第949回 【愛知大会総括】令和最初の夏の愛知は「戦国愛知」を象徴する大会だった!2019年08月01日

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【目次】
[1]初優勝を果たした誉が張ってきた伏線の数々
[2]次に向けて刺激となった大会だった

 101回目の夏、令和最初の愛知大会はまさに「戦国愛知」を象徴するかのような大会と言ってもいいであろう。そして、決勝が桜丘という、どちらが勝っても初優勝(春夏通じても初の甲子園出場)という稀有なケースとなった。結果としてが、8対1と桜丘を下して制した。尾張地区と東三河地区の対決で、決勝で名古屋市内勢がいないということもまた新鮮だった。

 このように、大会そのものとしては愛知の高校野球新時代到来かということを匂わせる結末でもあった。そんな愛知大会を振り返ってみる。

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第101回 全国高等学校野球選手権 愛知大会

初優勝を果たした誉が張ってきた伏線の数々



優勝を果たした誉(第126回全尾張高等学校野球選手権大会 準決勝 東浦戦から)

 初優勝を果たしたは、4回戦で昨夏の代表校愛工大名電を下し、準決勝では全国最多勝利数を誇り、今大会も優勝候補だった中京大中京を下すなどして、ジャイアントキリングと話題になった。しかし、実は昨年の春季県大会で初優勝して東海大会に進出している。また、12年と15年夏にもベスト8に進出している。この夏への伏線は、徐々に敷かれていたともいえる。

 今年も澤野聖悠君と吉田 卓矢君の3番4番も大会前から注目は浴びる存在だった。また、杉本 恭一君~山口 伶生君という継投も大会を通じてすっかり定着した。準決勝の中京対中京戦でも、初回に2本の本塁打で先制されても慌てることなく、終始自分たちの形を信じて戦っていかれた。このことが、結果として矢幡真也監督の言う「大大金星です」という今回の大殊勲を生んだといっていい。

 ハイライトは準々決勝の星城との試合だった。星城も今大会台風の目として活躍した話題校だった。2回戦でセンバツ優勝校の東邦に10対3とコールド勝ちして度肝を抜いた。さらには、伝統の愛知商を下して4回戦では大藤敏行監督が就任して注目されていたシード校の享栄との試合でも、強烈な打球を放って圧倒。「完敗でした」と大藤監督も脱帽した。投げても最速146キロをマークした石黒 佑弥君が安定していた。



石黒 佑弥 (野球部取材から)

 かつて豊田西で実績を挙げて星城では就任5年目の平林宏監督は、「今年は、ようやく勝負できるチームになったと感じていた」と、大会前から強豪に一泡吹かせて、「甲子園を狙いたい」という意識を明解に示していた。結果的に、優勝したに敗れたことになったが、この両校でいわゆる私学4強を2校ずつ下したということも意味が深かった。

 「雨で日程がずれ込んだり、混戦になった時は強い」と言われていたのが至学館だったが、その言葉通りにというか、ベスト4まで勝ち上がったのはさすがだった。何とか一死三塁という形を作って内野ゴロで得点を挙げていくというスタイルは、「結果として打てないものだから、こういう形にたどり着いた」と麻王義之監督は言うが、この至学館のスタイルを手本としたいという県内の公立校も多い。「どことやっても接戦、勝っても負けても接戦」という至学館、準決勝で延長の末に桜丘に屈したが、最後まで至学館らしい戦いだったといえよう。

 桜丘は組み合わせの妙で、準決勝で至学館に当たるまでは三河勢と対戦し続けたが、躍進著しい岡崎学園や近年同地区内でのライバルとなっている豊橋中央などを下して言うならば勝ち上がるべくして勝ち上がってきた。

 大会前半で私学4強が相次いで崩れていく中で、ベスト4まで残ってさすがと思わせた中京大中京。ベスト8、ベスト4が決まっていった段階では本命視されていたが、2年生エース高橋 宏斗君も力のあるボールで安定感もあった。ただ、準決勝でに粘り負けたのは、最後で好機にあと一本を出し切れなかったことに尽きる。OBなど関係者は昭和時代の立襟の中京ユニフォームとなって令和最初の年に甲子園で蘇らせたかったという思いは、一入だったはずだ。

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愛知商 【高校別データ】
愛知黎明 【高校別データ】
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栄徳 【高校別データ】
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西尾東 【高校別データ】
春日丘 【高校別データ】
半田東 【高校別データ】
誉 【高校別データ】

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プロフィール

手束仁
手束 仁
  • 生年月日:1956年
  • 出身地:愛知県
  • ■ 経歴
     愛知県知多市出身。半田高→國學院大81年卒。大映映像事業部など映像会社で、映画・ビデオなどの販売促進、営業等を経て、編集プロダクションに10年勤務後独立。
     99年に『熱中!甲子園』(双葉社)を仕掛け、を刊行。同年に『都立城東高校甲子園出場物語~夢の実現』(三修社・刊)で本格的にスポーツ作家としてデビュー。99年12月に、『アンチ巨人!快楽読本』(双葉社)を企画編集・執筆。その後、『ふたりの勇気~東京六大学野球女子投手誕生物語』、『高校野球47の楽しみ方~野球地図と県民性』(三修社)などを相次いで刊行。さらに話題作となった『甲子園出場を目指すならコノ高校)』(駿台曜曜社)、『野球県民性』(祥伝社新書)、『プロ野球にとって正義とは何か』、『プロ野球「黄金世代」読本』、『プロ野球「悪党」読本』(いずれもイースト・プレス)などを刊行。
     さらには『高校野球のマネー事情』、『スポーツ(芸能文化)名言』シリーズ(日刊スポーツ出版社)、『球国愛知のプライド~高校野球ストーリー』などがある。
     2015年には高校野球史を追いかけながら、大会歌の誕生の背景を負った『ああ栄冠は君に輝く~大会歌誕生秘話・加賀大介物語』(双葉社)を刊行し18年には映画化された。

     スポーツをフィルターとして、指導者の思いや学校のあり方など奥底にあるものを追求するという姿勢を原点としている。そんな思いに基づいて、「高校生スポーツ新聞」特派記者としても契約。講演なども國學院大學で「現代スポーツ論」、立正大で「スポーツ法」、専修大学で「スポーツジャーナリズム論」などの特別講師。モノカキとしてのスポーツ論などを展開。
     その他には、社会現象にも敏感に、『人生の達人になる!徒然草』(メディア・ポート)、『かつて、日本に旧制高等学校があった』(蜜書房)なども刊行。文学と社会風俗、学校と教育現場などへの問題提起や、時代と文化現象などを独自の視点で見つめていく。 そうした中で、2012年に電子メディア展開も含めた、メディアミックスの会社として株式会社ジャスト・プランニングを設立。新たなメディアコンテンツを生み出していくものとして新たな境地を目指している。
  • ■ 著書
    都立城東高校甲子園出場物語~夢の実現』(三修社) 
    甲子園への助走~少年野球の世界は、今』(オーシャンライフ社)
    高校野球47の楽しみ方~野球地図と県民性』(三修社)

    話題作となった
    甲子園出場を目指すならコノ高校(増補改訂)』(駿台曜曜社)
    スポーツ進学するならコノ高校
    東京六大学野球女子投手誕生物語~ふたりの勇気』(三修社)
    三度のメシより高校野球』(駿台曜曜社)
    スポーツライターを目指す人たちへ~江夏の21球の盲点』(メディア・ポート)
    高校野球に学ぶ「流れ力」』(サンマーク出版)
    野球県民性』(祥伝社新書)
    野球スコアつけ方と分析』(西東社)
    流れの正体~もっと野球が好きになる』(日刊スポーツ出版社)NEW!
  • ■ 野球に限らずスポーツのあり方に対する思いは熱い。年間の野球試合観戦数は300試合に及ぶ。高校ラグビーやバレーボール、サッカーなども試合会場には積極的に顔を出すなど、スポーツに関しては、徹底した現場主義をモットーとしている。
  • ■ 手束仁 Official HP:熱中!甲子園
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