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秋、春の4強がそのまま勝ち上がるか?大垣日大、県立岐阜商らが岐阜の頂点目指して争う!【岐阜大会展望】

2019.07.02

 昨秋と今春、県大会で4強の顔ぶれが変わらなかった岐阜県大会。それだけ、昨夏の代表校でもある大垣日大、一昨夏の代表校でもある中京学院大中京(当時中京)、伝統校の県岐阜商、岐阜第一の4校が安定しているともいえる。そのシード4校に対して、各校がどう挑んでいくのか、組み合わせが決まったので、この夏の岐阜県大会を予想してみた。

大会日程・組み合わせ
第101回全国高等学校野球選手権岐阜大会

筆頭格は大垣日大、ポテンシャルは中京学院大中京

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今春の県大会を制した大垣日大

 4強にあえて順位をつけるとすれば、やはり春季県大会で優勝した大垣日大が1番と言いたいところなのだが、選手個々の潜在能力という点では昨秋の優勝校である中京学院大中京の方が勝る。U-18日本代表候補の捕手に選出されている藤田健斗君、安定感のある不後祐将君のバッテリーは注目の存在である。

 いずれにしても、この両校がわずかに県岐阜商と岐阜第一をリードしているといえる。県岐阜商は鍛治舎巧監督が昨春に就任して、伝統のユニフォームも一新して、いよいよ鍛治舎イズムが浸透してきたあかしでもあるかのようで、春からの伸びしろという点では一番あるのかもしれない。

 佐々木泰君の打棒は注目だ。投手で野崎慎裕君、捕手で高木翔斗君、野手では廣部嵩典君といった1年生の大抜擢もありそうだ。また、岐阜第一はエース高倉明健君がすべてと言っていいくらいなのだが、安定感は抜群。まず、取りこぼしはなさそうだ。

 かなりの確率で、シード4校がそのままベスト4に残る確率は高そうだが、各ブロックの山で、果たして波乱があるのかどうか、それぞれのブロックごとに占ってみよう。

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各ブロックの注目ポイント

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県立岐阜商の野崎慎裕

 大垣日大のAブロックは岐阜益田清風の勝者が大垣日大に挑戦することになるが、反対ゾーンには帝京大可児がいる。他には、15年夏に甲子園出場を果たしている岐阜城北や初戦で当たる実力校同士の好カードとなった関商工土岐商などがいて、帝京大可児にとっては大垣日大に挑むまでの壁となりそう。

 初戦となる加納にも、投打で引っ張る藤井大河君がいて油断ならない相手となろう。大垣日大は、準々決勝までをいかに効率よく戦っていかれるのかということだが、初戦の大垣南、川本勇監督がどう仕掛けて挑んでくるのかも注目だ。大垣日大は走攻守と三拍子そろった林拓馬君の打撃が爆発すれば、やはり3年連続甲子園の可能性は高まる。

 県岐阜商のBブロックでは、もう一つのシード校が大垣商だ。準々決勝までの中では県岐阜商にとっては初戦の大垣西が一番難敵か。というのも188㎝という大型投手の小出瑞希君がいるし、目先を交わしていく変則タイプの臼井悠真君もおり、打撃強化を進めてきた県岐阜商をどうかわしていくのかというところだ。大垣商は昨年からのエース富田蓮君がカギとなる。

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岐阜第一の高倉明健

 中京学院大中京はCブロックとなったが、初戦の岐阜東、次の3回戦が大垣工各務原西の勝者となっているが、ベスト8で当たるであろう岐阜総合との試合までは順調に上がってきそうだ。岐阜総合は春季大会も準々決勝で中京学院大中京と当り3対8で敗れている。

 夏の舞台で何とかリベンジしたいところであろうが、近年躍進している岐阜各務野が3回戦で当たりそうだが、好試合が期待される。岐阜各務野藤田凌君は187㎝の大型投手で、スピードもあり将来が期待される逸材でもある。66チームの岐阜大会は1回戦が2試合のみとなるが、そのうちの一つ開幕戦の不破郡上北は好試合が期待される。

 Dブロックは岐阜第一が初戦は粘り強い岐阜工、さらには富田と市岐阜商の勝者と難敵が続く。市岐阜商は棚橋直哉君を中心とした豊富な投手陣で挑むが、故障で打撃に専念していた今佑我君も加われば、さらに厚みが増してくるであろう。岐阜第一と当れば好試合が期待される。さらには、長良麗澤瑞浪も虎視眈々と狙っている。

 もう一つのシード校は美濃加茂だが、3回戦で当たりそうな東濃実も実績がある。また、昨秋ベスト8で旋風を巻き起こした海津明誠は1回戦からの登場となるが、初戦の岐阜農林、次の中津という春は比較的乱戦を戦ってきた相手が続く。それらの壁を突破して何とか美濃加茂に挑みたいところであろう。

 果たして、秋と春と同じ顔ぶれの4強シード校の牙城が崩れるかどうか。そこも注目したい『国盗り物語』岐阜の甲子園ロードである。

文=手束 仁

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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