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【秋季愛知大会展望】伝統の私学4強に、今夏上位の至学館、星城などが絡む展開か?

2019.08.29

 この夏の愛知大会は名古屋市内勢ではない、尾張地区のと東三河地区の愛知桜丘という決勝カードになった。どちらが勝っても初優勝というフレッシュな対戦となったが、が初優勝した。

 果たして今秋はどうなっていくのだろうかと思われるが、やはり名古屋市内勢、それも伝統の私学4強が中心となっていくであろうという構図そのものは変わらないだろう。そんな愛知県の秋季大会を占ってみた。

中京大中京などの伝統の強豪校を軸に、今夏好成績だった至学館、星城が追う展開に

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中京大中京・高橋宏斗

 名古屋市内予選、二次トーナメントは中京大中京東邦が2回戦で対決して中京大中京が大差で勝った。中京大中京はそのままトーナメントを勝ち上がっていって市内1位となった。

 他にベスト4には享栄愛工大名電とこの夏にセンバツ優勝校の東邦を下したということで注目された星城が残った。やはり、このあたりが有力校となっていくだろう。中京大中京は夏からのエース高橋宏斗君がおり、打線も西村友哉君や印出太一君ら経験のある選手を中心に力強く優勝候補の筆頭と言っていい。

 追うのが、夏から1年生で1番をつけていた田村俊介君が健在の愛工大名電寺嶋大希君、平口寛人君と投手陣の駒も豊富で、やはり優勝候補の一角に挙げていい存在であろう。また、大藤敏行監督の実質2年目となる享栄は左腕の上田洸太朗君が安定しているし、センスのいい彦坂藍斗君を中心とした打線で上位を狙う力は十分だ。

 夏ベスト4の至学館も、軸として投げた渡邉都斗君がおり、グラウンドが完成してこれまでのチームから、ややスタイル変更も目指していこうと機動力に含めて打撃力をアップしていっている。新しい至学館が、一波乱二波乱起こす可能性は十分にある。

 星城は旧チームから残った宮川怜君と坂井田悠真君が中心となるのだろうが、選手育成手腕には定評のある平林宏監督である。名古屋市二次トーナメントでは決勝進出を果たして、選手たちにも実績を上げることで自信をつけさせている。この秋季大会では、新たな戦力の台頭も十分に見られるであろう。

 今春、注目を浴びた中部大一中部大春日丘の2校と、愛産大工や名市工、名古屋市工芸あたりも力はありそうだ。

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安城ナイン

 甲子園初出場を果たしたは、甲子園帰りの最初の公式戦の尾張地区二次予選では初戦で愛知黎明に敗退。その愛知黎明は次戦で創立15年目という公立校の杏和に敗れている。その杏和を下したのが愛知啓成

 そして、決勝は系列校対決となったが愛知大成が接戦で愛知啓成を下している。の躍進が刺激となって、尾張地区各校は、「自分たちも行けるぞ」という意識にもなってるであろう。誠信清林館杏和はじめ小牧、佐織工、小牧南などの公立勢の頑張りも期待したい。混戦から出てきた各校は粘りがありそうだ。

 西三河勢は、相変わらず10校近くがしのぎを削り合い混戦状況となっているが、昨夏の記念大会で甲子園を経験している愛産大三河は3位校としての進出となるが、やはり安定している。

 地区予選の決勝を争った岡崎工と安城は、その戦いぶりは大いに期待できそうだ。岡崎工は柵木和陽君と山田航君のバッテリーがそのまま残ったのも強みだ。安城は、加藤友嗣監督の、意表を突く采配も見物となる。さらには豊田北もどこまで食い下がるかも注目したいところだ。昨夏の東愛知大会準優勝で秋も県大会ベスト4西尾東ももちろん侮れない。

[page_break:今夏決勝まで進出した桜丘らを筆頭に、伝統の名門校も上位を狙う]

今夏決勝まで進出した桜丘らを筆頭に、伝統の名門校も上位を狙う

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豊川・米庄寛成

 東三河地区は、近年は私学3強の構図が定着してきているが、新チームの今秋季ブロック予選でも1位豊川、2位愛知桜丘、3位豊橋中央というほぼ例年と変わりない位置づけだった。豊川は速球派で県内でも屈指の好投手に挙げられそうな米庄寛成君もおり投手力は充実している。選手層も厚くやはり総合力は名古屋市上位校に遜色はない。愛知桜丘は、夏の準優勝が自信となっていることは間違いないだろう。また、萩本将光監督が就任した豊橋中央は、この夏の練習の成果を発揮したいところであろう。

 それらを負う存在としては旧チームから西山成哉君と林和磨君、角谷優翔君らが残り練習量豊富な渥美農を筆頭に、豊橋工や粘り強い伝統の名門校時習館。そして、何とか県大会進出を果たした伝統の成章は地域の声援に支えられており、久しぶりの躍進を期待する声も多い。

 知多地区では、近年安定した実績を挙げられるようになった東浦が1位となり、知多翔洋が続いた。東浦は、夏も投げ昨秋からの実績もある伊加田光君と4番を任されていた青柳翔太君が残ったのも大きい。知多翔洋も、ブロック大会などでも着実に実績を積んできており、伊藤仁監督の熱い指導が徐々に成果を出し始めている。さらに伝統校の大府と進学校の半田が続いた。躍進を目指す日本福祉大附が5番目の代表となり県大会での活躍を目指す。

 最終的には、中京大中京愛工大名電を中心に、至学館享栄星城の名古屋市内勢が中心となっていきそうだ。それに豊川、愛知桜丘の東三河勢や、西三河で愛産大三河や安城西尾東など公立校の曲者や東浦などの知多勢も注目したい。さらに愛知大成、愛知啓成などの尾張勢がどう絡んでいくのかというところも見どころである。

文=手束 仁

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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