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2019年のU-18代表は史上最強の投手陣だ!過去5年間と比較すると?

2019.08.22

 今年の侍ジャパンU-18代表の投手陣には、150キロ超えの投手が5人もいる。過去5年の投手陣と比較しても、史上最強の顔ぶれだ。

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過去5年間の高校日本代表投手陣

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2018年の代表ではエースとして勝負所で登板した吉田輝星

 まずは過去のメンバーを振り返った上で、今年はどこがスゴイのかを比較していきたい。

■2014年
岸 潤一郎明徳義塾拓殖大-徳島インディゴソックス)
森田 駿哉富山商-法政大-Honda鈴鹿)
山城 大智沖縄尚学亜細亜大-トヨタ自動車)
飯塚 悟史日本文理-横浜DeNA)
高橋 光成前橋育英-埼玉西武)
小島 和哉浦和学院早稲田大-千葉ロッテ)

■2015年
佐藤 世那仙台育英-オリックス-横浜球友クラブ)

成田 翔秋田商-千葉ロッテ)
高橋 樹也花巻東-広島)
小笠原 慎之介東海大相模-中日)

上野 翔太郎中京大中京-駒沢大)
髙橋 純平県立岐阜商-福岡ソフトバンク)
森下 暢仁大分商明治大

勝俣 翔貴東海大菅生-国際武道大)

■2016年
寺島 成輝履正社-東京ヤクルト)
藤嶋 健人東邦-中日)
堀 瑞輝広島新庄-北海道日本ハム)
早川 隆久木更津総合-早稲田大)
藤平 尚真横浜-東北楽天)
高橋 昂也花咲徳栄-広島東洋)
今井 達也作新学院-埼玉西武)
島 孝明東海大市原望洋-千葉ロッテ)

■2017年
清水 達也花咲徳栄-中日)
櫻井 周斗(日大三-横浜DeNA)
磯村 峻平中京大中京-明治大)
山下 輝木更津総合-法政大)
徳山 壮磨(大阪桐蔭-早稲田大)
三浦 銀二(福岡大大濠-法政大)
田浦 文丸秀岳館-福岡ソフトバンク)
川端 健斗(秀岳館-立教大)

■2018年
吉田 輝星金足農-北海道日本ハム)
板川佳矢(横浜-国際武道大)
奥川 恭伸(星稜)
柿木 蓮(大阪桐蔭-北海道日本ハム)
渡邉勇太朗(浦和学院-埼玉西武)
市川悠太(明徳義塾-東京ヤクルト)
山田龍聖高岡商-JR東日本)
野尻幸輝木更津総合-法政大)

[page_break:2019年の高校日本代表はなぜ過去最強なのか]

2019年の高校日本代表はなぜ過去最強なのか

2019年のU-18代表は史上最強の投手陣だ!過去5年間と比較すると? | 高校野球ドットコム
2019年の高校日本代表の投手陣

そして今年の顔ぶれである。

■2019年
佐々木朗希大船渡
奥川恭伸星稜) 
西純矢創志学園) 
飯塚脩人習志野) 
前佑囲斗(津田学園) 
池田陽佑(智辯和歌山) 
林 優樹(近江) 
浅田 将汰(有明) 
宮城 大弥興南

 今年のメンバーの特徴は、投手登録でありながら、「野手兼任」もできる投手を入れていないということである。入れる余地もないぐらい顔ぶれが揃ったといっても過言ではない。

 まず、今年は163キロ右腕・佐々木と、準決勝まで防御率0.00の奥川がいること。この2人は例年であれば、ドラフト競合クラスの逸材で、5年に一度、1人いればすごいレベルの投手が2人もいるというのは奇跡的だ。佐々木と奥川については、アメリカ代表の投手陣にも負けてはいないだろう。アメリカ代表は、ほとんどの投手が150キロ超えだが、佐々木はアベレージで150キロ中盤を計測しており、140キロ近いスプリット、130キロ台の高速スライダーも投げ分けることができる。

 奥川もスイッチが入った時は、いつでも150キロを出すことができて、内外角ぎりぎりにコントロールできる。高速フォーク、チェンジアップ、縦スライダーと変化球の精度の高さもある。

 アメリカ打線を抑えられる可能性を十分に持った2人ではないだろうか。

 さらに、西、飯塚、池田の3人も150キロ超え。150キロ以上を投げる投手が計5人いるのは、U18史上初だろう。速球だけでなく、コントロールもよく、変化球の精度も高い。

 前、浅田も、例年ならばエース格として活躍ができる投手で、前は常時140キロ前半の速球は、球速表示以上を感じさせる伸びがあり、さらに切れのあるスライダーのコンビネーションで圧倒できる。浅田は、140キロ後半の速球は威力があり、独特の曲がりを見せるチェンジアップも、高確率で空振りが奪える。両投手とも、決め球を持っていることが強みだ。

 宮城は、140キロ後半の速球を投げられ、空振りを奪えるチェンジアップも投げることができる。速球派揃いの中でただ1人の技巧派左腕・林は、130キロ前後ながら、出どころが見にくく、いつでもストライクが取れるカーブ、スライダーを持つ。空振りを奪えるチェンジアップは、ダルビッシュ有が絶賛するほどの切れ味だ。

 これまでのU18代表投手陣は、140キロ後半を投げられても制球力に不安があったり、変化球の精度に課題があったり、総合力に不安を感じるパターンが多かった。しかし、今年はそれがない。例年であれば、日本代表のエースを務めていてもおかしくない投手が、9名全員。韓国で開催されるU18での戦いが今から待ち遠しい。

(記事=河嶋 宗一

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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