第1027回 中京大中京に追随するチームは?愛知県高校野球の2021年を占う2021年01月04日

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 秋季愛知県大会では、2年連続で中京大中京が優勝を果たした。また、東海地区大会も2年連続で制して来春のセンバツ出場をほぼ確実にしている。

 そんな中京大中京が中心になっていくであろうと思われる、2021年の愛知県高校野球を占ってみた。

切磋琢磨しながら、質を高めあう愛知の高校野球




中京大中京

 昨秋は大会前からの評判も高く圧倒的な強さを示した中京大中京。しかし、今秋のチームは、名古屋地区二次トーナメントの1回戦で星城に敗れたように、必ずしも抜けた力を持っていたというワケではなかった。

 高橋 源一郎監督も、「前の代が(公式戦無敗など)いいものを残してくれました。それを引き継いだ選手たちが、自分たちに出来ることは何かということを見出しながら戦って行って、力をつけていったと思う」と、見ている。

 旧チームとは異なるスタイルの「繋いでいく野球」を徹底して、東海大会決勝では序盤に6点失いながらも中盤終盤に追いつきサヨナラ勝ちという勝負強さも示した。

 エース畔柳 亨丞君は最速151キロを表示する快速派。東海大会準決勝の三重との試合では1安打完封とベストピッチを披露した。さらには左腕の柴田 青君の成長も大きく、東海大会準々決勝では海星に完封勝ち。大いに自信を得ている。

 打線も杉浦 文哉君、桑垣 秀野君、辻 一汰君、原 尚輝君らは勝負強い。加藤 優翔君と西川 鷹晴君の正捕手争いも見ものだ。お互い競い合いながら、春へ向けてさらに質を上げていっている。

 この中京大中京に県大会準決勝で対戦して前半リードするなどして抵抗を示したのが至学館だった。例によって、左右さまざまなタイプの投手が複数いて相手の目先を交わしていく。

 3番秋山 翔太郎君、4番山岡 聖弥君らはパンチ力もあるが、出場する選手がそれぞれ自分の役割を認識していく野球は徹底している。麻王 義之監督の言う「相手を見ての対応型野球」はすっかり浸透している。東海大会準々決勝の三重との試合では登録18人全員を起用している。

 文字通りの全員野球で「何か仕掛けてくるのではないか」と相手を迷わせていく戦いぶりは21年もさらに磨きがかかっていくことであろう。

 県大会準優勝の東邦も東海大会でも加藤学園に勝利したが、今春就任した山田 祐輔監督にとっても初の東海大会で自信を得た。選手個々のポテンシャルは高く、1番投手としての起用もある三浦 心空君、一発もある鈴木 唯斗君の打線を軸とした打線の破壊力もある。

 県大会準決勝では春日丘に最大6点リードされながらもひっくり返した。エースの知崎 滉平君も安定しており、県大会~東海大会を通じて大きく成長していった。また、11月に行われた1年生大会を制したことで、チームの底上げもされていると言っていいであろう。

 この秋、ベスト4の春日丘もこのところ安定した実績を上げてきている。準決勝の東邦戦では一挙5点を奪ったように打線の爆発力はある。榊原 秀君、水野 航太朗君、篠原 旭君の投手陣が成長していけば、来春以降はさらに楽しみだ。1年生大会で中京大中京を下したことも自信となっていくであろう。

【次のページ】 「ストップ・ザ・中京大中京」を目指し凌ぎを削るチームたち

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プロフィール

手束仁
手束 仁
  • 生年月日:1956年
  • 出身地:愛知県
  • ■ 経歴
     愛知県知多市出身。半田高→國學院大81年卒。大映映像事業部など映像会社で、映画・ビデオなどの販売促進、営業等を経て、編集プロダクションに10年勤務後独立。
     99年に『熱中!甲子園』(双葉社)を仕掛け、を刊行。同年に『都立城東高校甲子園出場物語~夢の実現』(三修社・刊)で本格的にスポーツ作家としてデビュー。99年12月に、『アンチ巨人!快楽読本』(双葉社)を企画編集・執筆。その後、『ふたりの勇気~東京六大学野球女子投手誕生物語』、『高校野球47の楽しみ方~野球地図と県民性』(三修社)などを相次いで刊行。さらに話題作となった『甲子園出場を目指すならコノ高校)』(駿台曜曜社)、『野球県民性』(祥伝社新書)、『プロ野球にとって正義とは何か』、『プロ野球「黄金世代」読本』、『プロ野球「悪党」読本』(いずれもイースト・プレス)などを刊行。
     さらには『高校野球のマネー事情』、『スポーツ(芸能文化)名言』シリーズ(日刊スポーツ出版社)、『球国愛知のプライド~高校野球ストーリー』などがある。
     2015年には高校野球史を追いかけながら、大会歌の誕生の背景を負った『ああ栄冠は君に輝く~大会歌誕生秘話・加賀大介物語』(双葉社)を刊行し18年には映画化された。

     スポーツをフィルターとして、指導者の思いや学校のあり方など奥底にあるものを追求するという姿勢を原点としている。そんな思いに基づいて、「高校生スポーツ新聞」特派記者としても契約。講演なども國學院大學で「現代スポーツ論」、立正大で「スポーツ法」、専修大学で「スポーツジャーナリズム論」などの特別講師。モノカキとしてのスポーツ論などを展開。
     その他には、社会現象にも敏感に、『人生の達人になる!徒然草』(メディア・ポート)、『かつて、日本に旧制高等学校があった』(蜜書房)なども刊行。文学と社会風俗、学校と教育現場などへの問題提起や、時代と文化現象などを独自の視点で見つめていく。 そうした中で、2012年に電子メディア展開も含めた、メディアミックスの会社として株式会社ジャスト・プランニングを設立。新たなメディアコンテンツを生み出していくものとして新たな境地を目指している。
  • ■ 著書
    都立城東高校甲子園出場物語~夢の実現』(三修社) 
    甲子園への助走~少年野球の世界は、今』(オーシャンライフ社)
    高校野球47の楽しみ方~野球地図と県民性』(三修社)

    話題作となった
    甲子園出場を目指すならコノ高校(増補改訂)』(駿台曜曜社)
    スポーツ進学するならコノ高校
    東京六大学野球女子投手誕生物語~ふたりの勇気』(三修社)
    三度のメシより高校野球』(駿台曜曜社)
    スポーツライターを目指す人たちへ~江夏の21球の盲点』(メディア・ポート)
    高校野球に学ぶ「流れ力」』(サンマーク出版)
    野球県民性』(祥伝社新書)
    野球スコアつけ方と分析』(西東社)
    流れの正体~もっと野球が好きになる』(日刊スポーツ出版社)NEW!
  • ■ 野球に限らずスポーツのあり方に対する思いは熱い。年間の野球試合観戦数は300試合に及ぶ。高校ラグビーやバレーボール、サッカーなども試合会場には積極的に顔を出すなど、スポーツに関しては、徹底した現場主義をモットーとしている。
  • ■ 手束仁 Official HP:熱中!甲子園
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