緊急事態宣言の延長の影響で1次予選は中止になったが、4月3日から秋季都大会と同じ64校で、2年ぶりに春季都大会が開催される。1次予選はなく、本大会のみ行われるのは、東日本大震災があった2011年以来のことだ。都立城東明星明大中野日体大荏原聖パウロ学園都立片倉など、秋は1次予選で敗れたチームがどこまで力をつけたか、みることができないのは残念だ。それでも秋季都大会は好投手が多く、接戦も多かっただけに、一冬超えて勢力図がどう変わるか、見どころの多い大会になりそうだ。

早実VS国学院久我山、国士舘VS明大中野八王子など、1回戦から好カード


 春季都大会の注目は、令和最初の春の東京王者はどこになるか、関東大会に進出する2校はどこか、とともに、夏のシード校になるベスト16はどこかである。2回勝てばベスト16であるが、1回戦から好カードが多く、シード校への道のりは波乱含みだ。

 1回戦の好カードの中でも熱戦が期待されるのは、早稲田実業國學院久我山だ。早稲田実業はプロ注目の清宮 福太郎をはじめ、エースの田和 廉、攻守にセンスがある遊撃手の壽田 悠毅ら個々の選手のレベルが高い。國學院久我山は、秋はまさかの大逆転負けを喫したものの、エースの高橋 風太を中心に、早稲田実業に十分対抗できる力がある。

 この試合の勝者は東海大高輪台と対戦する可能性が高い。東海大高輪台も秋は2回戦で逆転負けを喫しているが、チーム全体のレベルは高い。秋は球威があるものの、乱調で自滅した粕谷 祐天の成長も注目だ。

 国士舘明大中野八王子も好カードだ。秋はチーム作りが遅れていた国士舘であるが、攻守の中心である清水 武蔵をはじめ、力のある選手は多い。一冬超えた仕上がり具合が気になるところだ。明大中野八王子は横手投げの黒島 拓実と、秋は本調子でなかった本格派の井上 仁が、国士舘打線にどう立ち向かうか。勝者は秋8強の日大二との対戦が有力だ。日大二には東海大菅生を苦しめた左腕の大野 駿介がおり、このブロックのシード校争いはし烈だ。

 秋は2回戦で都立小山台にまさかのコールド負けを喫した帝京は、左腕・浅井 颯斗の粘りの投球で3回戦に進出した日本学園と対戦する。帝京は優勝候補に挙げられるほどの戦力があるが、秋は打ち込まれた植草 翔太安川 幹大ら投手陣の成長と、武藤 闘夢を中心とした打線のレベルがどこまでアップしたか。同じブロックに岩倉もおり、甲子園優勝経験校が2校入っている。

 秋は帝京を破り、日大三を苦しめた都立小山台は、1回戦で世田谷学園と対戦する。都立小山台木暮 瞬哉世田谷学園建守 伯と、横手投げの好投手の投げ合いが期待される。この試合の勝者が2回戦で対戦する可能性がある啓明学園には、小柄な左腕で、秋は桜美林を被安打4の失点1に抑えた巌 琉翔がおり、投手陣が充実したブロックだ。

 都立小山台の木暮とともに都立の双璧である好投手・木下 孔晴を擁する都立日野は、1回戦で立正大立正と対戦する。立正大立正には横手投げの山本 紘正、本格派の西川 拓磨という2人の好投手に、攻守の中心の松岡 拓海らがおり、実力は十分ある。同じブロックの東亜学園は、秋は本調子でなかった投手陣の柱である阿部 太一朗深堀 力斗が本来の投球ができるか?

 都立東大和の川島 慶士は、秋は日大鶴ヶ丘に敗れたものの、被安打4、失点1の好投。この春1回戦で対戦する日大豊山には、左腕の玉井 皓一郎をはじめ力のある投手が複数おり、またも投手戦が期待できる。同じブロックには、独特の落ちる球を持つ左腕の安保 優太郎を擁する目白研心もいる。

 秋は1年生(新2年生)の杉江 敏希の好投が光った創価と、9回に逆転サヨナラ負けしたものの、4強の二松学舎大附を土壇場に追い詰めた成立学園の対戦も、好カードだ。