加藤 大悟、9番打者ながら一発を打てる長打力があり、外野守備もレベルが高い苅部 力翔、遊撃手の石井 詠己などしぶとい打者が多い。

 専大松戸は春に見せたしぶとい粘り強い野球を貫くことができるか。それに尽きることだろう。

(文=河嶋 宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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