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スラッガー揃いの東海大相模、総合力の桐光学園、ポテンシャルの横浜など神奈川ベスト8の戦力を紹介!

2020.01.12

 レベルの高さは全国でもトップクラスの神奈川県。2020年も全国上位が期待できるチームが多く、楽しみな1年となりそうだ。まずは秋季大会ベスト8までの学校について紹介していきたい。

県王者・東海大相模の戦力を紹介

スラッガー揃いの東海大相模、総合力の桐光学園、ポテンシャルの横浜など神奈川ベスト8の戦力を紹介! | 高校野球ドットコム
高校通算53本塁打の西川僚祐(東海大相模)

 

 2020年の神奈川でまず注目なのは東海大相模だろう。高校通算53本塁打の西川僚祐、主将でスラッガーの山村崇嘉、U-18代表の鵜沼魁斗、高校通算32本塁打の強打の二塁手・加藤響など野手のタレント力は神奈川どころか全国でもトップクラス。

 ただ一方で、投手力が課題。エース・諸隈 惟大は制球力を乱しており、クロスに強いストレートを投げられず、苦しい投球が続いた。また130キロ後半の速球を投げ込む本格派左腕・石田隼都、巨人・金城龍彦コーチの次男の金城 龍輝などの右投手が出てきているが、とびぬけた能力を持った投手はいない。昨年に引き続き、圧倒的な長打力で投手をカバーするスタンスとなりそうだ。

 諸隈の復活と、昨秋から登板する機会がも多くなった本格派・山村がどこまで目処がつくか。もし山村が超高校級の投手へ変貌することになれば、全国制覇の道も近づくだろう。

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桐光学園の投打の柱・安達壮汰

 秋準優勝の桐光学園はエースで主軸を打つ安達壮汰が軸となる。昨秋の準々決勝で横浜相手に3安打完封勝利。135キロ前後の速球、スライダー、チェンジアップを巧みに投げ分け打ち取る投球が持ち味の実戦派左腕。さらに横浜戦でも適時打を放つなど投打で高い能力を秘めている。

 またほかにはバットコントロールが高く、強打の三塁手・馬込 悠桐光学園)、勝負強い打撃を見せる仲亀 利哉桐光学園)森田 翔(桐光学園)など野手の顔ぶれは非常にレベルが高い。総合力を見れば、甲子園にいってもおかしくないチームだ。

 ただ、課題は安達頼みの投手陣。昨秋は安達に頼りすぎたこともあり、関東大会での投球は蓄積疲労も感じる内容だった。甲子園出場のカギは安達に頼らない投手陣のレベルアップだろう。

 昨秋、55年ぶりのベスト4入りを果たした三浦学苑は、長身から角度のある速球を投げ込むエース・長谷川翔、1年生ながら投打の柱を務める上村海斗を中心の好チーム。

 打線のレベルも高いが、準決勝で桐光学園に敗れ、トップ私学との実力差を痛感。春に向けて実力差を埋める練習ができるか。

 同じくベスト4入りした相洋も好投手・本田眞也、打線は好打者・鈴木心晴を中心にレベルが高く、年々、実力をつけてきた。それだけにこの1年は勝負の1年となりそうだ。

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選手層の厚い横浜

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木下幹也(横浜)

 秋ベスト8のなかで、横浜は全国レベルの活躍が期待できそうだ。昨秋は前監督、前部長が解任。いろいろ苦しい状況は続いたが、横浜の選手層は厚い。投打の総合力、ポテンシャルの高さという点では東海大相模より優れている。

 まず投手は140キロ中盤の速球、落差鋭いフォークを投げ込む木下幹也、長い腕をしならせて、140キロ中盤の速球、スライダー、チェンジアップで圧倒する松本隆之介。この二枚看板の実力は全国トップクラス。

 さらに打線では度会 隆輝冨田 進悟18674の強打者などタレント揃い。昨秋は投打ともに力を発揮していないように感じた。投手力は東海大相模と比べて上回るものがあるだけに、「横浜はやはり強かった」と思わせる1年にしたい。

 ベスト8の湘南工大附は準々決勝で東海大相模に大敗したが、それまでの勝ち上がりを見ると、得点も多く、打線が活発。東海大相模戦で先発した棟方響がこの経験を糧にどこまで実戦力を身に着けられるかが課題ではないだろうか。

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濱田蓮(立花学園)

 立花学園はこれまでも県内上位に君臨していたが、かつて日体荏原(現・日体大荏原)で助監督を務めた志賀正啓監督が2017年春に就任してからチームが大きく変わった。SNSを活用しながら、チームを運営。

 さらにトラッキングシステムを使いながら、選手の能力を数値化させ、実力を鍛え上げる取り組みは実に先進的で、大きく注目を浴びている。そんな立花学園の注目選手は大型遊撃手の濱田蓮は守備がうまく、パンチ力ある打撃が魅力的。左サイドの技巧派・武井朋之は110キロ台ながら巧みな投球術で打たせて取る投球が光る。この1年で、大きく前進できるか注目だ。

 横浜商大高も野手のタレント度は非常に高いものがあり、1番・平綿来輝は独特のバット裁きで長打を連発。タイプ的には体を小さくした西川愛也花咲徳栄ー埼玉西武)のような選手だ。スラッガー・伊藤由浩、遊撃手・武藤航など楽しみな野手が多い。投手力が強化されれば、春も夏も上位進出が期待できるだろう。

 今回はここまで。次回は8強以外の注目チームを紹介していきます。お楽しみ!⇒(後編を読む)

(文=河嶋 宗一

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恐怖の2番打者・加藤響(東海大相模)「狙うは全国制覇」
桐光学園vs横浜
2019年秋の大会 神奈川県秋季大会 準々決勝

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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