長野県秋季大会展望 北信越大会に出場するのはどこだ!
4地区の各予選上位6校、計24校が県大会に臨む。1日目は地区4-5位校、3-6位校の対戦となり、勝者が翌日、地区1位校、2位校とそれぞれ対戦。日程的にも優位な1位、2位校が上位争いの軸になってくると思われる。
上田西が一歩リード 飯山との対戦はあるか?
上田西のエース・阿部巧雅はたくましさを増している
その中でも、一歩リードしているのが東信地区1位の上田西。この夏のエース阿部巧雅はたくましさを増している。夏の準決勝でも先発した1年生左腕山口謙作も健在。予選4試合で2失点の強力投手陣は心強い。夏からのレギュラー高寺望夢、清水怜はじめ野手陣にも経験者が残り、得点力、守備力とも高い次元を保っている。
その上田西が対戦を心待ちにするのは、隣のブロックの飯山(北信2位)だ。この夏の準決勝で0対3で敗れ、初優勝を許した相手だ。
飯山は甲子園でもリリーフ登板したエース常田唯斗が、夏の反動を感じさせず順調に仕上がっている。140キロ超えのストレートと切れ味鋭いスライダーは、1、2年生チームにとってはかなり攻略が難しい。日程的にも余裕があるため、常田を万全な状態で難敵にぶつけられるかが鍵。総入れ替えになった野手陣だが、現2年生が1年生だった秋、北信地区の1年生大会を制せしているだけに、経験を積めばその伸びしろも期待される。
その隣のブロックでは、1回戦の長野商(北信3位)―松本第一(中信6位)戦が注目。長野商は予備戦での敗退から苦しい戦いが続いている。松本第一も地区6位通過と苦しんだが、昨秋北信越で1勝している野手陣が多く残るだけに侮れない。その勝者は2回戦で飯田(南信2位)と対戦。飯田も夏のレギュラー組が複数残る大型のチームだけに、この3チームは混戦が予想される。
隣のヤマには中信1位の松商学園が入った。6季ぶりに地区優勝の松商は複数投手の継投で勝ち上がってきた。いずれも豪腕タイプではないが、試合を作れるのが強み。野手陣も夏からの二遊間ほか、足のある選手も加わり、攻守で安定した試合運びができる。
東海大諏訪や佐久長聖など強豪がひしめくブロック
佐久長聖は左腕エースの梅野峻介を中心に安定した戦いを見せる
反対のブロックには、東海大諏訪(南信)と長野日大(北信)の地区1位校が入った。東海は夏から野手が総入れ替え。ただ左腕有賀達彦、捕手の黒澤駿太の公式戦経験のあるバッテリーを軸に予選では危なげない戦いぶりを見せてきた。それだけに接戦の場面でどれだけ粘れるか、真価が問われる。
その東海と準々決勝で当たるブロックには、佐久長聖(東信2位)が入った。長聖はこの夏、8年連続の決勝進出を逃し、初戦で敗退。例年になく新チームは早く船出した。左腕エース梅野峻介を柱に夏のレギュラー二遊間も残りセンターラインは安定する。やや迫力に欠く打撃で、どこまで投手陣をカバーできるかがポイントになりそう。
長野日大は、競り合いを制しながら地区を1位通過。落合快斗、山岸亮太、栗木将太の継投が濃厚だが、特に栗木の復調が待たれる。その栗木と夏から中軸を任された丸山慶一郎が得点源となる。
長野日大ブロックの2位校は、日本ウェルネス(中信)。長身エース織原啓太郎、左腕山中省吾ら厚い投手陣が売りだ。足のある浅沼春輝、山上暁の1年生二遊間コンビが得点の起点となっていく。
ウェルネスの下ヤマに入った、小諸商は東信3位だが侮れない。夏も柱で投げた土屋呉巴、加藤大雅の左右コンビはたくましさを増した。野手陣はほぼ総入れ替えだが、スピード、技術力とも公立校の中では群を抜く存在。東信予選準決勝は佐久長聖に1対3で競り負けている。
ここまで紹介した以外にも核になる投手を抱えるチームは少なくない。3~6位チームはまずは1回戦をきっちり勝ち切れることが大事になる。
北信越大会に進めるのは上位3校。それにはまずは準決勝に残らなければならない。準々決勝の前後は中2日空くだけに、特に投手起用にはこの休養をうまく使いたい。昨秋は地区1位の4校が、そのまま県でもベスト4入り。今秋も再現なるのか、下剋上が起きるのか、熱戦が期待される。
(記事=小池 剛)