Column

【兵庫大会総括】明石商が圧巻の逆転V!公立校13校がベスト16入りと大躍進!

2019.08.02

 7月6日から開幕した兵庫大会は明石商の優勝で幕が閉じた。激戦となった兵庫を振り返っていく。

【兵庫大会総括】明石商が圧巻の逆転V!公立校13校がベスト16入りと大躍進! | 高校野球ドットコム組み合わせ日程はこちら
第101回 全国高等学校野球選手権 兵庫大会

明石商のチーム力はさらに成熟。どこも寄せ付けない圧巻のチームへ!

【兵庫大会総括】明石商が圧巻の逆転V!公立校13校がベスト16入りと大躍進! | 高校野球ドットコム
明石商を支えた水上桂  重宮涼

 明石商は春季大会後も競争を行い、選手のレベルが大きく上がり、隙の無いチームへ成長した。決勝戦の神戸国際大附戦では、9回まで0対1で負けていたがそこから怒涛の反撃。勝ち越し点はスクイズと改めて恐ろしい強さを感じるチームだ。

 149キロ右腕・中森俊介、スラッガー・来田涼斗が注目されるが重宮涼水上桂の精神的支柱の活躍が光った。また投手陣では左腕・杉戸理斗、右腕・溝尾海陸が粘り強い投球を見せ、中森の負担を軽減させた。選手層の厚い明石商はこの2人よりも球速のある投手は多いものの、それよりもこの2人が投げているということはそれだけ安定感があり、狭間監督から信頼を集めているのだろう。

 選手層の厚さ、野球のきめ細かさ、接戦の強さと、今年の甲子園では優勝候補に挙がるチームとなるだろう。

 準優勝の神戸国際大附。全国に出れば上位進出。あわよくば優勝も狙える戦力だった。剛腕サイド・松本 凌人、145キロ右腕・鍵翔太、スラッガー・柴野 琉生、巧打堅守のショートストップ・松浦隆己を中心としたベンチ入り選手のポテンシャルの高さは明石商より間違いなく上だった。

 本当に紙一重の差だったと思う。もう一度、全国レベルのチームを育て上げてほしい。

 ベスト4以下のチームはそれほど大きな差はなかった。育英は二遊間を中心に堅い守備、バットコントロールの良い中塚 佑作西川凱斗など好野手がそろい、高砂は細かな継投策で逃げ切り、4番近藤泰冴を中心とした打線は強力だった。

 ベスト8に終わった藤本 竜輝はこの夏、須磨友丘戦で7回参考記録ながら無安打無得点の快投を披露。惜しくも神戸国際大附に敗れたが、兵庫の夏を盛り上げてくれた投手であった。

 好投手・照峰 賢也擁する姫路南は左の好打者・梅崎 稜大、スラッガー柳原 誠を中心に、打線のレベルアップも感じられた。また加古川西報徳学園市立尼崎と阪神地区の強豪を続々と撃破。速球派右腕・茶谷哲平擁する西宮東、春準優勝の須磨翔風など今年は公立校13校がベスト16入りし、公立校のレベルの高さを実感する大会にもなった。

 ますます激しさが増している現在の兵庫県。8月中旬から県大会出場を争う地区予選が繰り広げられる。ここからどんなチームが2020年の兵庫をリードするのか、注目していきたい。

(文=河嶋宗一

【兵庫大会総括】明石商が圧巻の逆転V!公立校13校がベスト16入りと大躍進! | 高校野球ドットコム関連記事はこちらから
驕ることなく地道に積み上げた鮮烈な甲子園デビューまでのルーツ 中森俊介(明石商)【前編】
今春の選抜の顔・来田涼斗(明石商)!今、明かされる小・中学時代の伝説!【前編】
一事が万事。明石商の緻密な野球は想像以上の手間暇が詰まっていた!【前編】

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.23

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.23

【春季埼玉県大会】地区大会屈指の好カードは川口市立が浦和実を8回逆転で下し県大会へ!

2024.04.23

「無欲すぎて就職希望だったところを……」紅林弘太郎(オリックス)、恩師が明かす高校3年間

2024.04.23

LINEの返信は『ウッス!』、ミーティング中に上の空……高校時代の恩師が語る「紅林弘太郎はオリックスだからこそ活躍できた」

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.23

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.23

【春季埼玉県大会】地区大会屈指の好カードは川口市立が浦和実を8回逆転で下し県大会へ!

2024.04.21

【神奈川春季大会】慶応義塾が快勝でベスト8入り! 敗れた川崎総合科学も創部初シード権獲得で実りのある春に

2024.04.22

【埼玉】花咲徳栄は伊奈学園と、昌平は正智深谷と初戦で対戦<春季県大会組み合わせ>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.05

早稲田大にU-18日本代表3名が加入! 仙台育英、日大三、山梨学院、早大学院の主力や元プロの子息も!

2024.04.23

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.02

【東京】日大三、堀越がコールド発進、駒大高はサヨナラ勝ち<春季都大会>

2024.04.12

東大野球部の新入生に甲子園ベスト4左腕! 早実出身内野手は司法試験予備試験合格の秀才!