Column

日大藤沢、慶応義塾など春、夏に躍進が期待できるチームたち【後編】

2020.01.13

 レベルの高さは全国でもトップクラスの神奈川県。2020年も全国上位が期待できるチームが多く、楽しみな1年となりそうだ。前編では秋季大会ベスト8に入ったチームについて紹介したが、後編では秋季大会ベスト8以下で、躍進が期待できるチームを紹介したい。

前編はこちら!
スラッガー揃いの東海大相模、総合力の桐光学園、ポテンシャルの横浜など神奈川ベスト8の戦力を紹介!

野手のタレント揃いの慶応義塾、注目スラッガー・笹川擁する横浜商の課題は投手陣

日大藤沢、慶応義塾など春、夏に躍進が期待できるチームたち【後編】 | 高校野球ドットコム
前田晃宏(慶応義塾)

 

 秋ベスト16は、まず注目したいのは慶応義塾だ。投手では前田晃宏が好投。2000安打を達成した大打者・前田智徳さんの息子である前田は130キロ前半の速球とチェンジアップを巧みに操る右腕だ。

ただ、前田以外、強豪校相手に渡り合える投手がいないのが現状だ。

 野手のレベルは非常に高く、スラッガーの本間颯太朗は、生駒ボーイズ出身で、1年生の時から活躍を見せてきた。下半身主導のスイングから繰り出す打球は強烈だ。また走攻守三拍子揃ったセンター・佐藤駿、県大会で迫力あるスイングを見せた二宮慎太朗とタレント揃い。春にかけて投手の台頭を期待したい。

 同じく秋ベスト16に終わった横浜商は3番・笹川吉康は地区予選に二打席連続本塁打を放つなど左の大型スラッガー。身体能力も高く、ドラフト候補として注目するには十分。春では笹川の進化を見るために視察に訪れるスカウトの姿が見られそうだ。

 秋季大会4回戦で横浜と競り合いを演じた神奈川工は好投を見せた山城陽は120キロ台ながら、110キロ前後のカットボールは手元で曲がり、真っすぐな軌道がほとんどなく打ちにくさがある。また打撃センスも高く、今後も注目される選手だろう。

 秋季大会ベスト16の桐蔭学園は昨夏、1年生ながら公式戦初打席で初本塁打を記録した大型内野手・木本圭一の成長に期待したい。藤沢翔陵は集中打が怖い好チーム。その中でも、遊撃手・外崎 貴大はすごみはないが、プレーに荒らさがないので見ていて安心感を感じさせるプレーヤー。打撃が伸びればもっと注目される選手となりそうだ。

 秋季大会3回戦敗退の鎌倉学園は年々、力をつけているチーム。今年は前チームから好遊撃手・有馬孝太は出塁率が高く、さらにヒット性をアウトにする守備も魅力だ。

[page_break:日大藤沢、横浜隼人など春、夏は上位を狙えるチームたち]

日大藤沢、横浜隼人など春、夏は上位を狙えるチームたち

日大藤沢、慶応義塾など春、夏に躍進が期待できるチームたち【後編】 | 高校野球ドットコム
三浦 舞秋(星槎国際湘南)

 秋3回戦敗退の星槎国際湘南は、昨春の県大会で横浜相手に好投を見せた技巧派左腕・三浦 舞秋がどれだけレベルアップできるか。もともと能力が高い選手がそろうチーム。一冬超えて秋のベスト16以上のチームと競り合うようなチームに進化していてもおかしくない。

 秋では3回戦で敗れたが、日大藤沢は昨夏3本塁打を放った強打の捕手・牧原 巧汰、大型左腕・姫木 陸斗など選手の能力は高い。特に牧原のパフォーマンスはドラフト候補として推せるものがあり、昨年からの進化に注目が集まる。

 秋では2回戦敗退となった横浜隼人も140キロを超える加藤大、本格派・梅田健太郎など投手力の高さは健在。ただ、打撃が鳴りを潜めており、強打を持ち合わせたチームに変貌できるか注目だ。

 秋2回戦敗退の光明相模原は前チームから出場している上原 享平忍足貫太など打力が高い選手が残っており、投手力が伸びていけば、シードを狙える強豪校と競り合いを演じられるチームとなるだろう。

 また秋季大会ベスト32まで勝ち上がった弥栄市ヶ尾、神奈川桜丘といった公立校の成長も県内のレベルを引き上げる大事な要素となるだけに公立校の戦いぶりに注目したい。

(文=河嶋 宗一

関連記事
【動画】高校通算53本塁打のスラッガー・西川僚祐(東海大相模)が語った今年の決意「勝負強くなった姿を見せたい」
恐怖の2番打者・加藤響(東海大相模)「狙うは全国制覇」
スラッガー揃いの東海大相模、総合力の桐光学園、ポテンシャルの横浜など神奈川ベスト8の戦力を紹介!

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.03.25

異例の「社会人野球→大学野球」を選んだ富士大の強打者・高山遼太郎 教員志望も「野球をやっているうちはプロを狙う!」父は広島スカウト

2024.03.25

大阪桐蔭151キロ右腕に創志学園二枚看板の一角、高1時に145キロの怪腕……センバツ初戦未登板の逸材投手4人!

2024.03.25

【福岡】東福岡がコールド勝ち、九産大九産がサヨナラ勝ち<春季大会の結果>

2024.03.25

常総学院・小林が5安打9K完封劇、1点に泣いた日本航空石川は全力プレーで勇気

2024.03.25

立浪竜のキーマンが「オープン戦打撃三部門」すべてでベスト5入り! 3年連続最下位脱出へ向け視界良好!?

2024.03.23

【春季東京大会】予選突破48校が出そろう! 都大会初戦で國學院久我山と共栄学園など好カード

2024.03.24

【神奈川】桐光学園、慶應義塾、横浜、東海大相模らが初戦白星<春季県大会地区予選の結果>

2024.03.23

【東京】日本学園、堀越などが都大会に進出<春季都大会1次予選>

2024.03.22

報徳学園が延長10回タイブレークで逆転サヨナラ勝ち、愛工大名電・伊東の粘投も報われず

2024.03.22

大阪桐蔭が快勝、西谷監督が甲子園68勝で歴代最多タイ、北海は13年ぶり春勝利ならず

2024.02.25

取材歴13年「私の出会った個性派キャプテン」たち…叱咤激励型、調整型、高校・大学・社会人ですべて日本一の「殿堂入りキャプテン」も!【主筆・河嶋宗一コラム『グラカン』vol.8】

2024.03.08

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.02.26

ポニーリーグの球春告げる関東大会が開幕! HARTY氏の大熱唱で協会創立50周年が華々しくスタート! 「まさにプロ野球さながら」

2024.03.17

【東京】帝京はコールド発進 東亜学園も44得点の快勝<春季都大会1次予選>

2024.03.11

立教大が卒業生の進路を発表!智弁和歌山出身のエースは三菱重工Eastへ、明石商出身のスラッガーは証券マンに!