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【秋季東京都本大会 展望】日大三、東海大菅生などが揃うブロックも!秋の都大会は超激戦が予想!

2019.10.10

 台風19号の影響が懸念されるが、12日からセンバツ出場を目指し、秋季都大会が開幕する。早稲田実の出場辞退、東海大高輪台日大豊山の好カードで、この夏4強の日大豊山が敗れるなど、強豪同士の潰し合いも一部あったものの、実績のある学校が、比較的順当に勝ち進んできた。

 しかし秋季都大会はシード校制度がないため、優勝候補が序盤でぶつかることはよくあるが、今大会ではこれまでにない超激戦区があり、優勝争いは混沌としてきた。

神宮第二球場のラストゲームは事実上の決勝戦か?

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エース・児玉悠紀

 新チームが結成されて間もない時期に行われる秋季大会は、なかなか展望しづらいものの、関東一帝京東海大菅生日大三創価二松学舎大附あたりが今大会の優勝候補であろう。 けれども、トーナメント表を4分割すれば、日大三東海大菅生関東一帝京が同じブロックに入った。しかもこのブロックには、八王子安田学園東海大高輪台日大鶴ヶ丘など、力のある学校も含まれており、4強への道のりは、過酷を極める。

 まず、日大三八王子が初戦でぶつかる。日大三は、打線の迫力には欠けるものの、エース・児玉悠紀は制球が良く、投球が安定している。対する八王子は、夏からメンバーはかなり入れ替わったものの、1次予選の2試合は5回コールドで勝っており、日大三・児玉との対戦が注目される。
日大三が勝った場合、2回戦の相手は安田学園か?そしてこの試合に勝利すると、大きなヤマを迎える。

 昨秋の準優勝の東海大菅生は、左の新倉寛之広瀬楽人本田峻也に右の速球派・藤井翔など投手陣が充実。打撃の中心・杉崎成に好守の玉置真虎をはじめとして、戦力が整っており、優勝候補の筆頭格だ。2回戦での対戦が予想される東海大高輪台との東海大対決も注目だが、3回戦での対戦が予想される日大三との強豪対決は、優勝の行方を大きく左右することになる。しかもこの試合に勝ったチームには、なおも難敵が待ち受ける。

東海大菅生とともに戦力が充実しているのが、関東一帝京だ。
 国民体育大会でも優勝した関東一は、左の今村拓哉、右の市川祐の2本柱が安定している。中堅手の重政拓夢、三塁手の初谷健心は、甲子園を経験してさらに成長している。
 関東一の初戦の相手は、夏の西東京大会で8強の日大鶴ヶ丘だ。この両校は春季大会で対戦し、関東一が勝っているが、強豪同士の好ゲームが予想される。

 帝京は夏のメンバーがほとんど残った。エース格の田代涼太は1次予選の代表決定戦の聖パウロ学園戦で、参考記録ながらノーヒットノーランを達成している。この夏打てなかった反省から、打力を徹底的に強化。長打を打てる1番打者の武者倫太郎を先頭に、上位下位、どこからでも得点ができる。経験豊富な二塁手・小松涼馬は攻守でチームを引っ張る。
 帝京は1回戦で夏のシード校・法政、勝てば都立の強豪・文京と、春季大会で苦戦した早大学院の勝者と対戦することになる。

 このブロック、順当なら3回戦で日大三東海大菅生関東一帝京のカードになり、その勝者が準々決勝で対戦することになる。半世紀以上に渡り東京の高校野球の中心であった[stadium]神宮第二球場[/stadium]は、来年のオリンピックに伴う再開発で取り壊されることになっており、実はこの準々決勝の試合が、ラストゲームとなる。
 他にも強豪はいるので、やや言い過ぎではあるが、[stadium]神宮第二球場[/stadium]のラストゲームは、事実上の決勝戦にも匹敵するカードになる。

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超激戦区の勝者と対戦するのは創価か?それとも

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日大二・折笠利矩

 優勝候補がしのぎを削る超激戦区を勝ち抜いたチームが、準決勝で対戦するのはどこか?戦力的に最有力なのが、この夏の西東京大会で準優勝した創価である。右腕の森畑侑大は、今大会でも屈指の好投手だ。好守の遊撃手・谷藤大二郎、巧打の島本康平らタレントが揃う。

 しかし創価と2回戦で対戦する可能性が高い大森学園には、佐々木歩工藤翔午ら好投手がおり、3回戦で対戦する可能性が高い東亜学園も鍛えられた好チームだ。
 また準々決勝で対戦するブロックでは初戦、明大中野都立日野日大二都立小山台という、都立と私立の強豪対決が注目される。
 明大中野は、夏は初戦で敗退した分、新チームは鍛えられている。投の多賀堂真伍、打の染谷駿斗を中心に戦力も整っている。対する日野は、夏も登板した関口勇気の他、打線も力がある。
 日大二と小山台は、日大二の投手・折笠利矩と小山台の主砲・上江洲礼記の対決がカギを握る。その他、桜美林なども控えており、創価が有力ではあるものの、道のりは平たんではない。

優勝候補・二松学舎大附にも厳しいカード

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身長198センチの大型右腕・秋広優人(二松学舎大附)

 トーナメント表を2分割すると、左側に強豪が集まっているのは確かだ。右側で目を引くのは二松学舎大附であるが、二松学舎大附にとっては、決して楽な組み合わせではない。
 二松学舎大附の捕手の山田将義は、おそらく東京ナンバー1の好捕手だ。身長198センチの秋広優人は、投打二刀流でチームを引っ張る。
 二松学舎大附と初戦で対戦する明大中野八王子には、1年生の夏から公式戦で投げている好投手の江口陽太がいる。この両校の対戦は、1回戦屈指の好カードだ。

 昨秋優勝した国士舘は、初戦は世田谷学園との世田谷区対決になる。このカードは1992年の秋季都大会の決勝戦のカードでもある。国士舘は、鎌田州真が攻守の中心。昨秋は4番打者で優勝に貢献した黒澤孟朗もいる。
 順当なら3回戦で国士舘二松学舎大附のカードになる。戦力なら二松学舎大附が上回っていると思われるが、国士舘の永田昌弘監督は秋季都大会に強いだけに、好ゲームが予想される。この試合の勝者が準々決勝で対戦するのは、岩倉修徳佼成学園か。
 このブロックの勝者が準々決勝で対戦するブロックには、好投手・宮下大地を擁する日体大荏原が目を引くほか、好投手と評判の後藤結人を擁する八王子実践、この夏の西東京大会を制した国学院久我山をはじめ、堀越東京実都立雪谷成立学園などが競い合う。

 優勝候補の日大三東海大菅生関東一帝京などが同じブロックに入ったことで、大会は俄然波乱含みになってきた。右側のゾーンでは二松学舎大附がリードしているものの対戦運は厳しく、もしどこかで敗れることがあると、どのチームにも決勝進出、さらには優勝できる可能性が出てきた。

 令和最初の優勝はどこか。もともと混戦模様であったが、大会の組み合わせは、混戦にさらに拍車をかけることになった。

(記事=大島裕史

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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