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投手王国・西条に通算29本塁打・山田響を擁する済美。140キロ超がいる、聖カタリナ学園に宇和島東も目が離せない!【春季愛媛県大会展望】

2020.02.23

 2020年2月22日(土)、愛媛県高等学校野球連盟は東予・中予・南予の3地区に分かれ「地区別部長理事会」を開催。部長理事会に続き「令和2年度春季四国地区高等学校野球愛媛県大会」各地区予選の抽選会を行い、すでに山がたが決まっていた県大会と合わせ全ての組み合わせが決まった。

 各地区予選抽選会ではまず昨秋の県大会出場16校(東予6校:小松新居浜商今治北・字川之江・新居浜南新居浜東、中予6校:松山北松山中央済美新田・聖カタリナ学園・松山工、南予4校:宇和島東宇和島南帝京第五吉田)がシード枠の抽選を行い、続いて残る37ーム42校(東予15チーム16校<連合チームは今治西伯方東予>、中予13チーム15校<連合チームは小田上浮穴済美平成>、南予9チーム11校<連合チームは南宇和三間八幡浜工三瓶の2チーム>)がフリー抽選を行い、すべての組み合わせが決まっている。

 では、地区別に簡単な展望を加えていこう。

<東予地区>3月21日(土)~24日(火)

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最速140キロの髙橋 晟士朗(西条)

 東予Cブロックでは俊足二塁手の福島 未来翔(1年・右投左打・174センチ60キロ・えひめ西リトルシニア出身)ら打撃陣にタレントがそろう小松が、名門・今治西らを待ち受ける。また、昨秋東予地区予選では西条を2対1・今治西も9対2(8回コールド)で連覇した新居浜商は東予Bブロックに入った。

 秋山 拓巳(阪神タイガース)を西条時代に指導した田邉 行雄監督の下、近年は安定した力を発揮する新居浜南は、実力者の新居浜西と初戦で激突。

 さらにこの東予Dブロックには最速140キロの髙橋 晟士朗(2年・186センチ73キロ・右投右打・西条ボーイズ出身)や、大型右サイドの愛甲 純平(2年・184センチ77キロ・右投右打・西条市立西中出身)など投手陣にタレントがそろう西条も同居する激戦区となった。

 その他も四国中央市のライバルである川之江三島が東予Eで同ブロックとなるなど、全6ブロックでシード校が勝ち上がる展開には、まずなりそうもない。

<中予地区>3月24日(火)~26日(木)

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高校通算29本塁打のスラッガー山田響(済美)

 最注目は中予Eブロック。高校通算29本塁打のスラッガー・山田 響(2年主将・左翼手兼二塁手・右投右打・170センチ78キロ・新居浜ヤングスワローズ出身)が注目を集める済美は、県内屈指の好左腕・松﨑 来雅(2年・168センチ62キロ・左投左打・ヤング倉敷ピーチジャックス<岡山>出身)がいる松山商伊予農の勝者と対戦。山田の前後を打つ打者と投手陣の奮起が秋春連続県大会制覇へのカギを握る。

 また、つながりのある打線と渡部 凱斗(2年・投手・右投左打・180センチ72キロ・松山市立余土中出身)の奮闘で昨秋は四国大会ベスト8・センバツ補欠校の新田も将来性豊かな右スラッガー・西本 祐真(1年・左翼手・右投右打・180センチ85キロ・えひめ港南リトルシニア出身)がいる北条と、修徳(東東京)で指揮を執った阿保 暢彦監督の下、春に向けて豊富な練習を積んできた松山城南との勝者と対戦を強いられる厳しい中予Aブロックに入った。

 その他「投手陣は継投で行く予定だが、打線はこの冬を超えて楽しみになってきている。春を夏に向けた試金石にしたい」と光田 一樹部長も話す聖カタリナ学園は東温内子と0同じ中予Bブロックに。

 昨年センバツで先発登板した最速143キロ右腕・平安山 陽(2年・右投右打・177センチ80キロ・名護市立大宮中<沖縄>出身)の復調が待たれる松山青陵は、松山工らがいる中予Dブロックから逆襲のろしを上げる。

[page_break:<南予地区>3月21日(土)・22日(日)]

<南予地区>3月21日(土)・22日(日)

投手王国・西条に通算29本塁打・山田響を擁する済美。140キロ超がいる、聖カタリナ学園に宇和島東も目が離せない!【春季愛媛県大会展望】 | 高校野球ドットコム
最速140キロを誇る本格派右腕・和田 真虎(宇和島東)

 中心は宇和島東帝京第五か。宇和島東は最速141キロ右腕・和田 真虎(2年・右投右打・180センチ81キロ・宇和島市立城東中出身)、最速140キロ右腕・舩田 清志(2年・右投右打・170センチ61キロ・宇和島市立三間中出身)ら昨夏甲子園マウンドを経験した投手陣が軸となり、帝京第五はエース・片山 維(2年・右投右打・176センチ76キロ・五條ボーイズ<奈良>出身)最速140キロ右腕・伊吹 聖矢(2年・右投右打・173センチ72キロ・大田中央ボーイズ<東京>出身)に加え、新戦力の台頭も著しい。

 また、南予Dブロックは混戦。中でも昨夏は済美戦でバットコントロールの良さが光り、新チームからはエースナンバーを背負う河野 祐基(2年・右投左打・180センチ70キロ・西予市立宇和中ソフトテニス部出身)の動向には注目である。

 なお、県大会は16チームにより[stadium]坊っちゃんスタジアム[/stadium]・[stadium]西条市ひうち球場[/stadium]・[stadium]宇和島市営丸山公園野球場[/stadium]の3会場で3月30日(月)開幕。準々決勝は3月31日(火)に[stadium]坊っちゃんスタジアム[/stadium]・[stadium]西条市ひうち球場[/stadium]で2試合ずつ。

 準決勝は[stadium]坊っちゃんスタジアム[/stadium]で4月2日(木)、決勝戦で[stadium]西条市ひうち球場[/stadium]で10時からの予定。初戦から東予D代表と中予D代表の激戦ブロック代表同士が激突するなど、波乱の要素も含んだ大会となりそうだ。

 さらに今大会から申告敬遠と共に適用される「1週間500球以内」の球数制限制度も各チームの戦略に大きく影響しそう。特に中予地区については予選1回戦から準々決勝までの最大4試合が1週間以内に開催されるため、必然的に「第2投手」を用意しないと戦えない状況に。

 この現状について愛媛県高野連・松浦 彰浩理事長は中予地区予選の抽選会後「今年の春季大会日程は昨年の早い段階で決まっており、特に3月20日(金・祝)から22日(日)は[stadium]坊っちゃんスタジアム[/stadium]・[stadium]マドンナスタジアム[/stadium]共に中学生の大会<第37回全日本少年軟式野球愛媛県大会>などで使えない状況がある。

 その点は参加校には迷惑をかけてしまう形になり申し訳ないと思っているし、来年以降は各所と協議をして改善していきたい」とコメントしている。

 そして最後に、今大会の優勝校と準優勝校は4月25日(土)・26日(日)、5月2日(土)の日程で香川県高松市の[stadium]レクザムスタジアム[/stadium]と香川県丸亀市の[stadium]レクザムボールパーク丸亀[/stadium]で開催される「第73回春季四国地区高等学校野球大会」へ出場。

 さらに昨秋の県大会・四国大会と、春の県大会と四国大会を合わせた勝利ポイント上位4チームは7月上旬開幕予定の「第102回全国高等学校野球選手権愛媛大会」のシード権を得る。

 ちなみに現在のポイント順位は昨秋県大会優勝した6ポイントの済美を筆頭に、新田が昨秋県大会3位決定戦での0.5ポイントを含む5.5ポイント。小松が5ポイント。

 以下、帝京第五が4ポイント。3ポイントが昨秋県大会8強の松山中央松山北宇和島東新居浜商の順。様々な条件が重なり合う中、夏の甲子園に向け各校がいかなる収穫を得られるのか。注目の春が始まろうとしている。

(文=寺下友徳

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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