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加藤学園に追いつけ、追い越せ!好投手・高田琢登擁する静岡商ら、躍進の期待がかかる注目校【春季静岡県大会 展望】

2020.02.29

 昨秋の県大会で準優勝して東海大会へ進出した加藤学園が、東海大会でもベスト4に進出。中京大中京の明治神宮大会優勝の恩恵もあって、今センバツでは春夏通じて初の甲子園出場を果たした。そんな加藤学園を追いかける各校。春季県大会を目指す、ブロック予選の組み合わせが決まった。まずは、昨秋の大会実績をもとに今春を展望してみた。

東部、中部の注目校を紹介!

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知徳・葉桐響

 東部地区大会では、昨秋は知徳が1位となり、進学校の沼津東が続いた。「個性に富んだ選手たちが多いのだけれども、それぞれに落ち着きがあってそれがチームの特色みたいになっている。主将の井深を中心によくまとまった」と、知徳の初鹿文彦監督は述べていたが、打てなくても何とかしていく巧者ぶりも見せていた。

 しかし、県大会では初戦で浜松商に敗れて上位進出を果たせなかった。そこから、もう一度チームを作り直しての今春のチャレンジとなる。昨秋のような戦いが出来れば東部地区4強までは順調にいきそう。

 1年生と2年生で17人という少人数で戦ってきた沼津東は、それでもエースの森田君が安定していたことで、県大会もベスト8まで進出した。県東部屈指の進学校としての自負もあり、限られた環境での工夫をした取り組みも期待される。

 初戦は富士宮西、勝てば報徳学園から異動してきた永田裕治監督が率いる日大三島と当る可能性もある。このゾーンでは桐陽富士市立の勝者も準々決勝で待っていそうだ。

 シード校としては他に御殿場西が初戦で市立沼津と当る。御殿場西磯部太一捕手が注目されている。沼津商飛龍も同じゾーンに入った。御殿場西飛龍は、昨秋は県大会でも初戦を突破している。

 中部地区では、静岡静岡商という伝統の両校がシード校として久しぶりに32校の山形の両スミに位置することとなった。

 静岡は4強までは登っていきそうだが、例年のような図抜けた選手が不在なので、隙もありそう。清水東清水西あたりが、そこに付け入って立ちはだかれるか。

 対するゾーンでは静岡学園東海大静岡翔洋の勝者が昨秋の県大会覇者で東海地区大会でもベスト4まで進出した藤枝明誠に挑む形になりそう。

 藤枝明誠はセンバツを逃した悔しさをバネに、さらに意識が充実してきていることが期待されるだけに楽しみだ。昨秋は1対11で敗れた島田が初戦で当たるが、どう挑んでいくか。初戦で当たる静岡市立焼津水産も面白い試合になりそうだ。

[page_break:注目サウスポー・高田琢登、そして西部地区はどうなる?]

注目サウスポー・高田琢登、そして西部地区はどうなる?

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高田 琢登(静岡商)

 静岡商高田琢登投手が注目されているが、昨秋は東海大会で突如崩れる悪癖が露呈して敗れた。メンタル面をどこまで強化してきたのかも試される。

 2回戦で当たりそうなのが常葉橘で、これが最初のヤマとなるか。勝ち上がれば、昨夏の準優勝校の駿河総合清水桜が丘あたりとベスト4を目指す戦いとなりそうだ。

 対抗するゾーンでは静清島田商がシード校となっているが、この両校に静岡大成焼津中央あたりが絡んでくることになるのかというところ。

 昨秋の西部地区を制したのは浜松西だった。県大会でも2回戦で駿河総合を下してベスト8に進出して21世紀枠の県推薦校となった。この春は準々決勝で聖隷クリストファーと当りそうな組み合わせとなった。

 聖隷クリストファーは昨秋は敗者復活の第5代表から県大会ベスト4まで登っていった。勢いづけば、やはりそれだけの力はあるということであろう。磐田東浜松修学舎のゾーンでは浜松学院浜名の勝者がカギとなりそうだ。

 昨春の県大会で復活優勝を果たした浜松商は今春もシード校で臨む。昨秋も県ベスト8まで進出しており、準々決勝で当たりそうな浜松開誠館との戦いも面白そうだ。

 西部地区で本命視されるのが常葉大菊川だ。昨秋は県大会2回戦で加藤学園に4対5と競り負け。そこからの立て直しだが、左腕渡邊優心君も評価は高い。シードの浜松湖北や伝統の掛川西浜松工といったところも同じゾーンに入っている。

 いずれにしても、加藤学園がセンバツ初出場果たしたことは各校にとって刺激になっていることであろう。これまで、東海大会出場などの実績のない学校も「自分たちも頑張れば行ける」という意識になっているはずだ。大いに期待したい。

(文=手束仁

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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