第1試合から第4試合まですべて激戦!展開が読めない準々決勝4試合の見所
ベスト8が出揃った。昨年の準々決勝もハイレベルな試合ばかりだったが、この試合もお互いの実力が拮抗しており、展開が読めないゲームになりそうだ。
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第101回全国高等学校野球選手権大会
中森俊介(明石商) 武岡龍世(八戸学院光星) 写真=共同通信社
昨夏に続き2年連続の対決。昨夏は延長戦までもつれた打撃戦が繰り広げられたが、今年も終盤までもつれる試合展開になりそう。
明石商はエース・中森俊介は中6日で迎えられるのは大きい。前回は147キロ計測も、ギアを入れても140キロ後半がみられなかった。140キロ前半を出していてもすごいのだが、夏の甲子園では140キロそこそこでは簡単に打たれる大会となっている。登板となれば、140キロ後半の速球を見せて、圧倒する投球で、八戸学院光星打線の勢いを止めたい。この試合では内角攻めがカギになるのではないだろうか。
打線は来田涼斗、水上桂、重宮涼、安藤碧の4人がどれだけ機能するか。小技だけではなく、長打を絡めた攻撃を行っていきたい。
八戸学院光星は投手総動員で勝負。目先を変えながら、明石商打線の狙い球を絞らない投球を見せたい。
打線は甘いストレート、高めに入った変化球を長打にして、着実に点を重ねていきたい。
八戸学院光星は打撃力が注目されるが、守備も手堅い。堅実な試合運びで後半勝負に持っていきたい。
お互いの総合力を勘案すると、3点~5点勝負になりそうだ。
後半に強い中京学院大中京と先制攻撃が得意な作新学院の一戦。まずは中京学院大中京の立ち上がりの守備、投球がポイントとなりそう。中京学院大中京のエース・不後祐将は内角ストレート、外へ逃げる変化球をしっかりと投げ分けができるか。また走者を出しても作新学院の揺さぶりに負けない守備を見せていきたい。
作新学院はエース・林勇成がこの2試合続けて好投を見せているが、この中京学院大中京戦はこれまでの2試合のようにいかないことも覚悟したほうが良いだろう。中京学院大中京の選手は選球眼もよく、緩急をつかれても、甘く入ったゾーンを打ち返す打力があるからだ。そこは二遊間を中心とした堅い守備で守りぬきたい。
選手の技量、ポテンシャル、選手層の厚さは中京学院大中京が上回っているが、野球のきめ細かさ、走塁技術では作新学院のほうが上回る。両チームの良さが出れば、5点~8点の勝負となりそう。
[page_break:星稜(石川)vs仙台育英(宮城)/履正社(大阪)vs関東一(東東京)]大栄 陽斗(仙台育英)
激戦を制した星稜。ただエース・奥川恭伸は165球を投げており、そのダメージは間違いなくあるだろう。奥川以外で投げさせる選択肢もありうるだろう。2回戦で投げた安定感のある右腕・荻原吟哉、本格派右腕・寺西成騎、リリーフ左腕として安定感のある寺沢孝多がスタンバイ。総動員としてつなぐことになるだろう。
奥川を投げさせずに勝つためには投手陣だけではない。野手陣の踏ん張りも期待がかかる。打線ではポイントゲッターとして期待がかかる内山壮真、サヨナラ3ランを放った福本陽生が軸となるだろう。
仙台育英の要注意打者は、打率.571を記録している1番中里 光貴、打率.667を記録している6番大栄 陽斗だろう。速球、変化球にも柔軟に対応できて、さらに走塁技術も高い。そしてリリーフとして圧巻の好投を見せている1年生左腕・笹倉世凪も控える。
星稜としては奥川が投げても、投げなくても打撃戦にもっていかないと勝ち目はないだろう。3回戦の球数の状況からしても、投げずに勝つには守備、サインプレー、犠打をしっかりと行い、仙台育英を追い詰めていきたい。
優勝候補・智辯和歌山を破った勢いを存分に発揮していきたい。
ここまで6本塁打を放っている履正社は投手以外が全員長打が打てて、さらに対応力も高い打者が揃っている。関東一サイドは「打撃戦は覚悟の上」と語っている。関東一は打撃戦に持ち込むだけの打力、機動力は持っている。
というのは、大阪大会で圧巻の投球を見せていた履正社の投手陣は全国レベルを基準にすると不安が大きいこと。エース・清水大成は3回戦では130キロ台に落ちており、ボールの走りがまったくよくない。また球数を重ねやすく、6回につかまりやすい。関東一は機動力、試合運びの上手さは絶妙なので、つかまりやすい可能性がある。リリーフの岩崎 峻典も防御率3.86と内容は良くない。
関東一は履正社の一発攻勢に見舞われてもあきらめずに食い下がれるか。5点~10点勝負となりそうだ。
(記事=河嶋 宗一)
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