2019年のU-18代表は史上最強の投手陣だ!過去5年間と比較すると?
今年の侍ジャパンU-18代表の投手陣には、150キロ超えの投手が5人もいる。過去5年の投手陣と比較しても、史上最強の顔ぶれだ。
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過去5年間の高校日本代表投手陣
2018年の代表ではエースとして勝負所で登板した吉田輝星
まずは過去のメンバーを振り返った上で、今年はどこがスゴイのかを比較していきたい。
■2014年
・岸 潤一郎(明徳義塾-拓殖大-徳島インディゴソックス)
・森田 駿哉(富山商-法政大-Honda鈴鹿)
・山城 大智(沖縄尚学-亜細亜大-トヨタ自動車)
・飯塚 悟史(日本文理-横浜DeNA)
・高橋 光成(前橋育英-埼玉西武)
・小島 和哉(浦和学院-早稲田大-千葉ロッテ)
■2015年
・佐藤 世那(仙台育英-オリックス-横浜球友クラブ)
・成田 翔(秋田商-千葉ロッテ)
・高橋 樹也(花巻東-広島)
・小笠原 慎之介(東海大相模-中日)
・上野 翔太郎(中京大中京-駒沢大)
・髙橋 純平(県立岐阜商-福岡ソフトバンク)
・森下 暢仁(大分商-明治大)
・勝俣 翔貴(東海大菅生-国際武道大)
■2016年
・寺島 成輝(履正社-東京ヤクルト)
・藤嶋 健人(東邦-中日)
・堀 瑞輝(広島新庄-北海道日本ハム)
・早川 隆久(木更津総合-早稲田大)
・藤平 尚真(横浜-東北楽天)
・高橋 昂也(花咲徳栄-広島東洋)
・今井 達也(作新学院-埼玉西武)
・島 孝明(東海大市原望洋-千葉ロッテ)
■2017年
・清水 達也(花咲徳栄-中日)
・櫻井 周斗(日大三-横浜DeNA)
・磯村 峻平(中京大中京-明治大)
・山下 輝(木更津総合-法政大)
・徳山 壮磨(大阪桐蔭-早稲田大)
・三浦 銀二(福岡大大濠-法政大)
・田浦 文丸(秀岳館-福岡ソフトバンク)
・川端 健斗(秀岳館-立教大)
■2018年
・吉田 輝星(金足農-北海道日本ハム)
・板川佳矢(横浜-国際武道大)
・奥川 恭伸(星稜)
・柿木 蓮(大阪桐蔭-北海道日本ハム)
・渡邉勇太朗(浦和学院-埼玉西武)
・市川悠太(明徳義塾-東京ヤクルト)
・山田龍聖(高岡商-JR東日本)
・野尻幸輝(木更津総合-法政大)
2019年の高校日本代表はなぜ過去最強なのか
2019年の高校日本代表の投手陣
そして今年の顔ぶれである。
■2019年
佐々木朗希(大船渡)
奥川恭伸(星稜)
西純矢(創志学園)
飯塚脩人(習志野)
前佑囲斗(津田学園)
池田陽佑(智辯和歌山)
林 優樹(近江)
浅田 将汰(有明)
宮城 大弥(興南)
今年のメンバーの特徴は、投手登録でありながら、「野手兼任」もできる投手を入れていないということである。入れる余地もないぐらい顔ぶれが揃ったといっても過言ではない。
まず、今年は163キロ右腕・佐々木と、準決勝まで防御率0.00の奥川がいること。この2人は例年であれば、ドラフト競合クラスの逸材で、5年に一度、1人いればすごいレベルの投手が2人もいるというのは奇跡的だ。佐々木と奥川については、アメリカ代表の投手陣にも負けてはいないだろう。アメリカ代表は、ほとんどの投手が150キロ超えだが、佐々木はアベレージで150キロ中盤を計測しており、140キロ近いスプリット、130キロ台の高速スライダーも投げ分けることができる。
奥川もスイッチが入った時は、いつでも150キロを出すことができて、内外角ぎりぎりにコントロールできる。高速フォーク、チェンジアップ、縦スライダーと変化球の精度の高さもある。
アメリカ打線を抑えられる可能性を十分に持った2人ではないだろうか。
さらに、西、飯塚、池田の3人も150キロ超え。150キロ以上を投げる投手が計5人いるのは、U18史上初だろう。速球だけでなく、コントロールもよく、変化球の精度も高い。
前、浅田も、例年ならばエース格として活躍ができる投手で、前は常時140キロ前半の速球は、球速表示以上を感じさせる伸びがあり、さらに切れのあるスライダーのコンビネーションで圧倒できる。浅田は、140キロ後半の速球は威力があり、独特の曲がりを見せるチェンジアップも、高確率で空振りが奪える。両投手とも、決め球を持っていることが強みだ。
宮城は、140キロ後半の速球を投げられ、空振りを奪えるチェンジアップも投げることができる。速球派揃いの中でただ1人の技巧派左腕・林は、130キロ前後ながら、出どころが見にくく、いつでもストライクが取れるカーブ、スライダーを持つ。空振りを奪えるチェンジアップは、ダルビッシュ有が絶賛するほどの切れ味だ。
これまでのU18代表投手陣は、140キロ後半を投げられても制球力に不安があったり、変化球の精度に課題があったり、総合力に不安を感じるパターンが多かった。しかし、今年はそれがない。例年であれば、日本代表のエースを務めていてもおかしくない投手が、9名全員。韓国で開催されるU18での戦いが今から待ち遠しい。
(記事=河嶋 宗一)
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