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北海、仙台育英、明徳義塾、健大高崎と開幕戦から名門が一挙登場!開幕日3試合の見所

2021.03.18

第1試合 北海vs神戸国際大附

北海、仙台育英、明徳義塾、健大高崎と開幕戦から名門が一挙登場!開幕日3試合の見所 | 高校野球ドットコム

 特に開幕戦は近年でも一番ともいっていいぐらいの盛り上がりといわれている理由として、どちらもプロ注目のエースを擁するところだろう。

 北海のエース・木村大成投手は左腕から最速145キロの直球、切れのあるスライダーを武器に、52.2回を投げ70奪三振、防御率0.34と圧巻の好投を見せた好投手だ。一冬超えて各校の打撃力があがるが、ひざ元のスライダーが決まった時は高確率で空振りを奪うことができる。打線は大型遊撃手・宮下朝陽は甘く入ればスタンドインできるパワーを持っており、また上位下位ともに打力が高い選手をそろえており、勢いに乗れば大量点が期待できる。

 神戸国際大附は右打者の浮上が不可欠。昨秋のスタメン9人のうち左打者が7名と左中心の打線でかなり苦労するタイプだと考えられる。右打者でミート力も長打力も兼ね備えた好捕手・西川侑志だけではなく、新戦力となる右打者の浮上が鍵となるだろう。

 神戸国際大附の145キロ右腕・阪上翔也の復活が鍵だったが、8日の佛教大戦、10日の関西国際大戦で先発するなど、投手の準備は順調に整えている。41.1回を投げ、57奪三振。打者としても高校通算17本塁打をマークする二刀流だ。近畿大会直前に肘を痛め、ノースロー調整が続いたが、回復傾向。また、140キロ左腕・楠本晴紀が浮上するなど、好投手がどんどん出ている状況だが、やはりゲームのポイントは阪上の出来次第だろう。

 両エースの持ち味を発揮できれば、2,3点の勝負。ただどちらも打球が強く、一気に波に乗れば、5点勝負になるのではないだろうか。まずは前半の攻防に注目だ。

[page_break:第2試合 仙台育英vs明徳義塾]

第2試合 仙台育英vs明徳義塾

北海、仙台育英、明徳義塾、健大高崎と開幕戦から名門が一挙登場!開幕日3試合の見所 | 高校野球ドットコム

 注目の対決となった一戦。まず仙台育英は走攻守投のバランスが突き抜けている。投手陣ではプロ注目右腕の伊藤樹がいるが、143キロ左腕の古川翼、最速144キロ右腕の松田 隆之介、140キロ超えの投手を多く揃える。打者の相性、コンディションによって先発を立てられるのが強みだ。

 また打線も強打者の吉野蓮など強打者、巧打者揃い。強力な投手陣、強力打線が目立つが、仙台育英が最も売りとするのは、9試合で32盗塁を記録した機動力だという。この機動力がしっかりとかみ合えば、明徳義塾の投手陣、守備陣を大きく崩す一因となりそうだ。

 一方で、明徳義塾はエース左腕・代木大和は高い制球力、変化球の出し入れがうまく、馬淵監督と須江監督のオンライン対談で、「右打者に対するカットボール、左打者に対する外の出し入れは高校生レベルではない。社会人レベルの賢い投手」と絶賛。また代木を盛り立てるバックの守備力の高さは出場校トップクラス。特に遊撃手の米崎 薫暉の守備は今大会の出場選手でもトップクラス。接戦に強く、勝負所の一打、守備が素晴らしい。

 個々のポテンシャルが高いだけではなく、機動力も使える仙台育英、駆け引き、接戦に強い明徳義塾明徳義塾の粘り強さが終盤まで発揮できることが、仙台育英攻略の鍵となるだろう。

 また、仙台育英明徳義塾の守備のリズムを崩せる機動力の高さがある。

 どちらがリズムをつかみ、主導権を握れるか、注目だ。

[page_break:第3試合 下関国際vs健大高崎]

第3試合 下関国際vs健大高崎

北海、仙台育英、明徳義塾、健大高崎と開幕戦から名門が一挙登場!開幕日3試合の見所 | 高校野球ドットコム

 2年生だけで通算230本塁打。高校通算37本塁打の小澤周平を筆頭にレギュラーは二桁本塁打を狙える選手が多くいる。ただその中で怖いのはバットコントロールがよい櫻井歩夢は長打力も増しており、確実に化けている。健大高崎はとられたときにどれだけ反撃ができるかにこだわって勝負強さも磨いてきた。投手陣は最速141キロ右腕の高松将斗は制球力の高さだけではなく、キレの良いスライダーも良い。また、145キロ右腕・今仲泰一は球威ある直球、スライダー、カーブ、チェンジアップも落差も鋭い。ただ、健大高崎の青柳監督は、左腕投手の金子茉宙の仕上がりが重要だと2月の取材時で語ったように、ベンチ入り。120キロ台だが、回転数が高く、金子の投球も鍵になりそうだ。

 投打ともに総合力は非常に高いチームなので、波に乗れば、一気に試合の主導権を握る爆発力を持っている。

 ただ下関国際は現在の強打志向となった健大高崎にとってはかなりいやらしいチームであることは間違いない。10試合で28盗塁。攻撃力も本塁打を打てる選手は少ないが、つながった時は止められない怖さがある。そして投手陣ではキレのある速球を投げる左腕・古賀康誠、投打ともセンス抜群の仲井慎と2年生主体だが、個々の能力は高い。

 2018年夏の甲子園ベスト8入りしたように、駆け引きが実にうまい。

 この試合、どちらが大差をつけてリードをしていてもおかしくない。健大高崎が長打攻勢から下関国際の選手たちのペースを乱し、一気に試合の主導権を握るか。それとも下関国際がお家芸の機動力でかき回し、集中打で得点を重ねるか。いずれにしろ、序盤からの攻防から見逃せない。

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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