今年の埼玉は夏、秋ともに初優勝チームが出るという特別な1年となった。そんな今大会を総括したい。

 まず優勝した狭山ヶ丘はエース・清水 竣介が大活躍。打者としては19打数10安打、1本塁打10打点、投手としては5先発、4完投勝利。まさに大エースにふさわしい活躍だった。

 また主将の正高 奏太など打率4割超えの打者が7名もいるという強力打線で頂点に立った。定期的に上位に勝ち進むことが多い狭山ヶ丘だが、今回は優勝効果や帝京出身の平澤監督のもとで野球をやりたいという中学球児が多くなっているようだ。

 この優勝を機に埼玉の勢力図の上位に入ることができるか注目をしていきたい。

 夏準優勝、秋優勝の昌平は2018年北埼玉大会ベスト4から2年を経て、組織力、選手の力量ともに県内トップクラスのチームへ成長した。

 シダックス出身の黒坂監督の指導によって成長したスラッガー・渡邉 翔大吉野 哲平、俊足巧打の千田 泰智、遊撃手の角田 蓮、2年生ながらスラッガーとして活躍した吉野 創士とタレント揃いの顔ぶれだったが、代が変わっても野手のタレントが出てくる。

 スラッガータイプの古賀 智己寺山 太陽など能力が高く、なおかつ守備力が高い野手が出てくる。数年前の昌平とは見違えるほどのチームへ成長した。

 伝統校の花咲徳栄浦和学院春日部共栄の3校はやはり戦力が分厚い。夏の花咲徳栄は高校通算50本塁打の井上 朋也を擁する強力打線だったが、秋の花咲徳栄は140キロ超え投手が最低で4人もいる超強力投手陣。

 浦和学院は夏では148キロ右腕の美又 王寿など投打でバランスが揃ったチームだったが、秋では左腕・宮城 誇南、右腕・三奈木亜星と2人の好投手を擁し、打線も三奈木、吉田 匠吾吉田 瑞樹と大型選手が揃い、夏以降の躍進も期待できるものだった。

 春日部共栄はこの夏、花咲徳栄と接戦を演じ、190センチの大型右腕・三河 吉平、プロ志望の外野手・平尾 柊翔と能力が高い野手を揃えていた。秋ではセンス抜群の遊撃手・増田 凛之介、強打の捕手・石崎 慶太郎と代が変わっても能力が高かった。

 また初の準優勝を果たした細田学園は快進撃を続け、浦和実花咲徳栄を破り、決勝まで勝ち進んだ。丸山監督が自滅をしないチームと評するように、着実な試合運びが光るチームだった。投打の選手の能力は低くなく、全体的に底上げすれば、2021年も上位争いを繰り広げるに違いない。

 今年は井上のほかに豆田 泰志浦和実)がプロ入り。最速147キロを計測した伸びのある速球は何度見ても迫力があった。

 公立校では大宮東市立川口。また、夏では正智深谷星野の躍進も光った。

 今年はコロナ禍があり、非常に苦しい1年となった。夏以降は感染対策を行って、大会を進めてきた。

 その取り組みが継続され、春から熱戦が展開されることを期待したい。

(記事:河嶋 宗一