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【西東京大会・準決勝展望】東海大菅生vs国学院久我山、桜美林vs創価 ファイナルへ進むのは?

2019.07.25

 西東京大会の準決勝は、日大三早稲田実もいない波乱の展開になった。日大三早稲田実も4強に残らないのは、早稲田実が国分寺市に移転して西東京大会に移った2001年以降は初めてのこと。ちなみに日大三早稲田実帝京の3校とも東西東京大会のベスト4に残らないのは、1974年の第56回大会から東西2代表になって以降初めてのことになる。

 こうした波乱の中で、東海大菅生が一歩抜き出た存在になっているのは確かだ。しかし、高校野球は何が起こるか分からない。西東京大会の準決勝を展望する。

東海大菅生・小山、国学院久我山・宮崎の捕手対決に注目

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小山翔暉(東海大菅生) 宮崎恭輔(國學院久我山)

 東海大菅生の充実ぶりが際立っている。投手陣は、エースの中村晃太朗は今大会初先発となった準々決勝では、立ち上がりこそ不安定さがあったが、2回以降は安定の投球。新倉寛之ら2番手の投手も育っている。

 打線は1番から9番まで切れ目がない。当たっていなかった3番・成瀬脩人、4番・杉崎成にも、当たりが出だしたのは心強い。守備も強肩捕手の小山翔暉を中心に隙がない。

 ここ3試合は初回に失点しているが、慌てることなく、あっさり逆転している。それでも、国学院久我山としては、攻めるとすれば、序盤だろう。
 初回に、準々決勝で満塁サヨナラ本塁打を放った4番の宮崎恭輔までにチャンスを作り、宮崎が還す展開に持っていきたい。

 投手陣では、身長188センチの長身、高下耀介のスプリットをはじめとする縦の変化球を、いかにコーナーに散らすことができるか。

 なお、東海大菅生の小山、国学院久我山の宮崎はともに東京の高校野球を代表する好捕手。ともに強肩で、長打力に足も使える小山に対し、宮崎は東京屈指の長距離打者だ。この2人のプレーも、勝敗の大きなポイントになるかもしれない。

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片桐監督対決!チャンスを確実に物にした方に勝機が

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斎藤敦也(桜美林)

 日大三に勝ち、勢いに乗る桜美林は、エース・斎藤敦也の出来がカギを握る。斎藤は、見た目以上に球威があり、打たせて取る投球が持ち味。
 打線は日大三廣澤優を1球で仕留めた1番の小林蓮をはじめ、上位下位関係なく、積極的な打撃が光る。とりわけ、6番の山本礼央が打線のいいアクセントになっている。

 対する創価は、古川風勝森畑侑大の投手陣の2本柱が好調。
 打線は、世田谷学園の好投手・細田怜希を3回、4回に長短打を集めて攻略したように、ツボにはまった攻撃は強力だ。特に1番の大野匠、2番の島本康平、3番の宮原光夫らは、打球が速いうえに、打者としてのしぶとさがある。

 ともに投打のバランスがとれた好チーム。少ないチャンスを確実に物にして勝ち上がってきただけに、準決勝でも、そこがポイントになる。桜美林は片桐幸宏監督。創価は片桐哲郎監督。経験は年上の桜美林の片桐幸宏監督が上だが、創価の片桐哲郎監督も十分な経験を積んでおり、両片桐監督の采配にも注目したい。

 桜美林日大三に勝利したことは、早稲田実を破った国学院久我山や創価にも勇気を与えたはず。東海大菅生がリードしていることは確かだが、あと2勝を巡る戦いは、何が起きるか分からない。

文=大島 裕史

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臥薪嘗胆を貫き、史上最強の東海大菅生へ
ベスト4の壁を乗り越え、甲子園まで登り詰める!攻守の柱・宮崎恭輔(國學院久我山)
ライバルと先輩から刺激を受け続けた野球人生 小山 翔暉(東海大菅生)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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