横綱・沖縄尚学、大関に沖縄私学四強 2021年沖縄高校野球を大胆予想
横綱沖縄尚学、大関に沖縄私学四強
U15日本代表の仲宗根大斗(沖縄尚学)
2020年、沖縄の高校野球秋季大会を振り返ってみると文句無しの戦いを見せた横綱が沖縄尚学と言えよう。
全6試合で得点は50の大台(51得点)に乗り、チーム打率は他校を引き離す.378をマーク。九州地区高校野球大会では延岡学園の粘りの前に屈してしまったが、個々の能力の高さを見せつけた。
その打線を引っ張るのが下地 泰世か。九州地区高校野球大会では1番打者として2安打1盗塁を決めている。また県大会23打数14安打で、打率トップとなる.609をマークした21546や、九州地区高校野球大会延岡学園戦で2点タイムリー二塁打を放った勝負強い長濱 諒や知念 新らの強力打線は、どこからでも得点出来る。
唯一の不安は投手陣。計算出来るのが後間 翔瑚一人ではとても勝ち抜けない。延岡学園戦でも、後間 翔瑚が降板した直後に同点、逆転を許した。二年生の豊田 大航に、U-15日本代表の仲宗根 大斗、一年生中央大会で好投を見せた比嘉 佑斗ら一年生が、この冬トレの期間に更なる成長を見せられるかどうかがカギだ。
その横綱を追う大関陣が、興南と日本ウェルネス、そして未来沖縄の"沖縄私学四強"だろう。
興南は不動のエース山城 京平の存在が大きい。秋の県大会防御率は1.36、被打率.143、奪三振率9.81と一流の数値を残した。また140キロをゆうに超えてくる球威と、一年生中央大会で優勝した自信に、悔しさを経験してきた2020年と全てが糧となってきた。それを高校野球最後の年となる2021年に昇華させることで、山城 京平自身初の甲子園出場という目標が現実となる。
また一年生中央大会で本塁打をマーク、秋のチームでも4番を張った盛島 稜大と、同じく一年生中央大会で29回33奪三振1自責点と圧巻の成績を残した生盛亜勇太の"盛×2一年生コンビ"は、他校の脅威となる。
日本ウェルネスは、夏ベスト4に進んだ前チームから主力を張る選手がズラッと並ぶ。山城 京平を苦にしない185cmの長身川平真也、野球センス抜群の平良 一葵、巧みなバットコントロールでヒットを量産する宮城 塁、平良 洸汰らの打線は県下随一の破壊力。Wエースの東恩納音と渡慶次 憲一郎も、経験値豊富で、心強い。流れを常に自分たちへと持ってくる元気と勇気溢れるプラス思考のベンチ内も、他校には見られない強みの一つだ。
虎視眈々と狙うのは「打倒・ライバル校」
平良 一葵(日本ウェルネス沖縄)
未来沖縄は、去った夏の大会決勝進出の立役者である大黒柱の松竹 嬉竜に注目が集まる。他校に一人も存在しない185cmの長身左腕対策は、並大抵ではいかない。圧巻だった夏の宮古戦は9回を138球で完投し15奪三振。準々決勝の普天間戦は6回と2/3イニングを投げ、この2試合ともに自責点は最少の1と試合を作り続けた。
走攻守でチームを牽引する慶田城 匠麻や、思い切りの良いスイングが魅力の東 大夢を中心とした打線も力がある。
関脇は秋の躍進を見せた具志川商と与勝。具志川商は秋の打率.330、与勝は.328。3位の興南(チーム打率.346)と比べても遜色ないが、投手陣の防御率が不安。沖縄尚学や興南に対しどう克服してくるのか。また、他校にはない選手層の厚さで、冬を越えさらに強さを見せたい沖縄水産と美里工のリベンジにも注目だ。
県屈指の本格派新里 勇人擁する宮古や、チーム力で躍進した石川ら秋のベスト8校をはじめ、コザ、中部商、糸満、小禄、知念、八重山、沖縄工、那覇商、宜野湾、普天間、美来工科ら近年上位争いを繰り広げるチームに、秋16強の首里、浦添商、球陽らが虎視眈々と打倒ライバル校を狙ってくるのが2021年の沖縄高校野球図となりそうだ。
(記事:當山 雅通)