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花咲徳栄、浦和学院はもちろん2020年の埼玉のトップを走る6チームは??

2020.01.14

 2020年の埼玉は投打ともにタレント揃いで、大きく盛り上がる1年となりそうだ。まず前編は2020年の埼玉のトップを走る6チームを紹介したい。

花咲徳栄、西武台のキーマンは?

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世代を牽引するスラッガー・井上朋也(花咲徳栄)

 優勝した花咲徳栄は、昨年のようなスラッガー揃いの打線ではないが、やはり守備力、打撃力ともに高く、接戦に強い。
 高校通算47本塁打のスラッガー・井上朋也が注目されるが、バットコントロールの良い中井 大我南大輔浜岡 陸などコンタクト力は高く、さらに走塁意識も高い。

 また130キロ中盤の速球と変化球を駆使する技巧派・高森陽生、右の本格派・鈴木朋也など投手力も悪くないが、投打ともにスケールのある選手が台頭すると、一気に戦力に厚みが出てくる。ただ打で圧倒するだけではなく、県大会準決勝・浦和学院相手にもロースコアを制するなど、接戦に強い。2015年から続く埼玉6連覇の可能性も高いチームだろう。

 準優勝の西武台川越東昌平など強豪校を破り、関東大会でも優勝した健大高崎に競り合いを演じた好チーム。見ていると駆け引きが優れた選手が多い。

 まずエース左腕・増田 優真は球速が120キロ台だが、スローカーブとつかったり、相手の裏をかく投球がうまい。その投球を実現しているのは正捕手・伊澤走のリード。スローイングも堅実で、プレーを見ていると視野の広さを感じ、全体への指示もそつがない。

 また好打者・松木 光、1年生ながらスケール感がある大型外野手・深田翔太、2番打者ながら積極的な打撃がチャンスを作る主将・小松大空、抜群のフィールディング能力を持つショートストップ・横江諒と1人1人がそれぞれの強みを持っていて、見ていて楽しくなるチームだ。

[page_break:追随する3校の命運を握る選手たち]

追随する3校の命運を握る選手たち

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1年生で甲子園に登板した速球派投手・美又王寿(浦和学院)

 惜しくも準決勝で敗れた浦和学院は全国レベルの好チーム。右スリークォーターの美又王寿はどの試合でも140キロ中盤の速球、縦横のスライダーを投げ分ける速球派、安定感抜群の三奈木亜星、最速136キロ左腕・廣咲悠雅の3枚看板は強力だ。打線もタレント揃い。

 打撃技術が高い金丸斗南、2番の里飛鳥はOBの笹川晃平を思い出させるような構えとポテンシャルの高さを持った大型外野手。本塁打も打てる巧打・1番・吉田匠吾と全国で戦える布陣だ。また2020年度の入学生も全国各地のスーパー中学生が入学予定だと聞く。この1年はどんなチームになるか楽しみだ。

 ベスト8で敗れた埼玉栄はプロ注目の大型右腕・内田了介に注目。どの試合でも平均球速140キロ以上を計測する馬力は関東トップクラス。緩急を織り交ぜた投球は打ちにくさがある。また4番を打つ内田は思い切りの良いスイングで長打を量産。この1年、投打のどちらでスカウトから評価されるのか、楽しみだ。

 内田と二枚看板を組む田村大介は130キロ中盤の速球と多彩な変化球を投げ込む技巧派左腕。2人の力量は県内トップクラスのものがある。ほかには大型外野手・江城優明などがいるが、野手全体は力量不足。冬にかけて実力をつけていくことを期待したい。

 この5チームにひけをとらない戦力を持ったのが昌平。高校通算40本塁打近くを打っている渡邉翔大、2年後には高卒プロを狙える素質を持った大型外野手・吉野創士、主将で俊足のセンター・千田泰智、強打の三塁手・吉野哲平、遊撃手・角田蓮の力量は花咲徳栄浦和学院の野手陣に負けていない。

 また試合を見ても、きめ細かく、意識の高さを感じる好チーム。投手陣では135キロ前後の速球を投げ込む宮坂陸希など投手力全体の底上げが課題だ。

 今回はここまで!次回はその他の注目校を紹介していきます。次回もお楽しみに!⇒(後編を読む)

(文=河嶋 宗一

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高校1年秋の時点で通算21本塁打。大型外野手・吉野創士(昌平)の完成形は鈴木誠也だ

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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