第935回 【長野大会総括】30年ぶり公立校決勝で飯山が初優勝!シード校が早々と散る波乱含みの大会に2019年07月30日

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【目次】
[1]決勝は実に30年ぶりの公立対決
[2]シード校が早々と散る波乱含みの大会に

 初優勝や、30年ぶりの公立校同士の決勝戦、優勝候補の私立が決勝目前で敗退など、近年私立優勢だった長野で波乱が多かった今大会。白熱した試合も多く、注目すべき点が多かった今大会を総括する。

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第101回 全国高等学校野球選手権 長野大会

決勝は実に30年ぶりの公立対決



左腕・岡田恵太(飯山) ※春季大会で撮影

 春の県チャンピオン・東海大諏訪(第1シード)と昨秋の県王者・上田西(第3シード)の2強が優勝争いの軸と目されていた長野大会。しかし決勝の舞台に両校の姿はなく、初の決勝進出で初優勝を懸けた飯山伊那弥生ケ丘のカードとなった。

 30年ぶりとなった公立校同士の決勝戦は、ノーシードの飯山伊那弥生ケ丘(Bシード)に延長10回、5対4でサヨナラ勝ちし、春夏通じて初めての甲子園出場を決めた。

 前半は飯山、後半は伊那弥生ケ丘がペースを握る互角の展開。球場には近年にはない約8000人もの観衆が詰めかけ、高い注目を集めた。異様な盛り上がりの中、最後は飯山のリリーフ常田 唯斗が自ら中前にサヨナラ打を放ち、新たな歴史を刻んだ。

 飯山は、3回戦で第2シード東京都市大塩尻に4対2、準決勝では第3シードで優勝候補の上田西に3対0と、展開的には完勝の形で有力私立をも退けてきた。

 ノーシードではあったが、その実力は注目されていた。昨秋の県大会はベスト8。センバツ21世紀枠の長野県推薦校にも選ばれた(結果的にセンバツには選考されず)。
 高く評価されたのは、左の岡田 恵太と140キロ右腕・常田の二枚看板がいたからだ。

 夏の大会では彼らに加えて、右の田原 大聖も2試合に登板しきっちり仕事をした。安定感のある3人の投手陣がそれぞれに負担を軽減し、試合をつくれたのが大きかった。

 加えて冬場に強化してきた打撃が機能した。春の大会ではその打撃が空回りする形で、地区予選初戦敗退の悔しさを味わっていた。

 ただ、やってきたバットを強く振る姿勢は変えず、低い打球へと意識を修正してきたことが、好投手にも振り負けない結果につながった。本塁打こそ出なかったが安打数の3割が、強い打球で左中間、右中間を破るような二、三塁打の長打になった。

 春まではクリーンアップを任されていた大川 陸主将が1番に入り、強打で相手投手にプレッシャーを掛けていくのが攻撃のパターンになった。打線は下位までつないでいける打者が並び、大きな穴ができなかった。

 安定した投手力と、好投手にも振り負け打線とで、これまで壁になってきた強豪私立にも力勝負を挑めて、その戦いを制するだけの力を付けていた。

 準優勝の伊那弥生ケ丘も粘り強い戦いで、初の4強入りから決勝戦まで駆け上がった。エース藤本優太郎から右サイドの富永悠斗への継投が必勝パターンとなり、終盤に流れを呼び込んだ。決して破壊力のある打線ではなかったが、下位まで勝負どころでの強さを発揮した。

特に準決勝では、同地区で何度も苦杯を飲まされてきた第1シード東海大諏訪の猛追をしのぎ、4対3で逃げ切った。今大会の伊那弥生ケ丘の躍進を象徴する一戦となった。

 決勝戦では延長の末に敗れたが、6回に3点差を追いつくなど、粘り強さは最後まで健在だった。両投手の球速は120キロ台と今のご時勢、むしろ遅いぐらいだ。野手も突出した能力を持つ選手はいない。しかし冬場から実戦を想定した練習を積み重ね、劣勢になっても崩れない戦いができるようになったのが躍進の要因と言えそうだ。 

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