【秋季東京都大会一次予選展望】日大豊山と東海大高輪台が初戦で激突!第21ブロックAは激戦区に
まだ夏の甲子園の余韻があるが、30日に秋季都大会の1次予選の組み合わせ抽選が行われた。今年は264校・239チームが、64の本大会出場枠をかけて、熱戦を繰り広げることになる。秋季大会は、春や夏の大会のようなシード校制度がない。そのため、強豪校が集まる激戦区も生まれている。
日大豊山と東海大高輪台が初戦で激突
日大豊山と東海大高輪台が激突
最大の激戦区になったのが、桐朋高校が会場の第21ブロックAだ。初戦でこの夏の東東京大会4強の日大豊山と2年前の夏の準優勝の東海大高輪台が激突する。夏からメンバーは大きく変わっているものの、鍛えられた両校だけに好ゲームが期待させる。
それに勝ったチームは、この夏、日大三相手に善戦した桐朋と東京の勝者との対戦になる。この一戦も実力のあるチーム同士の対戦であり、4校のどこが本大会に出場してもおかしくない、激戦区だ。
4校全体の粒が揃っているという点では、江戸川区球場が会場の第1ブロックBも注目だ。
まず初戦でこの夏、力をつけた工藤翔午擁する大森学園に、都立の強豪墨田工が挑む。過去にセンバツ優勝の経験もある日大桜丘には、近年力をつけている都立小岩が挑む。代表決定戦も含め、いずれも熱戦が期待できる。
第1ブロックAは、この夏甲子園で準々決勝に進出した関東一が頭一つリードしているが、この夏初めてシード校になった都立小松川をはじめ、拓大一、淑徳なども侮れないチームである。
佼成学園会場の第4ブロックBも、佼成学園をはじめ、夏の西東京大会8強の都立豊多摩、甲子園出場経験のある城西大城西に芝と、力のある学校が揃った。
また日大三会場の第16ブロックCには、この夏の東東京4強の上野学園、実力校の世田谷学園、元ヤクルトの芦沢真矢監督の下で年々力をつけ、本格派の大塚優璃投手を擁する啓明学園が揃い、激しい戦いが予想される。
昭和一学園・舘、日体大荏原・宮下の投げ合いか?
宮下大地(日体大荏原)
日体大荏原グラウンドで行われる第17ブロックCは、好投手の対決が予想される。昭和一学園の館慎太郎は既に、実績を積んでいる。都立清瀬戦に勝てば昭和一学園と代表決定戦で対戦する日体大荏原の宮下大地は、この夏急成長し、相原健志監督の期待も大きい。
第19ブロックCの明大中野八王子と駒大高の一戦は、制球力があり安定している江口陽太投手を擁する明大中野八王子の守りと、思い切りのいいフルスイングで挑む駒大高の打の対決になる。
第3ブロックAは、力をつけている左腕・一井日向汰を擁する都立武蔵野北と、田河清司監督の勇退を受け、秋から指揮を執る予定の高橋勇士監督率いる都立紅葉川の争いか。国学院も侮れない存在である。
第19ブロックBの国際基督教大高は、近年力をつけており、都立の強豪である都立文京にとっても油断できない相手だ。第24ブロックAでは、正則学園と日大鶴ヶ丘という甲子園経験校同士の対戦が注目される。
その他にも第6ブロックAの都立杉並・明学東村山、第11ブロックAの都立江戸川・東京成徳大高、第13ブロックBの明大中野・都立広尾、第17ブロックBの駿台学園・法政、第22ブロックAの専大附・都立篠崎、同Cの都立八王子北・明大明治、代表決定戦での対戦が予想されるカードでは、第10ブロックCの都立総合工科・共栄学園、第11ブロックCの都立雪谷・都立淵江、第16ブロックAの都立足立新田・東京実、第18ブロックAの成立学園・都立高島なども熱戦が予想される。
帝京に挑む聖パウロ学園
秋季大会は新チームを結成したばかりだけに、優勝争いの常連である強豪校としても油断できない。
この夏好投した田代涼太や、東京を代表する名手である小松涼馬など、経験豊富なメンバーが揃う帝京は、今大会の優勝候補である。帝京が代表決定戦で対戦することが予想される聖パウロ学園は、勝俣秀仁監督の下で鍛えられているだけに、どのような試合になるか注目される。
清宮福太郎以外にも、梅村大和、北村広輝、右腕投手の宇野竜一朗ら注目選手の多い早稲田実は、初戦で近年実績を残している伝統校の錦城学園と対戦する。
投手なのか野手なのか、起用法も含め注目される身長198センチの秋広優人や、東京屈指の好捕手である山田将義らを擁する二松学舎大付は、日本ハムで投手だった田中幸雄監督率いる郁文館や都立の強豪である昭和などの挑戦を受ける。
28年ぶりに西東京大会を制した国学院久我山は、甲子園で貴重な経験をした一方で、新チームの結成は遅れた。その影響がどう出るか。足立学園などとの対戦で、その真価が問われる。
東海大菅生は、比較的恵まれたブロックに入ったが、この夏、八王子を破った帝京八王子などもおり、油断はできない。
東京オリンピックの影響で、夏は神宮球場で行われるのは開会式だけ。この代にとって、神宮球場でプレーできるのは秋の準決勝、決勝だけだ。それから長年にわたり東京の高校野球の舞台として親しまれてきた神宮第2球場で試合をするのも、この秋が最後。
この秋の大会は、単にセンバツ出場をかけた試合というだけではない、いろいろな意味のある大会である。本大会に出場するのはどこか。9月の戦いが注目される。
文=大島 裕史
■一次予選の組み合わせと応援メッセージは以下より
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