エースの健闘が光った秋、2番手投手に課題




東海大菅生・本田峻也

 夏休みが短かったうえに、合宿や遠征も制限されたため、秋季大会でも準備不足は否めなかった。背番号とポジションが一致しない選手が例年以上に多かったのもその表れだ。

 また秋季都大会では、初めてシード校制が導入された。夏の東西東京大会のベスト8、16校がシードされることになっていたが、東大会8強の都立城東が1次予選で都立日野に敗れたため、15校がシードされた。

 2回戦で帝京都立小山台にコールド負けするなど波乱含みであったが、8強は八王子を除きシード校が進出し、4強は全てシード校になった。強豪を分散させるという点で、シード校制度は効果があった。その一方で、シード校を破り上位に進出する学校がなかったのは、寂しかった。

 八王子の長身左腕・羽田 慎之介はヒジの故障のため準々決勝で登板できなかったものの、8強に残ったチームには、左腕では東海大菅生本田 峻也日大二大野 駿介日大三宇山 翼二松学舎大附秋山 正雲日大豊山の玉井 皓一郎、右腕では関東一市川 祐早稲田実業田和 廉など印象に残る好投手がいた。その他にも日野木下 孔晴都立小山台木暮 瞬哉など好投手が目立った大会だった。

 ただその一方で、2番手以降の投手が育っていないチームが多く、投手交代の失敗や、エースを引っ張り過ぎて後半もつれる試合が多かった。秋季都大会の63試合のうち、コールドゲームになった25試合を除く38試合で、1回から3回まで得点は79点、4回から6回までは91点であったのに対し、7回から9回までの終盤に151点入っている。

 特に1回戦の國學院久我山城北戦では、國學院久我山が7回表に8点を入れ、点差を12点としたが、エースを降板させた7回裏に城北が10点を入れ、8回裏にも4点入れて逆転した。目白研心は日大二相手に善戦したが、エース・安保 優太郎が終盤崩れると、8回表に9点を失って敗れた。コールドゲームなので集計には入れていないが、東海大高輪台日大鶴ヶ丘の試合では、東海大高輪台がエースを降板させた8回表に日大鶴ヶ丘が11点入れて、逆転しただけでなく、コールドゲームにした。

 一方、優勝した東海大菅生は、エースの本田だけでなく、控えの鈴木 泰成も好投。準決勝と決勝では、若林弘泰監督が気迫を評価する中堅手の千田 光一郎が抑え投手と活躍するなど、選手層の厚さをみせた。走れる選手も多く、夏に続いての東京制覇で盤石の強さをみせた。夏の甲子園はなかったが、来春のセンバツでの活躍を期待したい。

(記事:大島 裕史)