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22年のドラフト戦線に浮上!センバツ甲子園で発掘した7人の好投手たち

2021.04.13

22年のドラフト戦線に浮上!センバツ甲子園で発掘した7人の好投手たち | 高校野球ドットコム
米田(市立和歌山)、鈴木(東海大菅生)、楠本(神戸国際大附)

 今年の選抜は3年生だけではなく、2年生にとっても勝負の大会だった。何せ例年より名前がすぐに挙がらない。

 というのも昨年は全国大会が中止。そして昨秋は無観客試合と、逸材の凄さが報道陣、高校野球ファンの口コミで広がらなかった事情がある。

 必ず春、夏に起こっていたスーパー1年生というものがなかったのだ。

 今回のセンバツは今の2年生たち(2004年世代)のドラフト候補投手を発掘するには非常に良い大会だった。そんな2年生の好投手を紹介したい。

 まず今年のセンバツに出場した2年生投手でトップレベルの好投手は鈴木 泰成(東海大菅生)だ。185センチの長身から繰り出す140キロ前後の速球とキレのあるスライダーを投げ分ける投球の完成度は非常に高い。センバツ後の公式戦では都立八王子北戦では完封、都立小山台戦では1失点完投と、自信をつけており、現在の東海大菅生投手陣の中では一番調子が良い投手だ。

 ポテンシャルは非常に高く、高校、もしくは大学、社会人のどちらかで世代トップクラスの豪腕投手へ育つ可能性がある。

 また市立和歌山米田 天翼も、ひと冬で大きく成長した好投手。近畿大会の投球を見ると、体重移動の乗りが甘く、ふわっとした投げ方だったが、この1年でしっかりと体重が乗り、強く腕が振れる投球フォームとなった。センバツ前では最速146キロ。センバツでも140キロ前半の速球を投げ込んでおり、今後も注目していきたいと思わせる内容だった。

 化けたら面白いと思わせるのが190センチ右腕の大江 嶺。長い腕の振りから繰り出す130キロ中盤の速球は質が良く、最終学年には140キロ台到達に期待がかかる。センバツ準々決勝で好投し、自信をつけた大江はどんな進化を見せるのだろうか。

 別所 孝亮大阪桐蔭)も躍動感のある腕の振りから140キロの速球、キレのあるスライダーは魅力があった。リリーフで登板した長友 稜太宮崎商)も130キロ後半の速球、スライダーを投げ分ける本格派で、来年以降、宮崎を代表する好投手として注目を浴びそうだ。

 左腕では古川翼(仙台育英)の完成度の高い投球も見応えがあった。バランスが取れた投球フォームから繰り出す140キロ前半の速球、キレのあるスライダーを自在に投げ分けゲームメイクする投球は高い将来性を感じた。しかし天理打線に打ち込まれたように、少しでもボールが甘く入れば全国レベルの打線には捉えられることを痛感した。

 左投手のスケール度でいえば、楠本 晴紀(神戸国際大附)は大柄な体格から投げ込む140キロ前後の速球は見ごたえがあった。腕の振りも鋭く、来年には145キロ前後まで速くなることが期待される。順調に伸びれば、楠本が左投手としてはトップレベルの評価をされる可能性が高い。引き続き追いかけていきたい投手だ。

 改めて振り返ると、全国中継される甲子園ほど選手が認知される大会はない。無事に大会を終えて本当に良かったといえる。

 甲子園があったからこそ脚光を浴びた2年生投手たちが甲子園の投球をきっかけにさらなる成長を果たすことを期待したい。

 

(文=河嶋宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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