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智辯和歌山、市立和歌山の2強を追いかける有力校にも要注目!【和歌山大会展望】

2019.07.02

 7月12日に開幕する第101回和歌山大会の組み合わせ抽選会が22日に行われた。春季大会で4強入りした海南桐蔭智辯和歌山市立和歌山がシード校となり、それぞれ別のゾーンに振り分けられた。準決勝からは再抽選となり、7月28日に決勝が行われる。
 今大会はセンバツで8強入りした智辯和歌山市立和歌山が優勝候補に挙げられているが、両校のゾーンには有力校が集まった。今回はゾーンごとに夏の和歌山大会を展望していきたい。

大会日程・組み合わせ
第101回全国高等学校野球選手権和歌山大会

優勝大本命は智辯和歌山、市立和歌山の2強

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プロ注目右腕・谷脇弘起(那賀)

 Aゾーンのシード校は海南。右横手投げのエース・森正義(3年)を中心に守り勝つ野球が持ち味。5度の[stadium]甲子園[/stadium]出場歴を誇る伝統校が55年ぶりに夏の[stadium]甲子園[/stadium]を目指す。

 初戦の好カードとして期待されるのが箕島南部龍神箕島岩鼻忠憲(3年)、南部龍神小川泰二郎(3年)の両エースは県内でも有数の好投手として知られている。緊迫した投げ合いに期待したい。

 Bゾーンは好投手が多く、混戦が予想される。シード校の桐蔭は2年生左腕の坂口健心が守りのリズムを作って上位進出を狙いたい。桐蔭と初戦で対戦する串本古座は少人数ながら春は中盤まで市立和歌山と互角の戦いを繰り広げている。緩い変化球を武器とする坂根遼太(3年)の投球がハマれば面白い。

 秋4位の田辺はエースの熊野輝也(3年)が春は登板せず初戦敗退に終わっている。彼の調子次第では上位進出が見込めるだけに状態が気になるところ。4番を打つ輪玉渉馬(3年)の長打力にも注目だ。

 那賀は140キロ超えのストレートとキレのあるスライダーを武器とする谷脇弘起(3年)がプロ注目の投手として期待されている。打撃陣も打ち出すと止まらない怖さがあり、上位進出の可能性は十分にある。

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注目の1年生・德丸天晴(智辯和歌山)

 Cゾーンは智辯和歌山が大本命となるだろう。1年夏から[stadium]甲子園[/stadium]を経験している黒川史陽(3年)、東妻純平(3年)、西川晋太郎(3年)は荒木大輔早稲田実/現・日本ハムファーム監督兼投手コーチ)や同校の先輩である道端俊輔(現・明治安田生命)ら過去に8人しかいない5季連続の[stadium]甲子園[/stadium]出場がかかっている。

 春は1年生の德丸天晴が4番を任され、夏にも中軸を任される可能性が高い。投手陣も本格派の池田陽佑(3年)、小林樹斗(2年)を中心に層が厚く、5季連続出場に向けて不安は少ない。中谷仁監督体制で挑む初めての夏となるが、どんな戦いを見せてくれるだろうか。

 智辯和歌山と初戦でぶつかる和歌山南陵山元樹(3年)が注目の強打者。春は智辯和歌山に完封負けを喫したが、リベンジすることはできるだろうか。

 3回戦で智辯和歌山和歌山南陵の勝者と対戦する可能性がある高野山も侮れない。右下手投げの塩路丈瑠(3年)が相手を手玉に取る投球をすることができれば一気に勝機が見えてくる。小柄だが巧みな守備を見せる遊撃手の桂飛勇己(2年)にも注目だ。

 秋8強の日高は昨年からの主力が多く残っており、経験値で有利に立つ。エース左腕の楠山顕也(3年)や打線の中心となる宮本真光(3年)や小園陸斗(3年)といった選手がチームを引っ張りたい。

[page_break:市立和歌山筆頭のDゾーンは大激戦区に!]

市立和歌山筆頭のDゾーンは大激戦区に!

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エース左腕・岩本真之介(市立和歌山)

 市立和歌山のいるDゾーンは大激戦区となった。市立和歌山はエース左腕の岩本真之介(2年)やセンバツで本塁打を放った緒方隆之介(3年)など主力は健在。彼らに加えて春は松川虎生が4番に座り、小園健太が登板するなど1年生の活躍も目立った。昨年春から4季連続で智辯和歌山に決勝で敗れるという悔しさを味わっているが、今度こそは頂点に立ちたいところだ。

 初戦で市立和歌山と対戦する日高中津は主砲の杉浦玲吏(3年)を中心に能力の高い選手が多い。春にもこの2校は準々決勝で対決しており、この時は市立和歌山が5対2で勝利を収めているが、夏はどんな結果になるだろうか。

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豪腕・落合秀市(和歌山東)

 豪腕・落合秀市(3年)を擁する和歌山東もこのゾーンに入った。1回戦から星林向陽市立和歌山日高中津の勝者と気の抜けない戦いが続き、落合の起用法が気になるところ。落合に次ぐ投手として期待されている野口聡大(3年)が踏ん張りに期待したい。打線は主将で1番の岡野楓大(3年)が打線の火付け役となる。打撃陣が援護することができれば初の[stadium]甲子園[/stadium]出場も見えてくるはずだ。

 昨夏4強の向陽は投打のバランスが取れたチーム。昨年から4番を打つ酒井隆成(3年)の前に走者を溜めていきたい。星林は春に田辺を完封した西本信(2年)の出来が命運を握りそうだ。

 秋の近畿大会に出場した南部は左腕の鎌倉海斗(3年)、スリークォーターの技巧派・三木翔太(3年)、安定感のある周家一磨(3年)と多彩な投手陣を擁する。彼らをリードする鎌倉航太(3年)の勝負強い打撃からも目が離せない。

 和歌山商は昨年から4番に座る岡悠貴(3年)の長打力に注目。秋と春は結果が出なかったが、近大新宮も投打がかみ合えば面白い存在だ。昨年から正捕手を務める水光巧(3年)がチームを勝利に導けるか。

 初芝橋本は今年度から北嵯峨、京都鳥羽、立命館宇治を[stadium]甲子園[/stadium]に導いた卯瀧逸夫監督が就任。京都で名を馳せた名伯楽はどんな采配を見せてくれるだろうか。

 戦力的には智辯和歌山市立和歌山が抜けているが、両校ともに序盤から強敵との戦いが続く。2強に対する包囲網を突破するのは決して簡単ではないだろう。全体を見渡しても初戦から有力校同士の対決が多く、序盤戦から白熱した戦いが見られそうだ。

 和歌山大会はテレビ和歌山で全試合が生中継される予定となっている。全試合を完全実況生中継で行っているのは全国でも和歌山大会だけ。それだけ県民の高校野球熱は熱いものがある。全国屈指の野球どころは今年も熱い夏となりそうだ。

文=馬場 遼

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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