秋季愛知県大会では、2年連続で中京大中京が優勝を果たした。また、東海地区大会も2年連続で制して来春のセンバツ出場をほぼ確実にしている。

 そんな中京大中京が中心になっていくであろうと思われる、2021年の愛知県高校野球を占ってみた。

切磋琢磨しながら、質を高めあう愛知の高校野球



 昨秋は大会前からの評判も高く圧倒的な強さを示した中京大中京。しかし、今秋のチームは、名古屋地区二次トーナメントの1回戦で星城に敗れたように、必ずしも抜けた力を持っていたというワケではなかった。

 高橋 源一郎監督も、「前の代が(公式戦無敗など)いいものを残してくれました。それを引き継いだ選手たちが、自分たちに出来ることは何かということを見出しながら戦って行って、力をつけていったと思う」と、見ている。

 旧チームとは異なるスタイルの「繋いでいく野球」を徹底して、東海大会決勝では序盤に6点失いながらも中盤終盤に追いつきサヨナラ勝ちという勝負強さも示した。

 エース畔柳 亨丞君は最速151キロを表示する快速派。東海大会準決勝の三重との試合では1安打完封とベストピッチを披露した。さらには左腕の柴田 青君の成長も大きく、東海大会準々決勝では海星に完封勝ち。大いに自信を得ている。

 打線も杉浦 文哉君、桑垣 秀野君、辻 一汰君、原 尚輝君らは勝負強い。加藤 優翔君と西川 鷹晴君の正捕手争いも見ものだ。お互い競い合いながら、春へ向けてさらに質を上げていっている。

 この中京大中京に県大会準決勝で対戦して前半リードするなどして抵抗を示したのが至学館だった。例によって、左右さまざまなタイプの投手が複数いて相手の目先を交わしていく。

 3番秋山 翔太郎君、4番山岡 聖弥君らはパンチ力もあるが、出場する選手がそれぞれ自分の役割を認識していく野球は徹底している。麻王 義之監督の言う「相手を見ての対応型野球」はすっかり浸透している。東海大会準々決勝の三重との試合では登録18人全員を起用している。

 文字通りの全員野球で「何か仕掛けてくるのではないか」と相手を迷わせていく戦いぶりは21年もさらに磨きがかかっていくことであろう。

 県大会準優勝の東邦も東海大会でも加藤学園に勝利したが、今春就任した山田 祐輔監督にとっても初の東海大会で自信を得た。選手個々のポテンシャルは高く、1番投手としての起用もある三浦 心空君、一発もある鈴木 唯斗君の打線を軸とした打線の破壊力もある。

 県大会準決勝では春日丘に最大6点リードされながらもひっくり返した。エースの知崎 滉平君も安定しており、県大会~東海大会を通じて大きく成長していった。また、11月に行われた1年生大会を制したことで、チームの底上げもされていると言っていいであろう。

 この秋、ベスト4の春日丘もこのところ安定した実績を上げてきている。準決勝の東邦戦では一挙5点を奪ったように打線の爆発力はある。榊原 秀君、水野 航太朗君、篠原 旭君の投手陣が成長していけば、来春以降はさらに楽しみだ。1年生大会で中京大中京を下したことも自信となっていくであろう。