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激論になりそうな関東・東京6枠目。成績面で圧倒している学校があるが…

2021.01.26

 1月29日、センバツ出場校が発表される。センバツ候補132校となっているが、実質、ここまで勝ち上がれば、選考の可能性は高いと思うラインはある。しかし一方でボーダーラインを争う強豪校同士の選考だ。特に熾烈を極めるのは関東・東京の6枠目、近畿6枠目、21世紀枠である。まずは関東地区だ。

 関東地区はベスト8で敗れた4校と東京地区は準優勝に残った1校が6枠目を争う形になりやすい。では関東4校と東京都準優勝の日大三の成績を紹介したい。

鎌倉学園、国学院栃木、木更津総合のポイント

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千葉王者・木更津総合

鎌倉学園(神奈川2位)
【昨秋の戦績】
9試合7勝2敗
総得点61
総失点30

 県大会では桐蔭学園相手に5回コールド勝ちを収めたり、ここ一番の集中打が凄いのが強み。ただ、関東大会2試合で13失点、10四死球(四球8、死球2)と投手陣の内容がネックか。

国学院栃木(栃木1位)
【昨秋の成績】
8試合7勝1敗
総得点53
総失点41

 前チームのような強力投手陣ではなく、継投策で勝ち上がるチームカラーの国学院栃木。常に接戦を演じており、失点も多い試合も多い。それでも勝ち抜いているのは選手の粘り強さだけではなく、試合前の周到な対策だ。たとえば、関東大会の初戦では東京学館と対戦したが、無観客試合ではあったが、その中でも出来る限りの対策をして、シフトなどを敷いて接戦を制した。

 ただ準々決勝の健大高崎戦で1対8のコールド負けが痛いか。接戦で勝ち上がるチームは最後まで接戦を貫きたかったところだ。

木更津総合(千葉1位)
【昨秋の戦績】
8試合7勝1敗
総得点 56
失点  18

 昨秋の関東大会でも優勝候補として期待され、県大会でもダントツの戦いを見せた木更津総合。県大会では55得点、9失点と非の打ち所がない内容だ。しかしスーパーシードとして登場した準々決勝・常総学院戦で、1対9。自慢の投手陣が17安打、9失点という内容に終わったのは痛かった。

[page_break:注目の東海大相模、日大三のポイントは?]

注目の東海大相模、日大三のポイントは?

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石田 隼都と大森 幹大

東海大相模
【昨秋の戦績】
8試合7勝1敗
総得点 71
総失点 11

 昨夏、神奈川独自大会を制し、現在の神奈川の圧倒的王者である東海大相模。県大会では4本塁打。エース・石田 隼都は4試合、防御率1.59、28.1回、29奪三振と抜群の安定感を発揮した。また県大会で好投を見せてきた右腕・大森 幹大の安定感も素晴らしい。

 そして関東大会で、石田は準々決勝の東海大甲府戦の9回裏まで無失点投球を継続していた。この試合も9回一死までリードをしていた。試合内容としては文句なしで、得失点差も圧倒的。

 さらに成績面で深堀りしていくと、県大会ではチーム打率.361、OPS.1.031。関東大会では、チーム打率.310、OPS.694と高い成績を保っており、県大会、関東大会7試合を通じて3失策。ファクター面ではボーダーラインに残った学校ではナンバーワンだといえる。

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東京都大会準優勝の日大三

日大三
【昨秋の戦績】
8試合 7勝1敗
総得点71
総失点13

 東海大相模の対抗馬として見られる日大三。トータルで見ると東海大相模に負けていない。本塁打は2本のみだが、投手力が安定している。大会で好投を見せた宇山 翼は防御率2.15の力投。総失点、得失点差は東海大相模より上回っているが、チーム打率.252、OPS.751と打力面で劣っている。

 接戦で勝ち上がった試合運びができたのは、6試合で2失策となった日大三の守備力、戦力をどう評価するかもポイントになる。しかし決勝戦の東海大菅生戦では7回裏、ワイルドピッチ、守備のミスが絡んで4失点を喫したのはマイナス材料だ。

 今回まとめていくと成績面でいえば、東海大相模が圧倒的に高い。ただセンバツ選考は何の数字、何の試合を選考の決め手にするのか、全く読めない。過去にも、予想を覆すような選考が多くあった。

 とはいえ、こういうボーダーラインに上がった学校の成績面を知るだけでも、さらに選考が楽しめることは間違いない。

(記事:河嶋 宗一

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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