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令和元年秋の四国王者決定戦 混戦に断を打つのはどの学校か?【秋季四国大会・前編】

2019.10.25

  2019年10月21日(月)、徳島県徳島市の徳島ワシントンホテルにおいて組み合わせが決まった「令和元年度(第72回)秋季四国地区高等学校野球大会」。10月26日(土)からは徳島県鳴門市の[stadium]オロナミンC球場[/stadium]と徳島県阿南市の[stadium]JAアグリあなんスタジアム[/stadium]で熱戦の火ぶたが切られる。

 絶対本命不在、どの試合でも接戦が予想される今大会、果たして混戦に断を打ち、令和初の秋季四国王者に輝くのはどの学校なのか?今回は出場全12チーム主将の一言コメントも紹介しつつ、4ブロックに分けて展望を加えていこう。

■開催期間:2019年10月26日~11月3日(予定)
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<済美(愛媛県1位)、岡豊(高知県2位)、英明(香川県3位)ブロック>

令和元年秋の四国王者決定戦 混戦に断を打つのはどの学校か?【秋季四国大会・前編】 | 高校野球ドットコム
左から川村元春、山田響、田中澪哉、石河大空

打力の済美、英明か?それとも投手力の岡豊か?

 まず1回戦では新人戦優勝の高知商に準決勝・7回コールドで快勝。3年ぶり5度目の出場をつかみ悲願の初甲子園を狙う岡豊と、3位決定戦で四国学院大香川西から29得点を奪い、8年連続8度目の大会出場切符を得た英明が激突。岡豊は右の川村 元春(2年・右投右打・171センチ67キロ・高知中出身)と左の田中 澪哉(2年・左投左打・176センチ86キロ・安田町立安田中出身)の2本柱が軸。高知県大会では田中が29回を投げ防御率1.86と主戦格に収まった。

 ただ、2年ぶり3度目のセンバツを目指す英明は参加12校中最高となるチーム打率.435。右打者では打率.588の主将・前田 大(2年・遊撃手・右投右打・175センチ60キロ・丸亀市立西中出身)、11打点の住友 勝輝(2年・左翼手・右投右打・177センチ80キロ・丸亀市立飯山中出身)。左打者も打率.643の一塁手・濱垣 夢心(2年・一塁手・右投左打・166センチ76キロ・高松リトルシニア出身)をはじめ穴がない。

 岡豊としては高知県大会打率.278に留まった打線が英明の最速138キロ右腕・石河 大空(1年・右投左打・176センチ80キロ・高松市立古高松中出身)をいかに攻略するかと同時に、2本柱がいかに英明打線の勢いを削ぐかがポイントとなりそうだ。

 また、この勝者を迎え撃つ済美(3年ぶり10度目の出場)は上位打線が強力。愛媛県大会(中予地区予選含む)19打数7安打1本塁打9打点。高校通算29本塁打の3番・山田 響(2年主将・右投右打・170センチ75キロ・新居浜ヤングスワローズ出身)を中心に軒並み大会打率4割以上の好打者が並ぶ。継投策で勝ち上がってきた投手陣の整備がなされれば、準優勝した2013年以来7年ぶり3度目のセンバツが一気に近づいてくる。

令和元年秋の四国王者決定戦 混戦に断を打つのはどの学校か?【秋季四国大会・前編】 | 高校野球ドットコム主将コメント
済美山田 響(2年・左翼手)
 どの相手が来てもいいような練習はしてきました。優勝してセンバツに出ることを目標にはしていますが、1試合1試合、自分たちの足元をしっかり見てワンプレーワンプレーをこなし目の前の1試合を勝っていきたい。

岡豊阪口 太誠(2年・遊撃手・右投左打・166センチ64キロ・高知市立介良中出身)
 英明は手堅いチームなので、まずは自分たちがミスをしないように。高知県予選同様に耐えて耐えてチャンスを活かす野球をしたい。県大会からレベルは上がるが1試合1試合全力で戦って決勝まで行きたいと思います。

英明前田 大(2年・遊撃手)
 岡豊は高知県大会2位なので強いし、香川県大会のように点は取れない。サインプレーを絡めながら1点ずつを取っていきたい。初戦の入り方が大事になると思うので、先を考えず一戦一戦を集中して戦いたいです。

[page_break:<尽誠学園(香川県1位)、川島(徳島県2位)、新田(愛媛県3位)ブロック>]

<尽誠学園(香川県1位)、川島(徳島県2位)、新田(愛媛県3位)ブロック>

令和元年秋の四国王者決定戦 混戦に断を打つのはどの学校か?【秋季四国大会・前編】 | 高校野球ドットコム
左から池内柊仁、井脇将誠、三木希海

混戦ブロック、下克上の可能性も十分

 1回戦では2年連続5回目の出場となった川島と4年ぶり9回目の出場となった新田が顔を合わせる。選手11人の川島は8点差からひっくり返した初戦・徳島商戦を含め5試合中3試合での逆転勝ちが光る。チーム打率.297にあってもリードオフマンを務める主将・三木 希海(2年・遊撃手・右投左打・173センチ63キロ・吉野川市立山川中出身)をはじめ、各打者の勝負強さが際立っている。21世紀枠出場で前年明治神宮大会優勝校の大垣日大(岐阜)に大善戦した2010年以来10年ぶり2度目のセンバツを目指す。

 一方、新田は最速138キロ右腕・渡部 凱斗(2年・右投左打・180センチ72キロ・松山ボーイズ出身)がエースに君臨し、中予地区予選含む5試合で失策1と守備も安定。打線もチーム打率.388。中でも1番の池内 柊仁(2年・中堅手・右投左打・172センチ66キロ・愛媛ボーイズ出身)は5試合で18打数11安打6打点4盗塁と突出した成績を残す今大会最強の3位校である。「15年ごと」の法則も味方に付け、3度目のセンバツを堂々と視野に入れる。

 よって10年ぶり18度目の出場となる香川県王者・尽誠学園は初戦から非常に難しい試合を強いられそうだ。2番の井脇 将誠(2年・中堅手・右投左打・171センチ61キロ・善通寺市立西中出身)が香川県大会でチーム長打率ナンバー1(13打数5安打1本塁打)をマークしたことに象徴されるバランスの取れた打線と投手陣で対抗したい。

 特に最速138キロ左腕・村上 侑希斗(2年・左投左打・173センチ62キロ・南部リトルシニア<和歌山>出身)と、4番・遊撃手も兼任する最速139キロ仲村 光陽(2年・右投右打・1771センチ72キロ・名古屋アスリートヤング<愛知>出身)をいかに使い分けるかは、川島新田の動向にかかわらず彼らが・18年ぶり7回目のセンバツを目指す上での大きなキーになる。

令和元年秋の四国王者決定戦 混戦に断を打つのはどの学校か?【秋季四国大会・前編】 | 高校野球ドットコム主将コメント
尽誠学園菊地 柚(2年・二塁手・右投右打・170センチ64キロ・ヤング神戸須磨クラブ<兵庫>出身)
 四国大会では香川県大会より苦しい戦いになるのは想定しています。相手投手を攻略する力を見直し、競り合いを勝ち上がっていきたいです。

川島三木 希海(2年・遊撃手)
 1イニングで複数失点せず、複数得点をして9回を終わって1点勝っていればいいゲームプランは徳島県大会から変わりません。まずは目標である四国大会1勝を新田から上げて、昨年の先輩たちを超えたいです。

新田松永 倖輔(2年・二塁手・右投右打・166センチ74キロ・松山ボーイズ出身)
 四国大会では投手中心に最少失点に抑え、打線は1人1人がつないでいけるようにしていきたいです。目標は四国チャンピオンです。

 前編はここまで。後編では残り2つのブロックの展望と主将たちのコメントを紹介していきます。

■開催期間:2019年10月26日~11月3日(予定)
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記事=寺下 友徳

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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