目次

[1]明徳義塾、リベンジへの山は険しいものに
[2]高知商と高知「竜虎相打つ」なるか?背番号「1」森木 大智(高知1年)にも注目

 7月13日(土)に開幕。順調に進めば7月26日(土)13時より高知県高知市の高知県立春野総合運動公園野球場で行われる決勝戦まで連合チーム2チームを含む30校26チームが参加し25試合の熱戦が展開される「第101回全国高等学校野球選手権高知大会」。
 今大会では2季連続で甲子園を逃した屈辱からのリベンジを期す第1シード・明徳義塾を中心に、連覇を目指す第2シード・高知商森木 大智(1年)がエースナンバーを背負うことになった第3シード・高知が「3強」を形成。ただし、第4シードの岡豊やノーシード勢も例年以上にタレントが多く、大会序盤から興味深い試合が期待できる。
 そこで今回は春までの公式戦結果を振り返りつつ、シード4校のブロックごとに注目選手を交えながら大会を展望していきたい。

大会日程・組み合わせ
第101回全国高等学校野球選手権高知大会

明徳義塾、リベンジへの山は険しいものに


公式戦のここまで
<高知県新人大会>参加16チーム
優勝 明徳義塾(2年ぶり21回目)
準優勝 高知商 ベスト4 高知 土佐

 

<秋季高知県大会>
優勝 高知商(13年ぶり26度目)
準優勝 高知 3位 明徳義塾 4位 土佐
ベスト8 中村 岡豊 高知東 高知工

<秋季四国大会>
高知商(3年ぶり43回目の出場) ベスト4 
 高知(2年連続33回目の出場)初戦敗退
明徳義塾(6年連続29回目の出場)1勝・2回戦敗退

<春季徳島県大会>
優勝 明徳義塾(7年ぶり8度目)
準優勝 高知 ベスト4 高知小津 岡豊
ベスト8 高知工 高知西 高知高専 高知商

<春季四国大会>
明徳義塾(6年連続24回目の出場)優勝<2年ぶり11度目>
高知(2年ぶり27回目の出場)初戦敗退

<高知県高校総体>参加16チーム
優勝 明徳義塾(4年連続23度目)
準優勝 高知商 ベスト4 高知中央 高知

*第1シード・明徳義塾ゾーン

 2年ぶり20度目の夏甲子園出場へ向け、2019年公式戦11連勝中、四国大会・県高校総体に続き3冠目の「令和初代王者」を狙う第1シード・明徳義塾は今年、通年の筋力トレーニングにより飛距離が増した打線が魅力。

 ケガから復帰した県総体後、本塁打を連発している4番・安田 隆(3年・捕手・180センチ88キロ・右投右打・明徳義塾中出身)をはじめ、俊足リードオフマンの古澤 怜大(3年・中堅手・171センチ76キロ・横浜市立岡野中<神奈川>出身)、春の県大会・四国大会では安田の穴を捕手として攻守に埋めて余りある活躍を果たした鈴木 大照(2年・一塁手・171センチ68キロ・右投右打・河南リトルシニア<大阪>出身)をはじめ、各打者が自分の適性に応じた打撃技術を備えつつある。

 これに対し「この夏は投手をどう継投するか」と馬淵 史郎監督が語る投手陣整備は現在一進一退といったところ。一次登録のエースナンバーはキレで勝負できる2年生左腕・新地 智也(左投左打・176センチ71キロ・ヤング岡山メッツ出身)。最終登録では新地が11に回り、春の県大会エース・林田 大成(3年・176センチ68キロ・左投左打・福知山市立日新中<京都>出身)が「1」を背負うことになったが、右翼手兼任の服部 遼馬(3年・左投左打・172センチ70キロ・明徳義塾中出身)を含めた登録5投手の起用法は極めて流動的である。

 というのも、このゾーンは明徳義塾にとって決して安穏としていられる状況ではないからだ。初戦はいずれも俊足選手が多数いる高知東工高知小津の勝者。逆側のやまにも一昨年大会準Vの梼原や機動力に優れる高知農、エース・渡邊 裕貴弥(2年・右投右打・170センチ62キロ・四万十市立中村中出身)や、3番・福岡 佑渡(2年・左翼手・右投右打・180センチ86キロ・土佐清水市立大月中出身)など、好選手が多い中村もこのゾーンである。

 そして明徳義塾にとって一番の難敵は中村と初戦で激突する高知中央。2016年春季高知県大会優勝を果たした重兼 知之監督が約3年ぶりに復帰する中、明徳義塾戦では常に闘志を燃やし、最速138キロのオーバースローから、スリークォーター・サイド・アンダーハンドまですべての投法を駆使して対峙する濱田 海渡(3年・172センチ71キロ・左投左打・尼崎西リトルシニア<兵庫>出身)ら1年生から経験を積む選手たちに加え、打って3番・三塁手、投げても最速141キロの板谷 朋生(167センチ67キロ・右投右打・南国ヤングマリナーズ出身)をはじめ、有望1年生も複数絡みそう。5月の県総体準決勝では明徳義塾が10対5で勝利しているが、「最後の夏」を鑑みれば激戦となるのは確実であろう。

*第4シード・岡豊ゾーン

 「ウチは植田次第です」(中川 明彦監督)。昨年末の四国選抜オーストラリア遠征では8回17奪三振と驚異の奪三振率をマークした最速136キロ右腕・植田 ジゲン(3年・171センチ69キロ・右投右打・須崎市立浦ノ内中出身)の出来に初甲子園がかかる岡豊にとっては、これ以上ない組み合わせとなったと言ってよいだろう。

 初戦は4年ぶりの単独出場を果たした清水と安芸桜ケ丘の勝者。準々決勝では1回戦・伊野商須崎須崎工が統合新設された須崎総合の勝者を土佐塾が待つ2回戦勝者と対戦するが、他ブロックと比較しても明らかにかかる負荷は少ない。

 岡豊としては畦地 遼翔(3年主将・二塁手・右投右打・175センチ75キロ・香美市立鏡野中出身)ら打線の精度を高めつつ、試合状況によっては2年秋までは植田とのダブルエースだった森岡 貴登(3年・175センチ73キロ・右投右打・黒潮町立大方中出身)の起用も視野に入れ、準決勝・決勝を全身全霊で戦える態勢を整えたい。

 このゾーンでもう1人注目してほしいのは土佐塾1年生・背番号「6」の寺田 啓悟(170センチ65キロ・土佐塾中出身)。彼はなんと「両投両打」。しかも両投げに対応できる特注グラブをはめてマウンドに立つ可能性も秘めている。すでに高知県高野連側も組み合わせ抽選会で「打者ごとに右で投げるか、左で投げるかをしめしてから投げる」ルール説明を明示しており、両投げ投手登板への準備は万端。もし登板すればどんな現象が起こるのかも注目したい。